非正規雇用の労働者数が11月、初めて2000万人を超えて2012万人となりました。役員を除く雇用者に占める非正規の比率は38%に達しました。26日、総務省が発表した「労働力調査」で分かりました。
前年同月比では、非正規が48万人増えた一方、正規が29万人減。正社員を減らして非正規雇用に置き換える動きがいっそう進んでいます。安倍晋三政権は雇用を守るルールを「岩盤規制」と呼んでさらに切り崩そうとしています。
非正規雇用の労働者数は、総務省が月ごとの統計を発表するようになった2013年1月以降で最多。四半期ごとに集計していた02年以降でも最多です。
非正規比率は、今年2月の38・2%に次ぐ2番目の高さです。女性では57・2%と6割近くです。年齢階層別の非正規比率は、15~24歳が50・5%で、65歳以上(74・2%)を除けば最も高くなっています。若者がなかなか正社員になれず、非正規の職に就かざるを得ない実態が表れています。
非正規雇用が増えたのは、歴代自民党政権下で労働者派遣法などが改悪されたためです。第2次安倍政権は、派遣労働者をいつまでも派遣のまま使い続けられるようにする労働者派遣法改悪案を今年秋の臨時国会に提出しましたが、共産党や労働組合の強い反対で廃案に追い込まれました。安倍政権は今後さらに改悪を狙っています。
正規が当たり前 政策転換すぐに
全労連 井上久事務局長の話
安倍首相は「賃金をあげる」と言います。しかし、低賃金の非正規雇用が増え続けている今回の調査結果からも、その欺まんと破たんは明らかです。労働法制の改悪を繰り返せば、大企業はコストカットのために非正規雇用への置き換えをさらにすすめるでしょう。
日本経済の再生のためには、賃上げで内需を増やす必要があることは、いまや政府も認めるところです。だったら、正規が当たり前の雇用の安定に政策を転換すべきです。