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アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第133号(2018/3/16号/月2回発行)
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アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第133号(2018/3/16号/月2回発行)

2018-03-17 03:13

     現在『DEVILMAN crybaby』COMPLETE BOXの作業が佳境でメルマガ発行が遅れました。申し訳ありません。
     同BOXにはラフ画や美術ボードをまとめたアートブック100ページと、関係者への取材をまとめたメイキングノート100ページがつきます。この後者に掲載するインタビューをせっせとまとめているのです。総文字数は10万字近くなるはずです。これは新書一冊分に相当します。
     お楽しみにしてください。ではいってみましょうか。

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    1.最近のお仕事紹介
    2.前回のアニメの門チャンネル
    3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    4.お蔵出し原稿
    5.連載一覧


    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     3月17日『君の名は。』【受講申込】

    2.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     4月期は以下の通りです。
     4月21日 脚本を書いてみよう! 特別講師:大河内一楼
     5月19日 『コードギアス 反逆のルルーシュ』
     6月16日 『DEVILMAN crybaby』(+旧作)
     【受講申込】

    3.3月のSBS学苑(静岡)
     3月は「声優の歴史」を取り上げます。歴史に限らず、知ってるようで知らない声優さんのあれこれを筋道を通って理解できるようになる内容です。
     【受講申込】

    4.3月の「オタクの学校」(東京・浅草)
     3月31日開催の浅草・模型塾の「オタクの学校」は『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』をとりあげる予定です。今週末ぐらいから予約開始のはずです。
     【受講申込】

    前回のアニメの門チャンネル

     前回のアニメの門チャンネルは、ライター上田繭子さんをゲストに『さよならの朝に約束の花をかざろう』について考えました。
     僕は同作のパンフレットなどの執筆を担当し、上田さんはユリイカの岡田麿里特集号で総論的な論考と岡田さんインタビュー(3万字!)を担当しています
     当日は以下のような内容で語り合いました。

     1)作品の第一印象

       上田:解放感
       藤津:人生観を問われるな~

     2)上田さんによる注目すべき3つのポイント

       ・母子ものなの?
        ※テーマ性について
       ・Wヒロインなの? 百合なの?
        ※キャラの関係性について
       ・「泣くなよ!」
        ※本作のセリフ術について

     3)岡田麿里さんはいかに監督したのか

       上田、藤津の取材でわかった、岡田監督はどのように作品を監督した
       かというお話。

     4)藤津による『さよ朝』の物語の構成について

       作中に流れている「神話の時間」「国家の時間」「人の時間」という
       3つの流れと、マキアたちキャラクターの関係について。

     5)『さよ朝』の謎

       ・バロウは何者?
       ・マキアを好きになれますか?
       ・レイリアの飛ぶところの意味合いについて
        etc


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第61回『久保田誓 ANIMATION WORKS』

     久保田誓さんが出した原画集同人誌は2冊あって、今回紹介するのは1冊目の『久保田誓 ANIMATION WORKS』です。
     2008年発行なので、今から10年前に出た本ですね。巻末のあとがきを読むと、久保田さんはちょうどこの時30歳になられたようです。
    近年では、アクション作画が話題になった『ワンパンマン』のキャラクターデザインでの活躍も記憶に新しい久保田さんですが、この頃は『時をかける少女』などの日常芝居の作画の方という印象が強かった記憶があります。この同人誌の内容を見てみても、版権イラスト、メカアクションや背景動画、作画監督とオールラウンダーな実力派アニメーターとしての仕事ぶりが伝わってきます。

     この本には、『電脳コイル』での原画、そして『時をかける少女』でのキャラクターデザインや作画監督としてのお仕事の資料が多く掲載されています。『コイル』は、第17話や第26話の原画のお仕事を掲載。 第17話はキャラクターが町中を走り回るパートを担当されていて、『コイル』らしい生き生きとした動きを見られます。また 第26話はヤサコとデンスケの別れの印象的なシーンの原画が掲載されています。 電脳ペットであるデンスケと電脳世界の中で初めて実感をともなって接触する第26話の別れのシーンは、作品を象徴するシーンでもあり、印象に残っている方も多いのではないでしょうか?

