からの転載です。
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https://ameblo.jp/amanomotoyasu/entry-12398060969.html
(記事開始)
先日、今年1月にNHKで放送された
『欲望の資本主義2018 闇の力が目覚めるとき ルールが変わるとき』
の録画を視聴した。
約2時間にわたり資本主義について大特集を組んだ番組だったが、
資本主義の最大の特徴である銀行貸し出しによって購買力がつくられる「債務マネーシステム」については
ほとんど触れられることはなかった。
資本主義の特徴は、以下の二つが融合した体制である。
1 政治が法定通貨を発行せずに、銀行業(中央銀行と市中銀行)が発行する。そのため法定通貨は銀行の貸し出し、つまり誰かが借金することによって作られる。
2 私有財産制と企業活動の自由が認められている
実は、2の私有財産制と企業活動の自由に関しては、ソ連型社会主義以外の殆ど全ての文明に存在するものだった。
古代ローマ帝国、歴代の中華帝国、江戸時代の日本、歴代のイスラム帝国、スペイン帝国などは全て私有財産制と企業活動の自由を認めている。
それらの文明と18世紀にイギリスで成立した資本主義経済の違いは、上記の1の政治がマネーを発行せずに銀行によってマネーが
創られるという債務マネーシステムをつくりだしたことだ。
この仕組みは、18世紀のイギリスで成立した極めて特異な経済システムである。
このシステムによって社会全体が借金漬けになった。
その借金の影響力で、売り上げの増大、時間の概念の厳格化、人々の勤勉さ、新商品の創造、伝統主義の破壊、などが継続的に行われるようになった。
この債務マネーによってもたらされる経済拡大への巨大なエネルギーが、18世紀にイギリスで産業革命を成立させ、現在の資本主義にまで
つながっているのだ。
番組では
カール・マルクス
ケインズ
シュンペーター
などの歴代の経済学者の言葉を引用しながら、
ウルリケ・ヘルマン(経済ジャーナリスト)
ダニエル・コーエン(経済学者)
マルクス・ガブリエル(哲学者)
ジョセフ・スティグリッツ(経済学者)
ロバート・ヌマデルスキー(経済学者)
トマス・セドラチェコ(経済学者)
カール・セガール(投資家 作家)
ルドガーブレグマン(歴史家)
などの現在の著名な識者に資本主義経済について分析してもらうという体裁をとっていた。
番組で語る識者たちの言葉には、資本主義が欲望を刺激し、拡大を続けていることの問題点を指摘しながら、
「なぜ、資本主義は拡大を続けるのか?」
という根本的なシステムの説明がなされていない。
あたかも資本主義が自然現象的に生まれた仕組みであるかのような話に終始した。
ウルリケ・ヘルマン氏は、イギリスで産業革命がおこった最大の理由を、「賃金が高かったから」などとわけのわからぬ説明をしていた。
唯一、カール・セガール氏のみが
「お金は銀行によって配られている。中央銀行からえたお金を銀行は使う特権をえている」
と一言だけ、債務マネーシステムをほのめかす発言をしただけである。
これでは、番組を見ている視聴者は、資本主義の本質について何も理解せずに終わったことだろう。
以下の図のように信用創造の仕組みと影響力を[無意識化]する主流経済学の詐欺は未だに続いているのである。
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(記事終了)
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