「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2025年12月23日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年01月13日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2025-12-23配信のハイライト

  • 「両者とも頑張った」スマホ新法
  • 「ハンコで半導体回路」と「トランプ級戦艦の実現可能性」
  • 「ジェットエンジンをデータセンターに」と「タービンブレード1枚いくら?」
  • 視聴者質問「書籍市場で電子版の割合が低い」と「利上げと円安」
  • 「核保有論の意図」と「H3失敗、2段目には2段目の難しさ」
  • 「がんを100パー治す腸内細菌」と視聴者質問「幸福の最大化と自由度の最大化」

「両者とも頑張った」スマホ新法

山路:最初、軽い話題からいこうと思うんですけど。“Twitter”が復活するというニュースなんですが(笑)。

小飼:この場合はX.comがTwitterを継いだ、ではなくてTwitterという名前のウェブサービスが再び出来上がるという意味ですよね。

山路:Xが所有しているTwitterの商標権っていうのが使ってねえんだったら、もうそれ無効じゃねえの、みたいな話なわけですよね。弾さん、ちなみにTwitter.new登録しました?

小飼:登録しました。いや、もちろんそれは、

山路:そうですか(笑)、海のもんとも山のもんともつかないSNS、

小飼:とりあえずネームスペースを取ったというね。

山路:これってまだ、今の状況ではぜんぜん情報も出てないから何とも言えないんですけども、

小飼:ベーパーウェアかもしれないしね、

山路:ああ、とりあえずそういう話題作りして資金を集めようみたいな。

小飼:そうそうそう。

山路:こんなんされて、イーロン・マスクとか黙ってたりするのかな?

小飼:まぁ現段階では特に、今の元TwitterのあのX.comのobstacle(障害)にはならないという。

山路:もうだいぶ規模も違いますしね。結局SNSって、もうユーザーベース、既存のユーザーベースからなかなか移らねえっていうのはThreadsを見ても、mixi2を見ても。私はmixi2、一切触ってないですからね。

小飼:まったくだ。だれだよ、dankogaiとったのは。

山路:あっ、mixi2で(笑)?

小飼:怒らないから、名乗り出て。

山路:いや、怒る気満々じゃないですか(笑)。怖い、怖い。じゃあちょっとそのタイトルにもあったスマホ新法の話、先いっておきましょうかね。けっこうこれって、これは日本の政権がうまく交渉したっていう例になるんですかね? スマホ新法。

小飼:どうなんだろうね。

山路:最初に出てきたスマホ新法の案だと無制限にサイドローディング、要はAppleの公式に認めるんじゃないストアみたいなものも自由に作れるようにして、アプリとかも自由にインストールさせようみたいな、わりととんでもないようなことを言ってたんだけれども、けっこうなんというのか、

小飼:実装のところで政権とAppleのほうで交渉があったみたいで。

山路:うんうん、で、なんというのか割とどっちもメンツを立てられるぐらいのところに落ち着いたみたいなというのか、

小飼:落ち着けたというのか。

山路:政権のほうとしてはつまりAppleとかGoogleに販売手数料をちょっと割引かせたというか、値下げさせて、いちおうこう別のストアも条件付きだけども認めるみたいな形にして。

小飼:そこで本当に落ち着いてるのかねっていうのはあるけれども、なるべく大騒ぎにならないように、両者とも頑張ったっていうのは、それは事実ではあると思う。

山路:今回、本当にAppleが相当一般の消費者相手に広告というか、だいぶメッセージとか出しましたよね。

小飼:そうね。

山路:あんまりそういうことしないイメージあったんですけども、そういう政策に関してかなり意見という、広告は出さなかったかもしれないけども、かなりメッセージは出してましたけどもね。これはだいぶ日本もデジタル企業との付き合い方がわかってきた?

小飼:わかってきた、ではないですね。Appleから見れば、率直に言って余計なことしやがって、なんで。それ以外の何ものでもないんで。

山路:今回のiOS 26.2の変更で、使ってみました? Kindleのアプリから外部のリンク、

小飼:しまった、それが一番影響があるやつなのに、しまった。わかりました。iPadで確認します。僕はその手のことは主にiPadでやってて。しまった、気づかんかった。

山路:それはちょっと便利かな、ただ、それも、そのやつも完璧じゃないみたいですけど。これまでは、お勧めのところではサンプルをダウンロードする仕様になってましたが(外部リンクに飛んで書籍を購入できるようになった)。

小飼:相変わらずまぁいつものこと、やっぱり怖いよな。なんか新しいことを試すと、アカウントがぶっ壊れるという恐怖心が、KindleというのかAmazonアカウント。ものすごいフラジャイルなんですよね。

山路:とくに私、かなり早い段階でKindle使ったんですよ、日本でまだKindleがやってないときにAmazon.comでアカウント作って、Kindleの、

小飼:そうね、Kindleのハードウェアがガンガルだった頃だよね、

山路:ガンガルでしたっけ(笑)、

小飼:モビルフォースガンガルだった頃だよね。ものすごいなんか、こんな醜いハードウェア、ありえんだろうっていう、

山路:それは私まだ買ってないんですけどね、そのガンガルだった時のやつという、

小飼:ああ、そうか、アカウントを入手しただけ、

山路:アメリカの、要はそのKindleのストアが始まった時にアカウントを作って。

小飼:なるほど。

山路:その時にアカウントを作った人っていうのは、Amazon.co.jpでサービスが始まった時に、アカウントを紐付けできたんですよね。ただ、1回紐付けすると、それが後々の、

