(1)
26日、投票されたいっせい地方選挙の後半戦で、日本共産党は、東京区議選挙で128議席、一般市議選挙で672議席、町村議選挙で292議席、合計で1092議席を獲得しました。4年前の選挙に比べて、東京区議選挙で7議席、一般市議選挙で44議席、町村議選挙で11議席、合計62議席を増やしました。議席占有率は7・76%から8・78%へと前進しました。得票率の比較では、前回比で、東京区議選挙で121・5%、一般市議選挙で113・3%、町村議選挙で108・9%と、それぞれ前進をかちとることができました。前半戦に続いて後半戦でも、全体として躍進という結果を獲得することができました。日本共産党の候補者にご支持をお寄せいただいたすべての有権者のみなさん、奮闘していただいた支持者、後援会員、党員のみなさんに、心からの感謝を申し上げます。
(2)
日本共産党は、政治論戦で、前半戦に続いて後半戦でも、「戦争立法」の問題をはじめとする安倍政権の暴走政治ストップという訴えと、住民の福祉と暮らしにかかわる切実な要求実現の訴え――国政と地方政治を結びつけて攻勢的にたたかうという姿勢を貫きました。これは、とくに「戦争立法」の危険性が、いよいよ現実のものとなり、多くの国民が不安と批判を強めているもとで、共感と支持を広げました。前半戦の躍進を受け、後半戦において、党が「全員当選、得票目標実現」を目標に掲げてたたかったことは、重要な意義をもつものです。とりわけ「候補者の全員当選を掛け値なしに実現する」(4月13日の常任幹部会声明)ことに正面から挑戦し、14の府県で全員当選を達成したのをはじめ、選挙区単位では、21の東京区議選挙のうち19区で、296の一般市議選挙のうち256市でそれぞれ全員当選を果たしたことは、わが党の地方選挙のとりくみの質を変える積極的意義をもつものです。
選挙戦では、前半戦に引き続き、20代、30代の若い候補者の奮闘が、新鮮な風を吹き込みました。ベテラン党員が革命的気概を発揮して奮闘し、前半戦で勝利した議員はもとより、落選した候補者も含めて、全党の力が多面的に発揮され、選挙勝利のために心を一つに奮闘したことは、きわめて重要でした。
(3)
今回の選挙では、全体としての議席増、得票増のもとでも、議席や得票を減らした選挙区もあり、個々の選挙戦の自己検討を、中央としても、地方党機関、支部としても、すすめたいと思います。そのなかでも最大の問題は、党の自力の弱点という問題です。昨年の総選挙の躍進という結果をうけて、3中総決定は「党の自力の問題は、引き続き私たちの活動の最大の弱点」であると総括しました。私たちは、今回のいっせい地方選挙を、前回時比で、党費納入党員数で95・0%、「しんぶん赤旗」日刊紙読者数で88・8%、日曜版読者数で86・4%でたたかいました。党の自力の弱点という問題は、前半戦・後半戦を通じて、その切実性が痛感されました。
とくに後半戦は、党の自力の弱点がそのまま結果に影響する選挙戦となりました。党建設の立ち遅れなどから、これまで議席を持っていたのに後継候補者を擁立できず、みすみす議席を後退させた選挙区も少なくありません。日本共産党に対する新たな注目、期待、支持の広がりを、党の自力の不足から、個々の候補者への投票にきちんと結びつけることができず、議席の獲得に至らなかった選挙区も少なくありません。
総選挙、いっせい地方選挙の前半戦・後半戦のたたかいの全体を通じて、わが党が克服すべき最大の問題が、党の自力の弱点にあるということを銘記して、強く大きな党づくりのために全力をあげる決意を新たにしようではありませんか。
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わが党は、昨年の総選挙で13議席増の21議席を獲得し、いっせい地方選挙の前半戦で60議席増(道府県議、政令市議)、後半戦で62議席増と、連続躍進によって国民と結びついた新しい力を得ることができました。躍進した力を生かし、全党が次の二つの課題にとりくむことを心から訴えます。
第一は、安倍政権の暴走政治と対決し、平和・民主主義・暮らしを守る国民的大闘争を発展させることです。とりわけ、「戦争立法」を許さないたたかいは、文字通り日本の国のあり方、日本の命運を左右する歴史的なたたかいです。国会内外で「戦争立法」ストップの一点での共同を広げ、憲法破壊のこの企てを阻止するために、党の総力をあげてたたかい抜こうではありませんか。
5月17日投票で「大阪都」構想=「大阪市廃止・解体」構想の是非を問う住民投票が行われます。大阪の自治と暮らしをつぶす「維新の党」の野望を許さないことは、全国的意義をもったたたかいであり、支援を集中することを呼びかけます。
第二は、党を強く大きくすることです。3中総で決めた国政選挙の新しい目標――「850万票、得票率15%以上」を来年7月の参議院選挙で達成することを正面にすえ、「党勢倍加」「世代的継承」という二大目標達成をめざして、大きな構えで党づくりに踏み出しましょう。総選挙といっせい地方選挙での連続躍進を受けて、国民と党との関係に大きな前向きの変化が起こっています。客観的にも主体的にも、党勢拡大のこんなに大きな条件が存在するときはありません。この条件を、余さずにくみつくして、強く大きな党づくりに挑戦しようではありませんか。