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※この記事はこちらのテーマの続きです
<リンク>天野統康のブログ 政治経済思想理論

現在の操作される自由民主主義の構造を理解するには、
経済とともに民主政治の基本原理を考える必要がある。
 

前回までに



.社会とは人間の欲求の実現の場であること



2.
多数が欲求を実現できる社会=幸福な社会



3.
人間の本能的な欲求は快を求め、不快を避けること



4.
快の選択肢が最大限保証されている社会
=人権に基づく民主主義(近代民主主義)


5.このために近代民主政治システムが世界を席巻している

6.近代民主政治を構成する基本的な権利は、自由、平等、
友愛、真理の4つ



ここまでをお伝えした。

今回は、何故、近代民主主義が自由、平等、友愛、
真理の4つの権利を基本とする体制なのかについ
ての考えを述べる。

その理由は主に2つになる。

・君主制や封建制などの身分制を否定するために
生み出された思想を根本にしている

・その思想を実現するための権利を作り社会制度化
しているため

まずは、思想から。

近代民主主義の思想の根本をなしているのは、
身分制度の否定である。

「人間は生まれながらにして自由で平等である」
という自然権の思想だ。

その状態を一言で表すならば、
「誰もが支配されない状態」
ということ。

「誰もが支配されない状態」を実現するには、
自由、平等、友愛の3つの権利が相互規制のもとに
統合していなくてはならない。

それぞれがバラバラだったり、欠けたりすれば
「誰もが支配されない状態」は成り立たない。

その理由を表にすると以下のようになる。


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一般に認識されているように自由と平等は多くの場合
対立する理念だが、友愛との相互規制のもとで統合
されれば、「人の間では誰もが支配されない状況」を
保証する理念となる。

自由と友愛の箇所で、「人が人を支配する自由が発生する」
とあるが、友愛の観点から、人を支配する自由が
肯定されるのだろうか?と思う方もいるだろう。

しかし、歴史的に封建制のような人が人を支配する
制度で発達した思想は、思いやりの友愛の観点から
肯定されることが一般的であった。

農民や商人は政治に疎く、訓練も受けていないので、
選民たる貴族や君主が臣民のために統治してあげよう
という友愛の観点からの支配の肯定である。

臣民のための慈悲深く賢明な統治者という考え方だ。

そのような支配思想を近代民主主義は打ち破らなければ
ならなかった。

そのために、自由と友愛だけでなく、平等が必要だった。

近代民主主義は、誰もが支配されない社会の実現を
根本規範に掲げており、それが目標となるので、
自由、平等、友愛の理念が必ず発生するのである。


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次に制度面について。


王や貴族に支配されないようにするには市民が政治
権力を握らければならない。

一方、支配されない状態を目指して革命に成功し
市民が権力を握っても、クロムウェルやナポレオン
のように新たな独裁者が誕生してしまう。

人が人に支配される状態の再現である。

それを防ぐには、選挙という制度を取り入れて、
市民が直接政治の代表を選ぶようにするしかない。

そこで、選挙制度に基づく民主政治が作られた。

選挙制度は、社会の根本規範である
「誰もが支配されない状態」としての
自由、平等、友愛の諸権利にもとづいて
作られた。

政権を批判する自由など

一人一票の平等など

国民主権など(友愛の同胞意識)


この選挙システムが形成されると必然的に
発生するのが、選挙で代表を選ぶ際に市民の
判断基準のために必要となる情報である。

ここでもう一つの民主の権利である「真理」が
必ず発生する。


次回は真理についての考えを述べる。



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