管理者のSCです。
BSC24では防災週間の間毎日「防災情報のてびき」と題しまして、気象庁等から発表される情報について解説するブロマガを投稿してまいります。
今回は大雪に関する情報について解説します。
1.積雪深・降雪量
Ⅰ.そもそも積雪深・降雪量の違いとは?積雪増加量とは?
「積雪深」「積雪増加量」「降雪量」。似た言葉ですが、意味合いは勿論違います。
「積雪深」はある時点における積雪の深さを指します。例えば、12時の雪の高さが20cmであれば、積雪深は20cmということになります。
「積雪増加量」はある時点とある時点との積雪深の増加(減少)量を指します。例えば、12時の雪の高さが20cmで、15時の雪の高さが40cmであれば、12時から15時までの積雪増加量は(40-20=)20cmとなります。
「降雪量」はとある期間の1時間毎積雪増加量の和を指します(ただし積雪深が減少した場合は和に含まない)。例えば12時~13時の積雪増加量が10cm、13時~14時の積雪増加量が20cm、14時~15時の積雪増加量が-10cmであれば、12時から15時までの降雪量は(10+20=)30cmとなります。
積雪深・積雪増加量・降雪量の違い。
Ⅱ.どこで見られる?
アメダスによる観測値は気象庁「積雪の深さ」から確認することができます。
また、解析した積雪深・降雪量を分布図にしたものは気象庁「現在の雪(解析積雪深・解析降雪量)」から確認することができます。
解析積雪深・解析降雪量の画面例。(気象庁より引用)
2.大雪警報(特別警報)
気象警報の一種で、降雪や積雪による住家等の被害や交通障害など、大雪により重大な災害が発生するおそれがあると予想される場合に発表されます。
また、数十年に一度レベルの大雪が予想される場合には「大雪特別警報」を発表します。
なお、過去に大雪特別警報が発表された例はありません。(2021年9月時点)
3.大雪に遭う前に・遭ったら
Ⅰ.事前に備蓄を確認しましょう
大雪の際は雪の重みで電線が切れたり、水道管が凍結したりなど、ライフラインに影響を及ぼす事があります。また、物流がストップし食料などが届かなくなる可能性もあります。他の災害と同様、備蓄はしっかりと確認しましょう。
Ⅱ.むやみに外に出ない
路面が滑りやすくなったり、視界が悪くなったりして移動が困難になることも考えられます。また、公共交通機関が停止することも考えられます。不要不急の外出は避け、頑丈な建物の中に居るようにしてください。
Ⅲ.やむを得ず外に出る場合は対策しっかり
歩行の際は滑らないよう、「まっすぐ踏み込み歩幅は小さく」を心がけましょう。また、雪に隠れた用水路や屋根からの落雪にも注意が必要です。
自動車を運転する際は、「急」がつく運転(急発進・急ブレーキ等)を避けましょう。また、自転車や二輪車は転倒の恐れが非常に高いのでなるべく避けてください。
公共交通機関は遅延・運休の恐れがありますので最新情報に注意し、早めの行動を心がけましょう。
Ⅳ.除雪作業は複数人で慎重に
除雪作業は転倒の恐れがあるため、事故が起こった際に連絡が取れるよう最低2人で作業するよう心がけましょう。屋根など高いところでの除雪作業は特に注意が必要です。また、大雪直前は除雪用品が品薄になりやすいので、早めに備蓄するようにしましょう。
Ⅴ.自動車で立ち往生したら
消防・警察等に必ず連絡をし、安全になるまでその場を動かないようにしましょう。また、マフラー(車の排気口)が塞がると一酸化炭素中毒の恐れがあり非常に危険です。定期的にマフラー周辺を除雪するようにしましょう。
車を離れて避難する場合は邪魔にならない場所へ移動し、連絡先を残したり、キーは刺したままにしたりしましょう。
5.さいごに
近年豪雪による立ち往生が多く発生しています。また、普段雪の降らない地域で雪が降ると混乱が生じます。雪の備えは大丈夫かどうか、秋までに確認すると良いでしょう。
第五回では気象災害(大雨・大雪除く)について取り上げます。
引用・出典・権利表示
解析積雪深・解析降雪量サンプル画像:気象庁「解析積雪深・解析降雪量」
(C)2021 Japan Meteorological Agency
サムネイル背景画像:写真AC「除雪作業」
その他画像・文章の作成:自然災害情報共有放送局
(C)2021 Bousai Share Channel
ブロマガ作成
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