フレデイ タンさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
私は1993年大使としてタシケントに赴任しました。赴任時最初に待ち受けていたのは、絵画のモデルになることでした。ウズベキスタンは独立した後、芸術家協会が主催して、各国の初代大使の肖像画を描いておこうという構想です。これを契機にウズベキスタンの多くの画家と知り合いました。その内、タタール系女流画家 ガンバローバとその夫チューブと知り合います。ガンバローバはきれいな色彩の絵を描いいて、ある時何故ですかと聞いたら「生活が苦しいでしょう。せめて絵だけは明るくと思っています」との答えでした。絵は 100ドルから200ドルの間でした。何点か購入した後、「貴方の絵は安いので幾つか買いましたが、100ドルから200ドルは安すぎますよ」と述べたら、「自分の作品がそんなに安いものでないことは私自身が一番知っています。しかし独立後の経済混乱で誰も絵を買いません。だから生きるために安くせざるを得ないのです」でした。
上記が主流となって一流企業の老若男女と官庁の老若男女は上級国民の意識が手伝って、余剰資金を全部株式や国債買いに投入し、金融資産の拡充に余念が無いみたい。そこにコロナが登場し、不安は投機熱を刺激し、金融市場は活況を呈している。
そのような時代では美術や工芸品にも恩恵の波が押し寄せる筈なんだが、どうも違う。今時の若い夫婦は、食器には100円ショップで買って使って平気らしいのだ。これは、私の奥さんの感想だから、一般とは言えないかもしれないが、私の観察でも、若い人の傾向としてそれがあるのを否定出来ない。
恥ずかしながら、1980年代のバブルの時は崩壊しないと私は心底信じていた。しかし、その期待は裏切られた。今、日本が戦争しない限り、崩壊しないと私は思う。1980年代は株価収益率が市場にものを言っていたが、市場にものをいう指標も無いみたいだし、私の一押しの金融理論では財政赤字がどんなに大きくなっても大丈夫ということだから。でも、陶器くらいは良いものを買ってもらいたい。日常生活を充実させたいものだ。
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