＜菊地成孔の日記２０２５年１２月２２日記す＞

先日用事でそちらのほう歩いてたら道に迷ってしまいセツモードの目の前に出ました。建物まだ現役なんですかね。　年内いろいろ楽しませてもらいました。こないだもQNかっこよくて見とれちゃいました。来年も楽しみにしてます。少し早いですが良いお年を。

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　長沢せつって品川商事の品川の叔父ですよね。ただ、僕もう「そちらの方」からは離れちゃってますけど（前は家から５分だった）良いお年を〜

　ここ数年での菊地さんの日記で特に好きなパンチラインに＂あなたのすぐ近くにいる人。その人は高い確率でヤブだ＂・＂名医を求めるサメになるより、ヤブと付き合えるフカとなれ＂があるのですが、今回は「近いところに所望のものがあった（諦めてたらある日突然見えた）」の話ですね（笑）　こういう近さ・見えなさに関する話がとても好きです。菊地さんが長い間『タクシー・ドライバー』のエンディングを実際とは違うものとして憶えていた件なども（笑）

＂政治にはニワカで興味あるけど、音楽なんてニワカですら興味ないっていう人＂どころか、「この人、ネット関連のブーストで高い評価を受けてるみたいだけど、作品聴いてみるとびっくりするくらい内実が無いというか、いつになったらせめて作曲くらい真面目に取り組んでくれるんだろうか……？」と薄く記憶していたミュージシャンたち（それほど金銭的に成功しているわけでもないので名前は出しません）が、例によってお定まりのＸ政治論壇で一席ぶってそのたびに言い訳や開き直りみたいな投稿をズルズルやるという、本当に恐ろしいとしか言いようがない現象が常態化したので、ガスは充満しきったなあと思わされます。そして高市早苗はそのガスに着火すらしないでしょう。「そもそもバブル上がりと平成生まれでは行動原理も使える道具も違う、先に斃れるのは自陣の道具の使い方を間違えて自爆した側である」という原理を踏まえたらいいのにと思います。ソーシャルメディアの存在を自明視する人々が充満させるガスはその当事者たちが入り浸る空間だけであり（書きながら気づきましたが、これを物理的に見せたのが黒澤明『天国と地獄』の後半かもしれませんね）、その空間外で別のやり方をしている側はビクともしないと、まさに「政治について語ること」によって証明しつづけている人々が（音楽業界関連にも）あれほどたくさんいるという事実に驚かされます。高市早苗はむしろ、その躁傾向で外部から漏れてきたガスさえも煽ぎ返しているような具合ですね。ジュリアナ東京の扇子で（笑）

私は極度の方向音痴なので駅から徒歩5、6分のところでしたら本気を出せば2、３時間は探せます。なので私の周りの人たちは、しきりにスマホの地図アプリを薦めてきますが、私にとって地図アプリは目的地からどれほど遠のいているかを知る以外に役に立ちません。私が目的地を見つける方法は一つだけです。例えば「平日の真昼間から映画が観たい！」と思ったら映画館の最寄りの駅に上映時間の1，2時間前に行きます。そして先ずは昼食を食べる場所を探します。「昼飯は鴨せいろが食べたい！」と思ったら蕎麦屋を探すために、ひとつ曲がり角、ひとつ間違えながら迷い道をくねくねします。するとどうでしょう、蕎麦屋を探す道程で映画館が見つかります。12月27日の新宿文化センターもその方法で探します。

クリスマスイブ（山下達郎）ですが、去年はチケットを購入していたものの数日前に風邪を引いてしまいどうしても咳が止まらず泣く泣く断念しました（配信で観ました）。今年は11月下旬から生物食べるの止めて、どうにか伺えそうでほっとしています。
レアなピアノトリオに翌日のソロ＋AIを楽しみにしております^^

