安倍晋三首相や関係閣僚、ケネディ駐日米大使も出席する中、翁長雄志知事が平和宣言を行いました。翁長知事は「強制接収された世界一危険といわれる普天間飛行場の固定化は許されず、『その危険性除去のため辺野古に移設する』との考えは、到底県民には許容できるものではありません」と強調。安倍首相を前に「政府においては固定観念に縛られず、普天間基地を辺野古へ移設する作業の中止を決断され、沖縄の基地負担を軽減する政策を再度見直されることを強く求めます」と力を込めました。
また、翁長知事は「アジア・太平洋地域の発展と、平和の実現に向けて努力してまいります」と沖縄の決意を語りました。
翁長知事の宣言に、たびたび大きな拍手と指笛が鳴り響きました。
沖縄戦などの犠牲者の名前を刻んだ「平和の礎(いしじ)」の建立から20年。今年新たに87人(県内出身者33人、県外出身者54人)が追加刻銘され、刻銘者数は計24万1336人となりました。
県立与勝(よかつ)高校3年の知念捷(ちねんまさる)さんが、平和の詩「みるく世(ゆ)がやゆら」(平和でしょうか)を朗読しました。琉歌も引きながら、沖縄戦で夫を亡くした祖父の姉の思いを織り込み、「忘れてはならぬ 彼女の記憶を 戦争の惨めさを 伝えねばならぬ 彼女の哀(かな)しさを 平和の尊さを」と、語りかけました。
沖縄県遺族連合会の照屋苗子会長は「いまだに地下に埋没したご遺骨が発見され、沖縄の戦後はいまだに終わっていません。戦争につながる基地建設には遺族として断固反対します」と追悼の言葉を述べました。
安倍首相は「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」とあいさつしましたが、辺野古新基地についてはふれませんでした。
大島理森衆院議長、山崎正昭参院議長が来賓あいさつし、喜納昌春県議会議長が式辞を述べました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員はじめ、沖縄選出の国会議員も参列しました。
県内各地でも犠牲者をしのぶ追悼式が開かれました。