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りゃんさん のコメント

この筆者のことは知らないので、わたしの思い違いの可能性もあるとおもうが、わたしにはどうも言ってることがよくわからない。

第一に、「「米国はウクライナのNATO加盟に今何故逡巡か」を解説」というが、米国やほかのNATO諸国がウクライナの加入を今まで強く主張していたのに「今」になって逡巡しているという事実はないのではないか。強く主張していたのはウクライナだ。米独仏は2008年以来、それほど熱心ではない。米が本当に加盟させたいなら2014年以前であったが、2008年以降2014年までに、そういう強い動きがあったという話はなさそうだ。

第二に、将来の加盟について米が否定したという話も伝わってこない。つまり、いつになるかはわからないが、いつかの加盟について米が今逡巡しているという話でもない。米国内を見れば、加盟させるべきでないという勢力も強いのは事実だが、それも「今」わきおこってきたというわけではなく、前からだ。

第三に、NATO加盟については、NATO諸国の全会一致が必要という原則が否定されたという話もない。米がNATO諸国の主権をうばっているという話は露側からはいくらでもできるのだろうが、ウクライナ加盟自体について(フィンランド加盟やスウェーデン加盟もそうだが)、米がNATO諸国の独自の考えを奪っているわけではない。

第四に、「米ロ直接軍事対決の可能性。米この危険性を今認識」というが、米はずっとこの危険性を認識し、それにしたがった軍事援助をしているのではないか。

こんなところだが、露側の有力意見として、記事の内容のように見えている心理的風景を描いているというのなら、一応理解できなくはない。つまり、「米国の傍若無人な振る舞いに、露側が正義の鉄槌をくだした結果、米国も今になってようやく道理を学んだ」とかなんとか。
No.8
15ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。