主張
教育費の負担軽減
学びを支える政治の実現こそ
重すぎる教育費の負担を何とかしてほしい―。子どもを持つ世代にも、大学生・高校生にも共通の願いです。安倍晋三政権による消費税増税や経済政策「アベノミクス」によって貧困と格差が広がる中で、この要求はますます切実です。教育費の軽減・無償化、ゆき届いた教育実現へと政治を変えるため、総選挙は重要な機会です。
国際人権規約を生かし
日本の家庭の教育費負担は世界でも異常な重さです。高校入学から大学卒業までにかかる費用は子ども1人当たり平均1000万円以上にもなります(日本政策金融公庫2013年調査)。
教育関係者の運動で、日本政府は12年に、高校と大学を段階的に無償化するという国際人権規約の条項への留保を撤回しましたが、その後、無償化の具体化は検討されていません。それどころか自民・公明・維新は、一度は導入された公立高校の「授業料無償化」を廃止して、高校就学支援金に所得制限を導入する改悪を強行しました。世界一高い大学の学費も放置されたままです。学びたくても学費が払えず学べない事態に、拍車をかける逆行です。
日本共産党は総選挙政策に、高校就学支援金の所得制限をなくし、私立高校生への支援金制度の拡充を進めること、国際人権規約を生かして高校・大学・専門学校の無償化を達成する目標をはっきりさせ、段階的なプログラムを策定することを掲げています。
大学の「世界一の高学費」を軽減するとともに、奨学金制度を改革することは待ったなしです。多くの学生が有利子の貸与型奨学金に頼り、卒業後には平均的ケースで300万円、多い場合は1000万円もの奨学金の“借金”を負わされています。奨学金を借りて卒業した人の8人に1人が、就職難や低賃金で返せなくなり、滞納や返済猶予になっています。借りたくても我慢してアルバイトに追われる学生も増えています。学生が安心して利用し、勉学に専念できる制度にすることが急務です。
経済協力開発機構(OECD)加盟国のほとんどで返済の必要のない給付奨学金がありますが、安倍政権は拒んでいます。学生が安心して使える奨学金に改革するために(1)有利子奨学金を無利子にする(2)返済方法を改善する(3)給付奨学金をただちに創設する―を提言している日本共産党を大きくし、政府を動かすことが必要です。
民主党政権と自公政権のもとで、日本の教育への公的支出が国内総生産(GDP)に占める割合は、OECD加盟国で連続5年最下位になっています。日本共産党の躍進で教育予算の抜本的増額、教育費負担の軽減・無償化、奨学金改革への道を切り開きましょう。
少人数学級推進へ共同
安倍政権が小学1年での35人学級を40人学級に戻そうとしていることは大問題です。関係者の長年の運動のすえ11年に実現した35人学級は本来、中学校まで拡大されるはずのものでした。それをストップさせたばかりか40人学級に戻すことは、教育のあり方からも国際的に見ても、一片の道理もありません。
日本共産党は少人数学級推進の一点で共同を広げ、法律改正のために全力を尽くします。子どもたちの豊かな学びを支える政治をともに実現しましょう。