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りゃんさん のコメント

1,
(1)中東問題全般に詳しいと見られ、シリア報道でもわたしが信頼している黒井文太郎は、
「ハマス軍事部門やフーシ派を支援しているのはイランのイスラム革命防衛隊の対外工作機関「コッズ部隊」です」
https://news.yahoo.co.jp/profile/commentator/kuroibuntaro/comments/da9c9abe-789c-46ec-a30b-5ead3d352263
と書いている。書き方から想像できるように、「ハマス」と「ハマス軍事部門」とを、彼は区別している。(もちろん「ハマス」と「ハマス軍事部門」の頂点にたつひとびとは重なるだろう)。

孫崎さんは、この「孫崎享のつぶやき」の場で、カタールと「ハマス」との関係について何度かお書きだが、失礼ながら、「ハマス」と「ハマス軍事部門」との区別についての意識が乏しいようにおもわれる。

(2)ガザ地区の公的機関などでは多数「ハマス」のひとが働いているといわれているが、かれらのほとんどは「ハマス軍事部門」とは関係ないひとびとであるといわれている。

日本もパレスチナに多額の援助をしているが、ガザへのそれは結局「ハマス」の仕切るところとなり、つまり日本も「ハマス」に援助していることになる、とは飯山陽がよく言うことである(くわしくは「中東問題再考」などを読まれたい)。

今回記事中にもカタールはガザ地区への資金援助について「これらの資金がハマス向けのものであることを否定し、包囲された飛び地の労働者の給与を支払うための援助であると主張している」とある。

つまり、パレスチナのなかでもガザ地区を実効支配しているのは「ハマス」なので、ガザ地区への援助と「ハマス」への援助の区別がつきにくいのだ。そして「ハマス」幹部たちは援助を元手にレストランを経営するなどして大もうけしているといわれる。

(3)イスラエルが「芝刈り戦略」などと言いつつ、パレスチナ国家分裂の底意をもちながら「ハマス」とうまくやろうとしていたのは、別に「日本であまり知られていない事実」ではなく、高橋和夫などが今回事件の当初から解説していたとおもう。

芝刈り戦略が破綻したいま、イスラエルがガザを結局どうしたいのかまだわからないが、いずれイスラエルと「ハマス」とが妥協するなら、そのときはカタールの存在感が増すのだろう(「ハマス」にカネを出すカタールのいうことを、「ハマス」はきくだろうから)。

しかし「ハマス軍事組織」(ほかにもあるが)を壊滅させないと、中東和平にはつながらない(※)。

※ この点は、事件の最初のころからときどき書いているが、「ハマス軍事組織」(ほかにもあるが)は、イスラエルの消滅を目的に、アラブですらない外国のイランと関係をもちつつ活動している。イスラエル消滅を目的にする軍事組織をもった「隣国」とイスラエルがうまくやれるはずがないし、そもそも本当にイスラエルが消滅したら、その瞬間からユダヤ人虐殺問題やユダヤ人難民問題が生じる、というのは最近書いた。
No.10
11ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
カタールはイスラエルの支援を受けて、数百万(ドル)人をガザに長年送り込んだ。物議を醸したこの取引について私たちが知っていることは次のとおり( CNN ) Qatar sent millions to Gaza for years – with Israel’s backing. 10 月 7 日のハマスのイスラエル攻撃以来、湾岸諸国のカタールは、パレスチナ武装勢力が統治するガザに数億ドルの援助を送ったとして、イスラエル当局者、米国の政治家、メディアから非難を浴びている。 しかし、それはすべてイスラエルの祝福によって起こった。 小さなアラブ国家カタールがどのようにしてハマスとの交渉に欠かせない存在になったのか イスラエルの調査報道組織ショムリムと協力して行われたイスラエルの主要関係者への一連のインタビューで、 CNN はネタニヤフ首相が政府内からの懸念にもかかわらずハマスへの資金流入を続けたと伝えられた。 カタールは
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。