これまで雑談に関する他の本を読んだり、セミナーに参加したことがある方はこんなことを聞いたことあるでしょう。

 

 「雑談はまず聞くことから」

 

 そう言うと、「また聞く力?」、「この本もそういうのと同じなの?」と、中にはうんざりする人もいるかもしれませんが、もうすこし話を聞いてください。

 たしかに、雑談では「聞く」ことがとても重要です。

 でも、

 

 「なぜ、雑談では聞くことが大事なのか?」

 

 この問いに、(曖昧模糊なものはありましたが)明確に答えるものは他に見当たりませんでした。

 しかし雑談において聞くことが大事な理由はちゃんとあります。

 それは、

 

 「人間は、自分のことを語っている時、おいしい食事を食べた時と同じくらい気持ちが良くなる生き物」

 

 ……だからです。

 これには学術的裏付けがあります。

 ハーバード大学社会的認知・情動化学研究所が、一九五人の脳をfMRIスキャンして、「自分の話をする時、頭のどの部位が刺激されるか?」を研究したところ、自分の話をすると、おいしい食べ物を食べた時と同じ快楽中枢が刺激されることがわかったのです。

 あなたも自分のこと(自身が体験した恋愛や面白いエピソード、好きな異性や趣味の話など)を思う存分語っている時、「気持ちがイイ!」、「楽しい!」と感じたことがあるでしょう。

 それは、脳の快楽中枢が刺激されているからなのです。

 ゆえに、雑談ではその逆のことを相手にしてあげればいいわけです。

 つまり、

 

 ①あなたは自相手に自分自身のことを語らせる質問してあげる。

 ②相手が自分自身のことを語る。あなたはそれを聞いてあげる。

               

 ③相手が美味しい食べ物を食べた時と同じくらい快感を得る。

               

 ④相手はあなたと話していると「気持ちがいい」と感じる。

               

 ⑤相手があなたに好印象を抱く。

 

 ……というわけです。

 雑談のテクニックというと、まず「何かおもしろい話をしなくちゃ……」と考えがちですが、それはまちがい。

 そもそも人間は人の話を聞くよりも、自分の話をすることに快楽を感じる生き物なのです。

 だから雑談では、相手においしい料理をふるまってあげるつもりで、相手の話をじっくり聞いてあげることを心得ましょう。

他の雑談術、その後、どう雑談をしていけばいいかは『雑談の心得。〜気まずーーい空気を一瞬にしてとかす40のテクニック〜』を参照してください。


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