小飼:そうそう、その手の話。僕、両方持ってるよ、.comも.co.jpも、両方持ってるよ、じつは。で、紐付けしてない。

山路:ああ、それが一番結局賢かったかもしれない(笑)。

小飼:なんか、パイオニアの皆さんの話を聞いて、これはよねインテグレートしちゃいけないよなって。

山路:なんかね、たぶんAmazonの人も検証しきれてないようなバグの原因になってるっぽいんですよね、いまだに。

小飼:検証したところで儲かるわけでもないし。ただ、ほったらかしにすると穴が開くかもしれない。

山路:とりあえずAmazon.comのアカウントを削除すると、Amazon.co.jpで買った本も見られなくなるみたいな、そういうこととか、

小飼:そうそう、そういうホラーストーリーズをいっぱい聞いたんだよ。

「楽天Koboのほうがサービスが早かったよ」(コメント)

山路:ほうほう、そうでしたか。Koboのほうが早かったっけ、日本ではそうだったかもしれないな。なんかコメントで、

「今日は弾さんが怒るポイントが多そうだな」(コメント)

小飼:ハハハ、いや、でも楽天は楽天で、いまだに2FAがまともに実装されてないでしょ。

山路:2要素認証、

小飼:そうそうそう、そういうところだよ。

山路:楽天証券は、パスキーに対応したんですけどね。

小飼:うん。あのね、楽天も、楽天がつくので証券と銀行と、普通のwebコマースのサービスとクレジットカードと、全部あるんだけれども、微妙に認証メソッド違うんだよね。

山路:たぶん、ぜんぜん別だったサービスのやつの統合ってのが、

小飼:それそれそれ、

山路:やりきれてないという、よくあるやつ。

小飼:よくあるジャパンネット銀行がPayPayになるみたいに。

山路:まぁPayPay銀行の場合は名前が変わっただけですけど(笑)。楽天の場合は、ぜんぜん由来の違うサービス、

小飼:いや、振り込む時にPayPay銀行にPayPayする、

山路:恥ずかしめを与える、なんともたまらない姿勢がなんとかしてもらいたいですけどもね。ちょっと、

小飼:だから振り込み先の指定だけでも、ジャパンネット銀行復活して、

山路:本当にそれはそう思う(笑)、

小飼:PayPayはないわ、PayPayは。

山路:向こうでチャリンと鳴ってそうですもんね。

小飼:いや、鳴るんだよ。

山路:振り込み? いや、それは嘘でしょ(笑)。

小飼:いや、本当だよ。本当だよ。これでやったよ。

山路:え、銀行の振り込みが鳴る? いや、そんなもないでしょ。

小飼:PayPay銀行への支払いは、PayPayアカウントでできるんだって。

山路:へえ、そうなんだ。

小飼:あえてPayPayでやったところ、やっぱりペイペイ鳴ったよ。このアプリでPayPayすると、必ずペイペイするんだって。ペイペイ鳴るっていう。

山路:私、法人アカウントだから、法人口座だから、より恥ずかしいです。

小飼:そうなんですよ。

「ハンコで半導体回路」と「トランプ級戦艦の実現可能性」

山路:いやいや。勘弁してもらいたいですけどね。じゃあ、IT絡みでもう一つ。これ意外に地味だけども、地味というか、でかいと思うのが大日本印刷、DNPが発表したテンプレートということなんですけれども。これは何でしょうかと。

小飼:昔からけっこうIT絡みの、そう、仕事はしてきたDNP、大日本印刷なんですけれども、主張するに、レーザーで鋳型をいちいち作らなくても、いったんレーザーで作った鋳型をポンと半導体基板に押せば、回路ができるんじゃね? っていう主張です。

山路:そんな簡単な、

小飼:簡単なものをさらに簡単にしてるんですよ。

山路:しかも10nmとかのレベルの細かさなわけじゃないですか。

小飼:そうですね。

山路:それでハンコができるんだというのが。

小飼:ハンコでできるという。

山路:これ本当に実用的に作れるんだったら、めっちゃすごくないですか?

小飼:すごいことになりますね。

山路:そういう半導体の細かい回路作るのってEUV、超紫外線だっけ(※極端紫外線の間違い)、それで回路、

小飼:ただ原理としては写真乾板なんですよね。どれだけ細かくできるのかというのは写真乾板に焼き付ける時の光の波長で決まるわけです。それがものすごい短波長のほうに偏らせているというのか、ほとんどそれなのがEUVなんです。

山路:めちゃめちゃ高いですよね。

小飼:その通りです。あまりに短波長なので、もう無理だろうっていうので、だからいろんな企業が他のメソッドも試してはいるんですよ。たとえば電子線でやったらどうだろう、要するに電子顕微鏡、逆電子顕微鏡みたいなもんですよね。なんだけれども、量産レベルにぜんぜん到達しませんでした。

山路:それをハンコでやっちゃったっていう。すごい低コストで半導体が作れるかもしれないってことですよね。

小飼:十分の一って言ってましたね(笑)。でもそういうレベルでのブレイクスルーが起こるのがこの世界なんですよ。

山路:やっぱりこAI半導体とかAI需要とかで半導体需要が盛り上がってるからこそ、こういう技術開発なんかにも熱が入ったっていうのはあるんですかね?

