工事再開を政府が言明
沖縄県名護市辺野古の新基地建設をめぐる沖縄県と政府の第5回集中協議が7日、首相官邸で開かれ、翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事、安倍晋三首相らが出席しました。辺野古新基地建設をめぐって両者の立場に変更はなく、翁長知事は「協議は決裂した」との認識を示し、「あらゆる手段で工事を阻止する」と表明しました。8月10日から9月9日までの新基地工事中断期間にあわせた集中協議は今回が最終回となります。知事は辺野古の埋め立て承認を9月中にも取り消し手続きに入る意向を示唆しており、大詰めとなった戦争法案の採決とあわせ、大争点になりそうです。
8割が新基地建設に反対している県民の反発もいっそう、高まることになります。
首相は新基地建設について、「普天間飛行場の危険性除去のために辺野古移設を取り組んでいる。全力で取り組んでいきたい」と述べ、辺野古新基地建設を推進する意向をあらためて表明しました。
菅義偉官房長官は一時的に中断している工事の再開時期について、県が行っている辺野古水域の潜水調査が「終わり次第」と述べ、9月中旬までとみられる調査終了後まで中断期間を数日延長した後、ただちに海底掘削(ボーリング)調査などの工事を再開する考えを示しました。
これに対して知事は辺野古新基地建設は、「法的に瑕疵(かし)がある」とする県の第三者委員会の報告書を「最大限尊重する」と述べ、2013年末に前知事が行った辺野古埋め立て承認の取り消しを強く示唆しました。県側は工事再開後、速やかに取り消し手続きに着手することも検討しています。
菅長官は「政府側は行政の判断が下りている」と述べ、前知事の承認を根拠にして工事を強行する考えですが、これを取り消した場合、辺野古新基地建設の法的根拠は失われます。
一方、政府と県の協議を何らかの形で継続することも確認。9日に菅長官と安慶田(あげだ)光男副知事が協議形式について話し合います。