租税特別措置の中に、研究開発税制というものがあります。

民間企業の研究開発投資の拡大を税制面から後押しすることでイノベーションを創出し、日本の国際競争力を強化することを狙ったものです。

研究開発税制が適用されると試験研究費の額の1-14%が税額控除されます。(中小企業の場合は12-17%)

ところが、この租税特別措置の適用を受けた企業の2020年と2022年の試験研究費の割合を比較すると、中央値で約3%増加していますが、物価と人件費の上昇が3%であったことを考えると、適用企業の試験研究費の増加にこの政策が寄与したとは言えません。

適用企業中、試験研究費の増加割合はこの2年間で0-3%というのが最も多く、グラフにしてみるとそこを中心として左右対称を描いており、また、控除率が高くなる試験研究費の増加率が9.4%を超えても分布に変化はありません。

そもそも試験研究費が減少していてもこの租税特別措