暴走歯止めへ 権限初行使

bb13a3adbbce0499ac3ae13251677856b212e67e 沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は16日、国が名護市辺野古への新基地建設に向けて数十トンの巨大なコンクリート・ブロックを海に投入していることに対し、埋め立て予定地外でのボーリング(掘削)調査を含め海底面の現状変更をしないよう命じる指示を沖縄防衛局に出しました。県の許可を受けていない区域でサンゴ礁を傷つけるなど岩礁破砕を行っている可能性が高いと判断、許可区域外での新たなブロック投入や既設物の移動禁止などを命じたもの。

 安倍政権の繰り返す暴挙に歯止めをかけるため、新基地反対を掲げる翁長県知事による権限の初行使といえるもので、防衛局が指示に従わないなどの場合、前知事の出した岩礁破砕の許可そのものを取り消す可能性も明らかにしています。

 同日夕、翁長知事は県庁内で記者団に対し、「防衛局は今回の指示を真摯(しんし)にとらえ、適切に対処してもらいたい。私は県民の負託を受けた知事として、今後も県の有するあらゆる手法を用いて、辺野古に基地は造らせないとの公約を実現していく」と強調。防衛局にブロック投入の資料を提出させた上で、現場調査をすることによって違反が確認された場合、既設ブロックの撤去・原状回復を命じることも示唆しました。

 県の漁業調整規則は水産資源を保護する上で、海底の状態を改変する岩礁破砕行為について、県知事の許可を得るよう取り決めています。前県政時代に新基地建設のための埋め立て区域(約172ヘクタール)については許可を出していましたが、防衛局は1月27日以降、許可区域外でブロックなどの投入を無法にも強行。この間、市民団体の撮影した水中写真などによってサンゴ礁のおびただしい破損が確認されています。

 防衛局側は、ブロックなどの投入は県の許可を必要とする岩礁破砕に当たらないと主張していますが、その判断をするのは知事です。