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りゃんさん のコメント

>>34
こんにちは

なにも英国の文書を持ち出すまでもありません(※)。当時の外務省中国課長も合意はあったと言っていたそうだし、野中広務も田中角栄自身がそう言っていたと言っています。要するに、日本には中国側の立場で話をするヒトビトが、(「元」も含めて)政府内部にも、首相クラスまでたくさんいた(今もいる)というだけのことです。孫崎さんもそのひとりだし、国民まで含めれば多数います。「中国側の立場で話をする」が刺激的すぎるなら、「あいまいな問題を中国側に忖度しながら解釈する」と言い換えても良いでしょう。

屁理屈にきこえるようなら、「中国」を「米国」におきかえてみれば、ストンと腑に落ちるのではないでしょうか。

尖閣についてなんらかの会話が田中と周とのあいだでなされたであろうとわたしもおもいます。下交渉ではなにか具体的な棚上げ案もでたかもしれません。しかし国民にとって問題なのは、外交上の正式な合意がかわされたのかどうかということだけです。それを日本側がないという以上、外交上の正式な合意であることを証明する責任は中国側にあります。そして中国側が証明できない以上、合意がなかったというのは、決しておかしな主張ではありません。

※ 英国は合意の立会人だとか中国の代理人の立場にあったのではないし、当時日英間で、尖閣合意があったかどうかが問題になる交渉をしていたわけでもありません。また外交の場でつねに本当のことをいうとも限りません。英国側が日本側の話を誤って聞いたり、誤記した可能性もあります。話の出た文脈、鈴木の意図も問題になります。こうしたことを批判的に解析したうえで、将来歴史研究の傍証に使えるかどうかというところです。しかしわれわれは歴史研究をしているのではありません。



そして、よしんば合意があったとしても、その合意を中国側が先に破ったのであり、しかも中国側の現在やっていることは合意違反でしょう、それに対して「合意があった派」は何にも言わないんですよね、ということです。そういえば、中国側は数年前も小笠原のサンゴを盗み、海をめちゃくちゃに荒らしましたが、この点を責めた「合意があった派」をみたことがありません。

なお、わたしはここでの論争を好みません。この点をどうかご配慮いただければ幸いに存じます。
No.39
53ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
私は外務省国際情報局長の時、月一回位の頻度で、米国情報機関の東京支局長とホテルオークラで朝食を共にした。特段仕事の話はなかった。国際情勢や、日本の政治情勢を取りとめもなく語り合った。 その頃、映画「プライベート・ライアン」がヒットしていた。監督はスピルバーグ、主演はトム・ハンクス。筋は次のようなものである。 米国はノルマンディ作戦を成功させたが、まだフランスの多くはドイツ軍の支配下にある。この時期、陸軍参謀総長マーシャルの下に、戦死報告が届く。ライアン家の四兄弟のうち三人が戦死したというものだった。残る末子ジェームズ・ライアンは一兵卒でフランスのドイツ軍支配下の地域にいる。ライアン家の四人が全員死んだとなると、米国世論に悪影響を与える。マーシャルは一兵卒ライアンの救出を命ずる。命令をうけた大尉は部下 6 名と通訳を連れ救出に向かう。この作戦に軍事的利益は何もない。結局ライアンは救出されるが、救
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。