>>3


　やっぱり僕は、SNSは国民のガス抜きように作られた、ガス部屋（このワードチョイスは我ながらよくないですが笑）だとしか思えません。最近、「SNSこそが正しく強い政治メディアだ」さらには「我々があまねく悪を探し、警報を鳴らしてやる」という、明確に「主義者」（昭和は左翼をこう読んだのですが、ここでは「狂信者」例えばナチスとかの意味で使っています。ナチスも最初は極左だったんで）的な発言があり、おっしゃる通り、あの空感自体がガス爆発するんじゃないかと笑（たまにある焼肉屋とかの爆発事故的な）思うばかりですが、お言葉をお借りするならば「総理大臣」なんて構造的にヤブ以上でも以下でもない、ジャストヤブなので、国民というのは、ヤブに診てもらうしかない患者なのだと自認できない限り、ストレスで死にます笑。

ヤブでないとしても、「珍妙な名医」という、俳句やってたり（中曽根ひろゆきの事ですが笑）、アメリカまで行ってプレスリーのモノマネしたり（泉じゅんのことですが笑）してた人もいますが、そういう医者って、近所の人に人気があるけど無免許だったりするじゃないですか笑、やっぱチェックベリーやJBみたいに巣鴨プリズンに入ってて、業界内っていうか、ブンセイメイとか中国国民党の蒋介石とかにムッチャクチャ惚れられていた、のび太くん（岸ノビすけのことですが笑）みたいな人は、気骨あったな、当時合法だとしても人殺しなだけあって。と思うばかりです。

　音楽家が政治にハマるのは、他業種の方々と違った麻疹（はしか）みたいなもんなので（歌に歌い込みやすいですし。マックスローチでさえ、ドラムだけではインシストできなかったんで、アビーリンカーンの歌を必要とした訳ですが、離婚してヘナヘナになっちゃうなら、そこらの男子と同じだろ笑、と思うばかりです）あんなおママゴトをBLMと結びつけてはいけないですよね）

　御説の通り、「天国と地獄」は、そもそも天国と地獄が別世界である、という構えから、あらゆる境界内（病院内、ゲトー内、高級住宅内、歓楽街内）が、電話っはいうまでもなく、新聞というプロトコルも行き届いていない、＜異世界間＞を全てを自由に移動できるのが、＜一芝居打っている警察＞だけ。という点に、正義とは何か？という、黒沢がいつでも描きたい人道主義的的テーマが、プロレタリアを悪とするように見せかけて、没落ブルジョワ（破産する）三船敏郎である。という、やっぱプロレタリアじゃねえか、という「しらけ」感を超えて迫ってくるのだと思いますよね。

　高市がどうのこうの言っても無限地獄ですよ。ちゃんと日本史を勉強し、８０年代（バブル経済）というものの、本当の恐ろしさを国民がもっと身に染みるべきです。あれ、恐慌が起こらなかっただけで、株式を中心にした資本主義の横転という意味では１９２９年と何も変わらないですから。

　

>>4

＜私は極度の方向音痴なので駅から徒歩5、6分のところでしたら本気を出せば2、３時間は探せます＞

＜「昼飯は鴨せいろが食べたい！」と思ったら蕎麦屋を探すために、ひとつ曲がり角、ひとつ間違えながら迷い道をくねくねします。するとどうでしょう、蕎麦屋を探す道程で映画館が見つかります。12月27日の新宿文化センターもその方法で探します。＞

　すごく頼もしい。すごく素敵！これはフロイド的というよりも些かユング的（村上春樹的）ですが。


　

>>5

　ぜひ、お楽しみにしていてください、すでに右手の人差し指が突き指してるんで、麻酔打って出ますけどれども笑

　AIマジでかっこいいです。IRCAMが盛んにやっている、なんかダサいやつとか（即興演奏者がみんなクラシック畑だからしょうがないけど＝クラシックの演奏家をダサいと言っているのではなく、彼らに即興させることが）、スティーブ・リーマンみたいに、出来レースというか、結局ストックした生成のフレーズのトリガーのためにサックスがあるようなことはせず、新音楽の大野と、完全な即時生成伴奏と、OMAXの無限展開の機能を使って、クリスマスパーティーを盛り上げようと思います。