日本共産党、民主党、維新の党、生活の党、社民党の野党5党は2日、介護・障害福祉労働者の賃金を引き上げて人材確保を進める「介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案」(介護職員等の処遇改善法案)を衆議院に共同提出しました。

 介護・福祉労働者の賃金は、全産業平均より月額約10万円も低く、離職が後を絶ちません。

 法案は、賃金改善に取り組む事業者に助成金を支給します。介護・障害福祉従事者だけを対象に引き上げる場合は1人当たり月額1万円、その他の従業者(事務など)も含めて引き上げる場合は1人当たり月額6000円上昇させることを想定。事業者がどちらかの助成金を選択します。

 対象者の見込みは、介護・障害福祉従事者だけを対象にする事業者(全体の8割と仮定)で、約121・8万人(介護91・2万人、障害福祉30・6万人)。その他の従業者も対象にする事業者で約43・8万人(介護33・9万人、障害福祉9・9万人)。

 提出後の会見で、民主党の中島克仁衆院議員は、安倍政権が「介護離職ゼロ」を掲げながら、介護報酬引き下げで経営を悪化させ、介護従事者の処遇改善に取り組んでいないと批判しました。

 日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は「5野党の共同提案が実現してうれしい。現場からは介護職員の離職ゼロがまずやられるべきだとの声が寄せられている」とし、認知症高齢者の事故で家族の賠償責任を認めなかった最高裁判決にふれ、「家族だけに介護が押し付けられないように、その一歩にしていきたい」と述べました。