りゃんさん のコメント
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・議論の出発点 - 総理も自由自在に任命できるわけではない。 そもそも論として「民主主義国家の機関の人事なのだから、内閣総理大臣がその人員を任命したり任命拒否したりできるのは当然だ。総理は民主的に選ばれたのだから、総理の判断に不満があるなら、次の選挙で勝てばいい」という類いの単純な議論は通用しないことに注意してください。 民主主義の国で為政者を国民が選んでいるといっても、国民は別に独裁者や万能者を選んでいるわけではなく、あくまで憲法や法律で定めた一定の権限を行使する職能の人間を選んでいるだけです。 つまり内閣総理大臣といえども、国の機関について(犯罪以外)何でもできる権限があるというわけではなく、憲法や法律で定められた範囲の権限を行使できるに過ぎません。日本学術会議の場合はどうかといえば、日本学術会議法という法律が定められています。 第17条 日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れ
この場合、天皇の国事行為には、「憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること」とか「国会を召集すること」「衆議院を解散すること」等々ありますので、こうしたことを天皇が拒否したらどうなるか、という点についても考えてみたらいいとおもいます。
わたしの考えは、憲法前文第一段落、つまり「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」「ここに主権が国民に存することを宣言し」「国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて」「その権力は国民の代表者 がこれを行使し」「われらは、これに反する一切の・・・詔勅を排除する」の精神からして、天皇が国事行為を拒否しても、効力はかわらないとおもいます。
そのうえで、天皇の国事行為は内閣が責任を負う(憲法第三条)ので、内閣がなにか方策を考えなければなりませんが、「国事行為の臨時代行に関する法律」あるいは「皇室典範」の解釈、あるいは改正により、国事行為を委任される者、または摂政をたてることになるでしょう。
これらはすべて、憲法に明文の根拠のある話です。この点をよく考えてみれば、今回の学術会議の問題で「任命拒否はまかりならん」という議論が、いかに根拠の薄いはなしかということがわかるとおもいます。
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