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     そして『時をかける少女』ですが、こちらは50ページほどを割いて掲載されており、この本の大きな見どころと言って良いと思います。
     細田守さんの監督作品の資料が掲載された同人誌としては、すしおさんの『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島L/O修正集』という本が出たこともあります。現在では、細田守さんはアニメ映画の分野で日本を代表する映画監督であり、同人誌でこんな風に資料を掲載するのは不可能なことに感じます。いろいろな意味で貴重な同人誌だと思いますが、 まとまった形で劇場作品の修正を見ることができる貴重な1冊でもあります。
     掲載されているのは、主にレイアウト時の原図修正、レイアウト作画監督修正だと思われます。久保田さんのお仕事では日常芝居の印象が強いというのも、この本を見ていたからかもしれません。掲載されている修正を見ると、背景を劇場作品らしく緻密に描き起こしていたり、日常芝居を細かに直している様子が見て取れます。
     空間の奥行きを示すために、対比として人物のシルエットを描いていたり、レイアウト原画の修正でも、シルエット的に素体で描かれているものが混ざっていたり。こんな風に描くんだなあと、興味深いですね。完成した画面からは、そうした描き方は分からないものですから、原画集を見ると色々な指示や、やり取りが見えてやはり楽しいものです。

     実に細かく人物の芝居が設計されており、カットによっては紙の1枚1枚に、どういう動きであるのか、説明が文章で書き込んであります。1カット1カットでなく、紙の1枚1枚にまで、どうしてそういう動きになっているかという細かい意図があるものなんですね、アニメというものは。そうした意思の塊として、原画が出来上がっていて、その集合体が一つのアニメ作品なのかと考えると、途方もないものに感じてしまいます。
     日常芝居だけでなく、もちろんアクション作画にもそうした意図は存在していると思います。アニメ本編を観ていると、そうしたアニメーターの意思までははっきりとは分かりませんが、原画集という形で見ることでアニメの中に確実に存在しているアニメーターの意思を強く感じられるところが面白いと思います。
     そうした意図が作品の中に組み込まれているものなのか、アニメーターの独立した意思なのかは、特に細田さんの作品のように監督の作家性が強い作品の場合は判断が難しいところですが、どちらにしろ興味深いものです。

     この同人誌は、久保田さんのファンはもちろん、細田守さんの作品のファンや、アニメ作品の制作に興味のある人にとっては興味深い内容になっていると思います。
     劇場作品ともなるとカットの数は1000以上にもなるものです。この同人誌に掲載されているようなやり取りが、その全てにおいて存在するのかと思うと、労力を想像するだけでクラクラしてしまいますね。この本に掲載されている『時かけ』の資料は、主に修正であるということで、監督や演出はもちろん、担当の原画、ひいては受け手に何を伝えたいかが命題化されたものであると思うと、面白いのではないでしょうか。アニメの原画集を見ることの楽しさは、そこにある、何を伝えようとしていたかを見つける事かもしれません。

    (『久保田誓 ANIMATION WORKS』/弁慶堂/2000円)


    お蔵出し原稿

     前回に続いて、幻に終わった単行本原稿の「0稿」を掲載します。『TVとアニメの時代(仮)』の第4章になります。アニメブームが去った1985年以降の、TVアニメ再編期を扱っています。本来ならこの後、第5章90年代編、第6章現在(深夜アニメ台頭)編と続いて完結するはずでしたが、データ整理をする時間がなくこの企画は幻となったのでした。というわけで「幻の単行本原稿再掲」はここで終わりになります。

    TVアニメの再編期

    ハイターゲット作品中心からの転換

    「アニメージュ」一九八八年三月号では、「ついに一本もなくなる!! オリジナルTVアニメ――この状況をどう考える」という4ページの特集が組まれている。それによると、一九八三年に二〇本あったオリジナルTVアニメは、一九八四年・一五本、一九八五年・一四本。一九八六年・一二本、一九八七年・五本と年々減少してきたという。そして一九八八年二月の時点で、放送されているオリジナル企画がゼロとなった。
    「’77年『宇宙戦艦ヤマト』’79年『機動戦士ガンダム』’82年『超時空要塞マクロス』など、大ヒット作品が輩出したこの10数年間はまさにオリジナルTVアニメの時代であった。この時期アニメといえばオリジナルのことであり、アニメファンが急増し、それまで子どもが見るものといったイメージでしかなかったアニメに急速に市民権が与えられ出したものだった。アニメ雑誌の登場もこの時期である。まさにオリジナルTVアニメは一大ムーブメントを作り出したといえるだろう。これほど力をもったものが、なぜ放映作品が一本もなくなってしまったのか?」
     記事は十五人のクリエイターにオリジナルTVアニメの今後について問題を問いかけているが、なぜオリジナル作品が減ったか、その原因については、記事中で答えを出していない。
     どうしてそうなったのか。
     第一次アニメブームは一九八四年いっぱいで終わった。その後、やってきたのはTVアニメの再編とでもいうべき事態だった。
     一九八五年春に22本/週にまで減った放送だが、その後は一九九一年春の三十五本まで、また微増に転じていく。この本数はアニメブームの最中だった一九八一年~一九八三年を上回る数となる。だが、この時期に再びアニメブームが到来していたかというと決してそうではない。

     
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