閉じる
閉じる
×
「『戦争する国』へすすむ安全保障関連法案に反対します」とのアピールをネット上に公表し、全国の学者・研究者に賛同を募ってきた「安全保障関連法案に反対する学者の会」。15日、東京都内で行われた記者会見で、学問各分野の代表的な学者61人が呼びかけ人となり、賛同者は午後3時現在で、学者・研究者2678人、市民1819人にのぼったことを公表しました。戦後最大の平和の危機だとして、さらに賛同者を広げていきたいとしています。
会見には佐藤学(学習院大学教授・教育学)、広渡清吾(専修大学教授・法学)、間宮陽介(青山学院大学特任教授・経済学)、青井未帆(学習院大学教授・法学)、海部宣男(国立天文台名誉教授)、山口二郎(法政大学教授・政治学)ら呼びかけ人10氏が参加。発起人の佐藤氏が「このまま黙っていられないと、わずか3日間で急速に広がった。違憲性のある法案が国会で審議されること自体に強い憤りを感じる」と報告。各氏の発言では、“平和を考えるのは憲法学者でなく政治家だ”といった自民党政治家の発言に触れ、広渡氏は「学問の意義と、憲法は権力を縛るものとの立憲主義の否定は許されない」と語りました。青井氏は「憲法が紙きれになってしまうことは、憲法学者としては黙ってられない」と語りました。
「戦争しない国」から「戦争する国」へ、戦後70年の今、私たちは重大な岐路に立っています。安倍晋三政権は新法の「国際平和支援法」と10本の戦争関連法を改悪する「平和安全法制整備法案」を国会に提出し、審議が行われています。これらの法案は、アメリカなど他国が海外で行う軍事行動に、日本の自衛隊が協力し加担していくものであり、憲法九条に違反しています。私たちは憲法に基づき、国会が徹底審議をつくし、廃案とすることを強く求めます。
法案は、(1)日本が攻撃を受けていなくても他国が攻撃を受けて、政府が「存立危機事態」と判断すれば武力行使を可能にし、(2)米軍等が行う戦争に、世界のどこへでも日本の自衛隊が出て行き、戦闘現場近くで「協力支援活動」をする、(3)米軍等の「武器等防護」という理由で、平時から同盟軍として自衛隊が活動し、任務遂行のための武器使用を認めるものです。
安倍首相の言う「武力行使は限定的なもの」であるどころか、自衛隊の武力行使を際限なく広げ、「専守防衛」の建前に反することになります。武器を使用すれば、その場は交戦状態となり、憲法九条一項違反の「武力行使」となることは明らかです。60年以上にわたって積み重ねられてきた「集団的自衛権の行使は憲法違反」という政府解釈を安倍政権が覆したことで、米国の侵略戦争に日本の自衛隊が参戦する可能性さえ生じます。日本が戦争当事国となり、自衛隊が国際法違反の「侵略軍」となる危険性が現実のものとなります。
私たちは、かつて日本が行った侵略戦争に、多くの学徒を戦地へ送ったという、大学の戦争協力の痛恨の歴史を担っています。その歴史への深い反省から、憲法九条とともに歩み、世界平和の礎たらんと教育研究活動にたずさわり、再び戦争の惨禍を到来させないようにしてきました。二度と再び、若者を戦地に送り、殺し殺される状況にさらすことを認めることはできません。
私たちは、学問と良識の名において、違憲性のある安全保障関連法案が国会に提出され審議されていることに強く抗議し、それらの法案に断固として反対します。
■呼びかけ人(*は発起人、50音順)
青井 未帆(学習院大学教授)
*浅倉むつ子(早稲田大学教授)
淡路 剛久(立教大学名誉教授)
池内 了(名古屋大学名誉教授)
石田 英敬(東京大学教授)
市野川容孝(東京大学教授)
