安倍晋三首相による靖国神社参拝に関して、米国務省のハーフ副報道官は30日の記者会見で、「今回の場合、日本の指導者が隣国との緊張を悪化させる行動をとったことに、われわれは失望していると繰り返す」と述べ、在日米大使館や国務省の声明で述べられた立場を改めて表明しました。

 「遺憾」や「懸念」ではなく、「失望」という強い言葉を使った理由を問われた副報道官は、「(首相の参拝が)緊張を悪化させると考えていることを、非常に明瞭」にするためだと語りました。

 ドイツ政府のザイベルト報道官は同日の記者会見で「日本の内政にはコメントしない」としつつも、「各国は20世紀の恐ろしい戦争で果たした役割に応じて誠実に行動しなければならない。それによりかつての敵と未来を築ける」と発言しました。

 韓国国会は31日、安倍首相の靖国参拝を「侵略戦争に対する真の反省もなしに、むしろ侵略行為を美化している」と糾弾する決議を採択しました。決議は「日本政府は人類の普遍的価値を否定する時代錯誤的な行為を即刻中断し、歴史に対する責任ある姿勢を取らねばならない」と述べています。(ワシントン=洞口昇幸、外信部=菅原啓)