中庸左派さん のコメント

>ネタニヤフ氏がイランに対する報復に関して米国の支持を受けているのは明らかだ。

イスラエルはアメリカ帝国を戦争に引きずり込んで、共にイランを叩き潰したいのであろう。アメリカ帝国は、ズルズルとイスラエルに引きずられている印象だ。というより、実態は共犯関係というべきだろう。

そういえば、再三ポグロムを持ち出しては、何故かロシアに対して戦争拡大抑止の責任を言い立て、一方アメリカ帝国のイスラエル支援に関してはほぼ不問という奇妙なハナシをするムキがある。そして、このヒトはポグロムの実行犯はウクライナ人なのに、そのことには触れずに、ひたすらロシアの責任のみを問うという類いの「ウクライナ応援団」である。

こういう姿勢を、一般的にダブルスタンダードとか、ご都合主義と呼び、人間の恥ずべき行動に分類されている。が、「戦争は平和である 自由は屈従である 無知は力である」を地でいくG7的世界観においては、イスラエルの“テロ行為“を支援するため、新たな対イラン制裁を課す方針は非論理にはならない。

もっとも、さすがにG7の面々にもポグロムを持ち出すトンチンカンな論法は無いだろう。

一方、イランとしては今回の反撃直前まで「イラン大統領、核合意を期待していると発言」ということであった。

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核交渉の再開について問われると、ペゼシュキアン氏は通訳を介して「合意に達することができると期待している」と述べた。

大統領は会談の冒頭で「我々は核合意から離脱していない」と述べ、離脱と「違法で不公平で不当な」制裁を課したことについてトランプ大統領を非難した。

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https://www.huffpost.com/entry/iran-president-united-nations-nuclear-deal_n_66f19a04e4b0451ba129c67b

ところが、イスラエルは国連総会中において、ヒズボラ最高指導者にテロを行った。

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イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、レバノンのヒズボラ抵抗運動のサイード・ハッサン・ナスララ事務局長を暗殺するというイスラエルのテロ行為の命令がニューヨークから出されたことを国際社会は忘れないだろうと述べた。

ヒズボラは土曜日の声明で、金曜日にベイルート南部の住宅群を狙ったイスラエルの大規模空爆でヒズボラ指導者が殉教したことを確認した。

攻撃は、イスラエル政権のベンヤミン・ネタニヤフ首相がニューヨークで第79回国連総会で演説している最中に発生した。

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https://www.presstv.ir/Detail/2024/09/28/734148/Iran-Lebanon-Hezbollah-Masoud-Pezeshkian-resistance-movement-Sayyed-Hassan-Nasrallah-New-York-US-complicity-

さて、今回のイランによる反撃はイスラエルに対してどのくらいの打撃になったか?

イスラエルや西側メディアは大したことなかった、みたいな報道だ。

また、民間人の死者があまり報告されていないのは、ロシアによる特別軍事作戦と同じで、主に軍事施設等が標的であったことが窺われる。

では、軍事施設の損害について、次のような報道。

-------引用ここから-------

報道によると、ネバティム空軍基地のF-35戦闘機の大部分(20機以上)が攻撃で破壊され、ステルス戦闘機はイスラエルで最も価値の高い標的の1つとなっている。この施設は、 イスラエルの艦隊における F-35の重要性 から、イスラエルの「最も重要な空軍基地」として広く言及されている。イスラエルは高価なステルス戦闘機をわずか2個飛行隊しか配備しておらず、残りの戦闘機隊が大部分が旧式化した航空電子機器と古い機械走査アレイレーダーに依存しているため、この2個飛行隊に大きく依存している。F-35は、ステルス 機能と、電子戦システムやその他の防空抑制機能を含む高度な航空電子機器を備え、イランへの潜在的な攻撃に対するイスラエルの計画で中心的な役割を果たしており 、そのような作戦に最適な資産となっている。したがって、F-35の破壊は、イスラエルがさらにエスカレーションして対応する能力を制限するための重要なステップである。イスラエルは第3飛行隊分 のF-35を発注しているが、 生産 に 重大な問題があり 、当初計画されていた生産量のほんの一部にとどまっているため、納品待ちの待ち時間が長くなっており、イスラエルが新たに発注した戦闘機の受け取りを開始するのは2028年以降になる予定だ。

-------引用ここまで-------

https://militarywatchmagazine.com/article/strike-completely-destroys-f35-base

また、「ブリンケン氏、イランの核兵器の開発期間はおそらく1~2週間に短縮されるだろうと発言」

https://www.cnn.com/2024/07/19/politics/blinken-nuclear-weapon-breakout-time/index.html

この状況で、エスカレーションを誰が望んでいるのか?繰り返しになるが、イスラエルである。イスラエルはアメリカ帝国と共に、イランを叩き潰すという狂信的妄想に駆り立てられている。

しかし、イスラエルはハマスもヒズボラも壊滅出来ていない。まして、中露を後ろ楯にしているイランを潰すことが出来るとは考えられない。

https://www.presstv.ir/Detail/2024/09/30/734298/Iran-Russia-Masoud-Pezeshkian-Prime-Minister-Mikhail-Mishustin-Aref-projects-sanctions-transit-gas-hub-Israel-crimes-Gaza-Nasrallah

https://www.presstv.ir/Detail/2024/10/01/734355/Sino-Iran-ties-deep-stable-strategic-says-Iran%E2%80%99s-Pezeshkian-to-China%E2%80%99s-Xi

イスラエルは自滅の道を回避するためには停戦しか、選択肢はないのではないか?

「戦略なき戦術は、敗北の前の雑音である」(『孫子の兵法』)
No.6
2ヶ月前
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NYT/ デビッド・ E ・サンガー 、「長年恐れられてきた中東における「より広範な戦争」が今、ここにある。 The long-feared “wider war” in the Middle East is here.  昨年 10 月 7 日にイスラエルで約 1,200 人が虐殺された映像が世界中に流れて以来、過去 360 日間、バイデン大統領は事あるごとにハマスによるテロ攻撃がイランのもう一つの代理勢力ヒズボラと最終的にはイランそのものと。紛争が拡大することを許さないと警告してきた。 現在、イスラエルがヒズボラの指導者ハッサン・ナスララを暗殺し、レバノンへの地上侵攻を開始した後、火曜日にイランがイスラエルに 200 発近くのミサイルを発射して報復した後、 この地域は 1967 年のアラブ・イスラエル戦争以来、この地域で最も危険な瞬間の一つとなっている 。 現在の主な問題は、紛争がどの程度激化するか、そして米国軍がより直接的に
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。