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年末が近づき、俄に慌しくなって参りました。
毎年やってくる年の瀬。1年の締めくくりを迎える時期を皆様どのように過ごされているでしょうか。
相変わらず二極化が顕著な株式市場で陽と陰の織り成す株価変動に翻弄されている投資家各位にエールを送りたいと思います。
ネット上には勝手な企業コメントが様々に踊ったりしておりますが、株価は淡い期待の材料よりも明確な業績の変動に従って変動するという現実を今年も随所に目の当たりにされたものと思います。
インデックス運用が盛んな日本でアクティブ運用はマイナーな状態ながら、いずれまたやってくる中小型個別成長株の活躍を念頭に銘柄研究に勤しんでおられる皆さんもお見えかと思います。
残念ながら今年は多くのグロース銘柄には見切り売りが見られて、下げトレンドの悲哀を味わった方々も多いかも知れませんが、一方では業績好調な銘柄には人気集中となり、先見の明でそうした銘柄にリスクテイクされた皆さんは微笑んでおられるものと拝察致しております。
様々な活躍銘柄の全てを取り上げることはできませんが、今年印象的だった活躍銘柄をいくつかピックアップしてみたいと思います。
それは皆様が保有されている銘柄かも知れませんし、聞いたこともない銘柄かも知れません。今さら今年、人気を集めた銘柄などご興味はないのかも知れませんが、今後の運用の参考にして頂きたいと思います。
昨年の今頃、ダイヤモンドザイにて取り上げたテンバガー候補銘柄ではデータビジネスを展開するサイバーエージェント系のマイクロアド(9553)が年初の545円(9月に3分割実施で換算)から6月の高値2263円(同)まで4.1倍まで急騰、流石にその後は大きく調整しておりますが、日々の出来高面では流動性が増しており、復活のタイミングを伺っています。
同様にザイで取り上げた半導体関連のAIメカテック(6227)も年初の1414円から11月の7070円まで5倍にまで急騰しました。その後もまだ高値圏で推移しており、来年に向けても相応の活躍が期待されます。
残念ながら同じように掲載されたオンデマンドプリントのイメージマジック(7793)は年初の726円から4月に2105円まで2.9倍に留まりましたが、現状も1300円台を堅持。今後に期待が寄せられています。
同様に加工の総合企業を標榜しM&A型の成長を推進する日創プロニティ(3440)も年初の550円から7月の高値1011円まで84%の上昇を見せましたが、その後は前期業績が予想を下回ったことや今期の利益成長が期
待よりも下回ったため、調整の動き。更なる活躍を期待したのですが、その期待は来年におあずけです。
ソフトバンクグループやニデックなど今年は駄目だった銘柄もあれば、トヨタ(年初から高値まで62%上昇)や三菱重工(同80%)、三菱UFJFG(同50%)、東京エレクトロン(同92%)など誰もが知っている大企業の活躍が随所に見出せたのが今年の特徴です。また、中小型株もよく見ると株価の上昇が様々に見出せます。
筆者が過去5年もの間、見てきたアクセル(6730)はその典型かも知れません。2018年の安値404円から今月の高値2146円まで5年で5.3倍にまでになった同社はグラフィックLSIのファブレスメーカーでパチンコパチスロ機器向けの半導体が収益源。業界の先行きが不透明な中ながら半導体不足が起き、前倒しでの受注拡大で業績が拡大したというのが業績好調の背景で投資家はおっかなびっくりのところもあるかと思いますが、AIにも絡んでいる最先端企業との認識が高まりつつあり、このところの人気に繋がっています。同社自体はファブレスで製造は中国で行っている点にはリスクも潜んでいる可能性もありますが、そこは目をつぶり、ポジティブな評価で盛り上がっているのが現状です。
AIにブロックチェーン、NFT、自動運転など評価材料は多彩。240億円近い時価総額にはそんなポジティブな評価が秘められていますが、同社からの発信リリースにはそれを後押しするだけの内容が含まれていそうです。
今年の活躍株にはIPOしたばかりの銘柄も見出すことができます。
宇宙関連のアイスペース(9348)はその代表です。残念ながら4月のIPO後の月面着陸失敗もあり高値からは激しい株価変動が見られますが、話題を集めたことは事実です。
バリュー株の一角も今年の活躍が目につきます。
例えば日本山村硝子(5210)は年初の553円から8月に2120円まで3.8倍にもなりました。なぜこんなに上がったのかを考えるとコロナで3期連続の大赤字となった反動で今期の業績が大幅な黒字のなるとの見通しのためで、一過性の特別利益もあって今期は107億円という巨額の利益を見込んでいます。EPSは実に1047.8円ですから一過性とは言え時価1455円のPERは1.4倍という水準。PBRは0.3倍で、かつての海運株のような状態。問題は利益か一過性の計上であるという点。それでも業界最大手のガラス瓶メーカーである同社の時価総額が自己株式93万株を除いて149億円しかないというのは違和感があります。皆さんはどうお感じですか?
(炎)
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億の近道月曜日担当の人気執筆者、炎のファンドマネージャー(松尾範久氏)が、中小型株情報を中心に、時事の投資テーマやIPO情報、取材やアナリストミーティングの鮮度の高い情報まで、プロの目で見た投資情報をお知らせします。
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執筆者:炎のファンドマネージャー(松尾範久氏)
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