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りゃんさん のコメント

砂川事件最高裁判決の理屈を国会裁量の面を強調しつつ自分なりに超訳的にいうと次のようになる。

三権のうち国民に直接選挙でえらばれたという意味でもっとも民主的な国会が、憲法に適合するものとして安保条約を承認している。国民に選挙で選ばれたわけではないという意味で非民主的な裁判官から構成される裁判所が、国民の安全に直結し高度に政治性を帯びた条約を、国会の判断を超えて違憲であると判断するためには、その条約が一見してきわめて明白に違憲無効と認められることが必要である。そうでない場合は、国会の裁量権が尊重され合憲と判断される。

この理屈は、結局、安保条約が合憲かどうかの判断を国会議員選挙の投票箱に委ねており、それはある意味国政選挙のたびに国民投票をしているようなものでもあるから、民主主義の原則にかなった考え方である。そして現実は、何十年もの間、ただの一度も安保条約が違憲だとする議員が国会で過半数を占めることはなかった。

安保条約を廃棄したければ、国会でそういう考えの議員をひとり、もうひとりと増やしていくしかない。この点を直視しないヒトビトが、たぶんヒトビト自身、最高裁判決の意味をよくわからず批判派に雷同している。そんなイメージでわたしは見ている。

批判されるべきは、国民の支持を得られなかった自分たちであろう。最高裁判決は米国のいうとおりにしろと言っているわけではない。国民が決めろと言っているのだ。
No.14
17ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。