主張

CV22の横田配備

命脅かす危険な基地強化ノー

 日米両政府が、米空軍横田基地(東京都福生市など)に特殊作戦用の垂直離着陸機CV22オスプレイを配備しようとしていることに住民・都民から不安の声が上がっています。米海兵隊所属のMV22オスプレイはすでに沖縄県の普天間基地(宜野湾市)に配備されていますが、米空軍所属のCV22配備は日本初です。MV22より事故率が高いCV22を、人口が密集する首都東京に配備することは極めて危険です。21日にはオスプレイ配備反対集会が基地近くで開かれます。配備撤回の世論と運動を広げることが重要となっています。

戦争法と一体の動きで

 米国防総省は5月、横田基地にCV22オスプレイ10機を2017年から順次配備すると発表し、安倍晋三政権も受け入れました。

 世界各地で事故を繰り返すオスプレイは「欠陥機」といわれ、なかでもCV22の事故率は、普天間基地に配備されているMV22の3倍にものぼっています。

 横田基地は普天間基地と同じように住宅密集地にあり、周辺には学校や保育園、病院、住宅などがひしめいています。周辺住民は現在でも爆音被害と相次ぐ部品の落下や墜落など事故の危険にさらされています。そのうえCV22が配備されれば、住民・都民の安全はいっそう脅かされます。福生市長をはじめ周辺自治体の首長も強い懸念を示しています。

 CV22とともに同機を運用する米軍特殊部隊が配備されることも重大です。特殊部隊の任務は、真っ先に敵地に乗り込み、要人の暗殺や拉致、対テロ作戦などです。米軍は最近もイラクに特殊部隊を派遣しています。今年8月、沖縄本島沖でおきた米軍ヘリ墜落事故を契機に、米軍特殊部隊と陸上自衛隊特殊作戦群(千葉県・習志野基地)との共同訓練が秘密裏に行われていたことが明らかになりました。横田基地への米軍特殊部隊の配備は、戦争法の具体化と結び付き、自衛隊と米軍との共同作戦の強化の動きと一体のものとして、見過ごすことはできません。

 横田基地では今月、400人規模のパラシュート降下訓練が強行されるなど米海兵隊・陸・空軍特殊部隊の訓練、基地強化の動きが、ここ数年顕著です。CV22の新たな配備は基地の増強にいっそう拍車をかけることは明らかです。

 CV22の横田配備の深刻な影響は首都圏にとどまりません。最近発表された米空軍の「環境レビュー」には、CV22が沖縄県内の米軍射爆場、陸自東富士演習場(静岡県)、米空軍三沢対地射爆場(青森県)などで実弾射撃訓練を行うことが明記されています。群馬県や新潟県の上空でも訓練を実施することが記されています。全国各地に危険を拡大するオスプレイの配備撤回・中止の声を日本中に広げることが求められます。

沖縄のたたかいに連帯し

 沖縄ではオスプレイ配備撤回を求める「建白書」がつくられ、名護市辺野古の新基地建設阻止とともに「オール沖縄」のたたかいがすすめられています。沖縄県民のたたかいと連帯を強めるときです。

 21日午後、福生市内で行われる「STOP!『戦争する国』 いのち脅かすオスプレイは東京・横田基地に来るな!」集会を成功させ、首都東京から全国へ、たたかいの輪をさらに大きく広げていくことがいよいよ重要です。