伊藤 誠(東京大学名誉教授)
上田 誠也(東京大学名誉教授)
上野 健爾(京都大学名誉教授)
*上野千鶴子(東京大学名誉教授)
鵜飼 哲(一橋大学教授)
*内田 樹(神戸女学院大学名誉教授)
内海 愛子(恵泉女学園大学名誉教授)
宇野 重規(東京大学教授)
大澤 眞理(東京大学教授)
岡野 八代(同志社大学教授)
小熊 英二(慶応大学教授)
戒能 通厚(早稲田大学名誉教授)
海部 宣男(国立天文台名誉教授)
加藤 節(成蹊大学名誉教授)
金子 勝(慶応大学教授)
川本 隆史(国際基督教大学教授)
君島 東彦(立命館大学教授)
久保 亨(信州大学教授)
栗原 彬(立教大学名誉教授)
小林 節(慶応大学名誉教授)
小森 陽一(東京大学教授)
齊藤 純一(早稲田大学教授)
酒井 啓子(千葉大学教授)
*佐藤 学(学習院大学教授)
島薗 進(上智大学教授)
杉田 敦(法政大学教授)
高橋 哲哉(東京大学教授)
高山佳奈子(京都大学教授)
千葉 眞(国際基督教大学特任教授)
中塚 明(奈良女子大学名誉教授)
永田 和宏(京都大学名誉教授)
西川 潤(早稲田大学名誉教授)
西崎 文子(東京大学教授)
西谷 修(立教大学特任教授)
野田 正彰(精神病理学者)
浜 矩子(同志社大学教授)
樋口 陽一(憲法学者)
広田 照幸(日本大学教授)
*広渡 清吾(専修大学教授)
堀尾 輝久(東京大学名誉教授)
*益川 敏英(京都大学名誉教授)
*間宮 陽介(青山学院大学特任教授)
三島 憲一(大阪大学名誉教授)
水島 朝穂(早稲田大学教授)
水野 和夫(日本大学教授)
宮本 憲一(大阪市立大学名誉教授)
宮本 久雄(東京大学名誉教授)
山口 二郎(法政大学教授)
山室 信一(京都大学教授)
横湯 園子(前中央大学教授)
吉岡 斉(九州大学教授)
吉田 裕(一橋大学教授)
鷲谷いづみ(中央大学教授)
渡辺 治(一橋大学名誉教授)
和田 春樹(東京大学名誉教授)
会見には佐藤学(学習院大学教授・教育学)、広渡清吾(専修大学教授・法学)、間宮陽介(青山学院大学特任教授・経済学)、青井未帆(学習院大学教授・法学)、海部宣男(国立天文台名誉教授)、山口二郎(法政大学教授・政治学)ら呼びかけ人10氏が参加。発起人の佐藤氏が「このまま黙っていられないと、わずか3日間で急速に広がった。違憲性のある法案が国会で審議されること自体に強い憤りを感じる」と報告。各氏の発言では、“平和を考えるのは憲法学者でなく政治家だ”といった自民党政治家の発言に触れ、広渡氏は「学問の意義と、憲法は権力を縛るものとの立憲主義の否定は許されない」と語りました。青井氏は「憲法が紙きれになってしまうことは、憲法学者としては黙ってられない」と語りました。
戦争法案に反対/「学者の会」アピール
安全保障関連法案に反対する学者の会が発表したアピール「『戦争する国』へすすむ安全保障関連法案に反対します」の全文は次のとおりです。「戦争しない国」から「戦争する国」へ、戦後70年の今、私たちは重大な岐路に立っています。安倍晋三政権は新法の「国際平和支援法」と10本の戦争関連法を改悪する「平和安全法制整備法案」を国会に提出し、審議が行われています。これらの法案は、アメリカなど他国が海外で行う軍事行動に、日本の自衛隊が協力し加担していくものであり、憲法九条に違反しています。私たちは憲法に基づき、国会が徹底審議をつくし、廃案とすることを強く求めます。
