自民党が集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を説明する、新たな「Q&A」を作成し、所属国会議員に配っていることが分かりました。

  同党は1日の「閣議決定」直後に、Q&Aをホームページに掲載しており、今回で2度目。最初のものが2ページ・4問4答だったのに対し、新たなQ&Aは11ページ・26問26答に拡大しました。

 内閣官房もホームページで7ページ35問のQ&Aを掲載。公明党は公明新聞などで「疑問」に答えるキャンペーンを繰り返しています。

 新Q&Aも、解釈改憲ではなく立憲主義に反しない、専守防衛は変わらない、徴兵制にはならないなど、安倍首相の記者会見をなぞるようなウソとデタラメを並べたてていますが、「個別的自衛権と集団的自衛権の違い」など基本的な事項についての「説明」を増やしています。

 「閣議決定」の強行以降、一連の世論調査で内閣支持率が急落し、軒並み発足以来最低を更新。13日の滋賀県知事選挙でも自公が推した候補が敗れました。

 集団的自衛権行使の容認それ自体についても、安倍首相の「応援団」となってきた「読売」「産経」も含め「反対」「評価しない」が過半数か多数です。「説明不足」という評価は7~8割にのぼっています。「産経」22日付の世論調査では、「公明党支持層」からも閣議決定を「評価しない」が50・0%でした。

 新Q&Aは、自民党所属議員が地元で有権者に説明するための材料として配布された物ですが、まともな説明になっていません。

 例えば、「徴兵制となる」という専門家の指摘や国民の不安に対し、Q&Aでは「まったくの誤解」と強弁し、憲法上も安全保障政策上も徴兵制が採用されるようなことは「まったくない」と述べています。

 しかし、自衛隊が海外の戦場で「殺し殺される」状況に追い込まれれば、隊員のなり手がいなくなり、「防衛」のために徴兵制が導入される懸念がもたれているのです。自民党の石破茂幹事長は「徴兵制が憲法違反だとは思わない」と公言しており、「解釈変更」で集団的自衛権行使を強行しようとする政権が、やはり「解釈変更」で徴兵制を「可能」とすることが疑われるのは当然です。