中庸左派さん のコメント
このコメントは以下の記事についています
1:米国の大学が荒れている。 2:学生側が構内に テント張り、座り込みをおこない、これに対し、大学側が警察に排除を求め、警察はテント張り、座り込みを行った学生を逮捕し、その数は 5 月 6 日現在 2,400 名に上り、学生がテント張り、座り込みを行った大学は 120 に達している。 3:同時にテント張り、座り込みを行った学生は停学、参加した大学職員は解雇されたケースが出ている。 4;その契機はガザ戦争である。ガザの保健当局は4月イスラエル軍の攻撃によるガザの死者数が計 3 万 4 千人を超えたと発表した。国連によると死者の 3 分の 1 が女性だという。その内 6 千人が母親で、 1 万 9 千人の子供が孤児になったという。イスラエルは依然軍事攻撃を拡大する姿勢を取っている。 5:こうした中、学生は大学に対し、大学は行っているイスラエル企業、ないしイスラエルの軍事に関連する企業に対する中止を要請した。米国では大学への寄付が巨額にのぼり、
言わずもがなかな、と考えていたが、「違法行為をおこなう学生」(りゃん)などと、極めて浅薄な見解が出ているので、今回の親パレスチナ学生の抗議行動に関して、一般論として、重要な論点を提起したい。
それは「大学の自治」である。この課題は、大学に通ったことのあるものなら、当然認識しているべき、理念、或いは常識であろう。
ところが、失笑にも「違法行為をおこなう学生」(りゃん)などと端から違法と決めつけているムキがある。
まぁ、幼稚な小学生なら、大学の自治など知らなくても仕方ないし、今や、自治会運動が機能している大学はどれほどあるのか、私は知らない。だから、お子さまみたいな自治のジの字も知らない学生が、日本には多いのかもしれない。
昔は某大学のキャンパスには機動隊の装甲車みたいな大型バスが横付けされて、左翼過激派学生を威嚇していた。左翼学生の拠点は、学生会館を根城にした学部自治会であった。学費闘争を先導するのは、セクトが握った学部自治会であったし、彼らの指導でストライキも行われた。ストライキだから、キャンパスは封鎖して入れなくするが、別に機動隊が投入されて粉砕されることはなかった。勿論、60年安保とか全共闘運動時代に、キャンパスに権力即ち機動隊を導入した事例は多々あったろう。学生の過激さに応じてだろうが、私自身は経験はない。
要するに、大学の自治の範囲というわけだ。機動隊の大型バスをいつもキャンパスに横付けしているのも、威嚇の域をでないわけで、学生自治会や大学キャンパスは一種の聖域というか、自治の機能する砦の内側であったように思えた。
ただし、何でもかんでも許される無法地帯ではない。あくまで、教職員や大学当局と、学生達の緊張感のある自治の場、それが大学だ。
しかし、今の時代、モノをしらないヤカラに限って、やたら大学当局や警察権力など「お上」だけを唯一の正統として、ひれ伏して、権力に逆らうものを、イホー、イホーと咎め立てするのだろう。
こういうヤカラ達を私はB層或いは凡庸な悪と呼んでいる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E5%95%8F%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%94%B1
孫崎先生のブログ本文では、「コロンビア大学の学長は運動が拡大しないうちに芽を摘むことを計った。」とあるが、これ自体が大学の自治との関係で考察の対象であることは言うまでもない。警察権力に頼ったことにより、私にはコロンビア大学当局は、大学の自治を放棄したようにしか見えない。
ともかく、「違法行為をおこなう学生」(りゃん)などというハナシは、学問とはなにか、真理とはなにか、人はどう生きるべきか、大学とはなにか、という本質的議論には程遠いことは間違いない。
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