参院予算委
日本共産党の紙智子議員は7日の参院予算委員会で、政府が8日に国会への承認案提出を予定している環太平洋連携協定(TPP)が国会決議にいかに背いているかを徹底して追及。さらに政府の影響試算のずさんさも明らかにし、安倍晋三首相に協定承認案と関連法案の提出中止を迫りました。紙氏は、2013年4月の国会決議が米や麦など農産物重要5項目を関税撤廃の対象から「除外」することを求めていたが、交渉で除外できたのかと追及。石原伸晃経済再生担当相は「TPPに『除外』はない」と答えました。紙氏は、オーストラリアなど各国との経済連携協定(EPA)にはすべて「除外」の規定があると指摘し、首相は国会決議を後ろ盾に交渉したとのべていたことをあげ、「『除外』するよう要求したのか」とただしました。
首相は「『除外』という言葉は最初から協定のテーブルに載っていない」「交渉の中身については申しあげることはできない」と述べ、要求していないことを事実上認めました。
紙氏は、協定文には、関税を引き上げてはならない、漸進的に関税を撤廃する、関税の撤廃時期の繰り上げを検討するための協議をするなどの規定があることをあげ、「除外規定がないということはすべて『関税に関して見直しの』対象になるということだ。明らかに国会決議違反だ」と重ねて批判しました。
さらに紙氏は、農業に対する影響試算をとりあげました。同試算は、農林水産物の生産減少額が1300億~2100億円としており、3年前の試算3兆2000億円から大幅に減少。自治体をはじめ多くの団体から「信じられない」と異論が出ています。
紙氏は、試算対象が農産物19品目、林水産物14品目にすぎないことを指摘。JA長野中央会が19品目以外の農産物への影響が約75億円と試算しているとして、すべての農産物の影響試算を出すよう強く求めました。