changeさん のコメント
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岩波書店発行 『図書 2020 8』「善と悪の不条理」から宗教と政治
天国と地獄は人間に対して飴と鞭、懐柔と脅迫として働く。しかもしばしば地上の権力者と結びついて人間を従順かつ忠実な僕(しもべ)に変える。天国と地獄とはこの飴と鞭という露骨なやり方とは別のもっと洗練された力もある。
見渡してみれば人間の世界は公平にできていない。それどころか完全に不公平な世界である。人種、出目、容貌は運命だから仕方がないと諦められる人も、善と悪の不公平は許せない。
毎日ことこつ働いても食べることさえままならない人がいる。その一方で汚い手を使って財を蓄え、贅沢三昧をする人もいる。善行を積んだおかげで幸福になった、悪行のせいで不幸になったとはならない。行為とその行為のもたらす結果を天秤にかければ多くの人が釣り合わない。つまりこの世は不条理なのである。
そのまま放っておけば、大多数の人々が現実の世界の支
支配被支配は肯定して、自主的に行動するか、従属的に行動するかで、この世の中の風景が全く異なるのも事実である。
世の中の体制が己の生活を豊かにしてくれれば、体制批判はない。現実は多くの人が存在しており、一人一人が己の権益を主張すれば、満足できる世の中など存在しない。
この現実の世の中は、天国と地獄、己を満足されてくれれば天国であり、己が不満足であれば極端な場合、地獄になる。
「生きている」ことは、存在することであり、時間と場所を与えられていることと同義語である。「天国と地獄」は表と裏の関係である。「死後の世界」入ったことがないのでわからないが、存在を離れ、時間と場所を奪われたのであるから、何もない世界「絶対無」の世界とみている。天国と地獄があるという考えは、全く理解できない「俗世間」に犯された反体制主義の主体性無き人が言うことでしょう。
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