労働時間制度の見直しを議論している労働政策審議会の労働条件分科会が16日、厚生労働省で開かれ、厚労省は報告書骨子案を出し、「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル労働制)」との名称で、「残業代ゼロ」「過労死促進」となる労働時間規制の適用を除外する制度の創設を提案しました。次回にも、とりまとめがねらわれています。

 対象業務は、金融商品の開発やディーリング業務、コンサルタントや研究開発業務などの専門業務だけに限定せず、「時間と成果との関連性が強くない」業務を含むとして、対象を拡大。年収要件1075万円を明示しました。対象の業務と労働者は法律ではなく省令で規定するとして、対象労働者を容易に拡大できる枠組みとなっています。

 また裁量労働制の見直しでは、対象業務を拡大するとともに、手続きの簡素化を提案。フレックスタイム制についても、長時間労働を助長するような案を提示しました。

 労働者側は、「すべての労働者を対象とする労働時間規制が実効性ある制度として盛り込まれていない。規制緩和が中心的な内容になっている」(連合・新谷信幸総合労働局長)と指摘。労働時間の上限規制や勤務間インターバル制度を導入するよう求めました。

 使用者側は、適用除外制度の対象業務の拡大や年収要件の引き下げなどを求めました。