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出典:『風土の日本 自然と文化の通態』(ちくま学芸文庫、一九九二年)
■解説
オギュスタン・ベルクは一九四二年生まれ。フランスの地理学者でフランス社会科学高等研究院教授である。一九六九年に初来日し、宮城大学教授等として通算十数年、日本に滞在した。彼は、日本の国土と日本人の関係を研究し、前掲書では風土と日本人の関係について考察している。
オギュスタン・ベルクについては先にも触れた。
ベルクは和辻哲郎氏の考えにも十分に配慮し、日本人の気質の特徴である「受容性」と「忍従」について、次のように語っている。
〈和辻によれば、モンスーン気候の影響によって証明される。というのも、モンスーンは厳しい暑熱と湿潤を伴い、人間は台風の抗し難い猛威に耐えるのと同じように、それを耐え忍ばねばならないからだ。対抗するには及ばない〉(○○頁)
更に和辻を引用し、〈自然が猛威をふるう、その荒々しい力は克服し難いもので、
「風土」と「古寺巡礼」が特に記憶に残っている。同時代の哲学者ハイデッガー「存在と時間」に深い影響を受け、「風土」が人間性に影響を及ぼすという独自の理論を構築された。同時代には、西田幾太郎と鈴木大拙と同じ金沢の巨大な哲学者がいて、西田幾太郎が主体と客体(環境)が創造性をはぐくみ、人間の歴史を形成していくと述べられ、主客以前の意識純粋意識論を展開された。最後には絶対矛盾の自己同一(即非の論理)は、鈴木大拙の「即非の論理」と同じことを言われていたように記憶している。若き時代読書し感銘を受けた本は忘れられない。
オギュスタン・ベルク氏が、和辻哲郎だけでなくハイデッガー、西田幾太郎、鈴木大拙の影響を受けておれば、柔軟性のよるべ「日本的霊性」・「即非の論理」に行きつき、「日本人の気質・禅の道・即非の論理・柔軟性」に到達しているはずである。「会社勤めが多くなり、日本人の気質も変化するのではないか」というくだりは、我々日本人が意識することはないが、日本人=日本的霊性を本当に理解されていないとの疑問を持ちます。
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