法案は、(1)日本が攻撃を受けていなくても他国が攻撃を受けて、政府が「存立危機事態」と判断すれば武力行使を可能にし、(2)米軍等が行う戦争に、世界のどこへでも日本の自衛隊が出て行き、戦闘現場近くで「協力支援活動」をする、(3)米軍等の「武器等防護」という理由で、平時から同盟軍として自衛隊が活動し、任務遂行のための武器使用を認めるものです。
安倍首相の言う「武力行使は限定的なもの」であるどころか、自衛隊の武力行使を際限なく広げ、「専守防衛」の建前に反することになります。武器を使用すれば、その場は交戦状態となり、憲法九条一項違反の「武力行使」となることは明らかです。60年以上にわたって積み重ねられてきた「集団的自衛権の行使は憲法違反」という政府解釈を安倍政権が覆したことで、米国の侵略戦争に日本の自衛隊が参戦する可能性さえ生じます。日本が戦争当事国となり、自衛隊が国際法違反の「侵略軍」となる危険性が現実のものとなります。
私たちは、かつて日本が行った侵略戦争に、多くの学徒を戦地へ送ったという、大学の戦争協力の痛恨の歴史を担っています。その歴史への深い反省から、憲法九条とともに歩み、世界平和の礎たらんと教育研究活動にたずさわり、再び戦争の惨禍を到来させないようにしてきました。二度と再び、若者を戦地に送り、殺し殺される状況にさらすことを認めることはできません。
私たちは、学問と良識の名において、違憲性のある安全保障関連法案が国会に提出され審議されていることに強く抗議し、それらの法案に断固として反対します。
■呼びかけ人(*は発起人、50音順)
青井 未帆(学習院大学教授)
*浅倉むつ子(早稲田大学教授)
淡路 剛久(立教大学名誉教授)
池内 了(名古屋大学名誉教授)
石田 英敬(東京大学教授)
市野川容孝(東京大学教授)
伊藤 誠(東京大学名誉教授)
上田 誠也(東京大学名誉教授)
上野 健爾(京都大学名誉教授)
*上野千鶴子(東京大学名誉教授)
鵜飼 哲(一橋大学教授)
*内田 樹(神戸女学院大学名誉教授)
内海 愛子(恵泉女学園大学名誉教授)
宇野 重規(東京大学教授)
大澤 眞理(東京大学教授)
岡野 八代(同志社大学教授)
小熊 英二(慶応大学教授)
戒能 通厚(早稲田大学名誉教授)
海部 宣男(国立天文台名誉教授)
加藤 節(成蹊大学名誉教授)
金子 勝(慶応大学教授)
川本 隆史(国際基督教大学教授)
君島 東彦(立命館大学教授)
久保 亨(信州大学教授)
栗原 彬(立教大学名誉教授)
小林 節(慶応大学名誉教授)
小森 陽一(東京大学教授)
齊藤 純一(早稲田大学教授)
酒井 啓子(千葉大学教授)
*佐藤 学(学習院大学教授)
島薗 進(上智大学教授)
杉田 敦(法政大学教授)
高橋 哲哉(東京大学教授)
高山佳奈子(京都大学教授)
千葉 眞(国際基督教大学特任教授)
中塚 明(奈良女子大学名誉教授)
永田 和宏(京都大学名誉教授)
西川 潤(早稲田大学名誉教授)
西崎 文子(東京大学教授)
西谷 修(立教大学特任教授)
野田 正彰(精神病理学者)
浜 矩子(同志社大学教授)
樋口 陽一(憲法学者)
広田 照幸(日本大学教授)
*広渡 清吾(専修大学教授)
堀尾 輝久(東京大学名誉教授)
*益川 敏英(京都大学名誉教授)
*間宮 陽介(青山学院大学特任教授)
三島 憲一(大阪大学名誉教授)
水島 朝穂(早稲田大学教授)
水野 和夫(日本大学教授)
宮本 憲一(大阪市立大学名誉教授)
宮本 久雄(東京大学名誉教授)
山口 二郎(法政大学教授)
山室 信一(京都大学教授)
横湯 園子(前中央大学教授)
吉岡 斉(九州大学教授)
吉田 裕(一橋大学教授)
鷲谷いづみ(中央大学教授)
渡辺 治(一橋大学名誉教授)
和田 春樹(東京大学名誉教授)