小飼:どうなんでしょうね、最近になってやっと浮上してきたところはありますよね。昔からいろいろやってましたよ。そういうエレクトリクスに関することは、DNPは。紙に印刷しているだけの会社ではぜんぜんないです。

山路:ラピダスなんかがまさに今挑んでるじゃないですか。先端半導体。そこのところ、DNPもこういう技術を使って協力するわけですよね?

小飼:そこはわかんない。TSMCもラピダスも、その当時に得られるベストな技術、テクノロジーを導入しているというのは、そこは間違いないところなので。ちなみに最近はIntelも再びそれをやるんじゃないかという候補にまた上がってきています。要は他社からチップのファンダリーとして活動するっていうことです。

山路:ずいぶんアメリカ政府から金もつぎ込まれるみたいな話もありましたしね(笑)。

小飼:10パーセント、USAなんですよね。

山路:どんどん国有企業っぽくなってきますよね、どの国の半導体事業というのも。

小飼:TSMCは中華民国がべつに所有してるわけではないはずだけど、ちょっと後で調べます。じつはこっそり蔣一族に、蔣経国の一族に所有されてたりするのかな?

山路:なるほどね、

「今日コメント少ないね、年末だから」(コメント)

小飼:っていう、そうそうそう、言いたいこと言ってくださいね、皆さん。

山路:それで弾さんが怒るかもしれないけれども、遠慮なく(笑)。IT絡みでちょっとこののけぞるというか、びっくりしたニュースでもう一つ。北朝鮮絡みのニュースなんですが。

小飼:北朝鮮絡み。ああ、

山路:これすごくないですかっていう。

小飼:でも、あれはなるほどだったよね。110ナノメーターって、ナノセカンド。ごめんなさい、ミリセカンドですね。すごい、わずかな時間に思えますけれども、100分の11秒ですよ。

山路:これ、あるアメリカの企業にリモートワークで働いてた従業員、その従業員からの反応っていうのが何か調べてみると110ミリセカンド、タイムラグがある。

小飼:だいたいそれくらいになりますね、太平洋を渡ると。僕もシアトルで、厳密な位置はちょっとNDA的に言うとまずいと思うんですけれども、まあまあとにかく110ミリセカンド離れたところのサーバを直したことはあります。この遅延はもう、光の速度に由来するものなので、避けようがないです、これは。

山路:この北朝鮮の工作員が侵入しようとして潜んでたっていうのはAmazonだったらしいんですよね。それをしかも人が気づいたとかっていうんじゃなくて、そういうふうに不自然なタイムラグのある、なんていうのかな、従業員とのやり取りみたいなことを自動でチェックするような仕組みを入れたみたいですね。

小飼:なるほどなぁ、それはAmazonの中の人、グッジョブです。

山路:なかなかすごい話だなと、ここまで来てんだなっていうのは。

小飼:すごい話ではあるけれども、まあ、ですよねーという。

山路:それぐらいやってるだろと、Amazonならば。

小飼:お互いにやってるかもしれないね。

山路:あーなるほどね。まさに情報戦がね。今。

小飼:(コメントを見ながら)今来たさんがいらっしゃいます。

山路:これもマジかよと思ったニュースいっておきましょうか。これ本当にマジなんですかっていう(笑)。トランプがトランプ級戦艦を建造すると発表したっていうニュースなんですよね。このニュースっていうのが、このトランプ級戦艦っていうのが、なんかいろいろすごいんですよね。この指向性エネルギーレーザーとか、人工知能を搭載し、

小飼:ぜんぜんスペックが上がってないでしょ。

山路:極超音速ミサイルを搭載しとか(笑)、いろいろ書いてあるんだけど。これってマジなんですか?

小飼:それはトランプがほざいただけですね、今のところは。これすごい大事なところなので皆さん押さえてほしいんですけれども、どんな軍艦に限らず、どんな兵器をどれだけ買うのかっていうのを決めてるのは誰でしょう? 米国政府の場合。クイズです。

「軍隊?」(コメント)

山路:ってコメントが、

小飼:そう、いや、だから軍隊に使ってもらうためのだから兵装というのは当然買ってもらうわけですけども。買うのは誰かっていうのはわかりますよね。じゃあ何をいくら買うのかっていうのを決めてるのは誰でしょう?

「国防省」(コメント)

山路:ってコメントが。でも、その前段階がいるってことですよね。

小飼:そういうことです。

「議会」(コメント)

山路:って出てますね。

小飼:はい、やっと正解が出ました。18番が正解です。そうなんです。コングレスなんです。

山路:下院上院とまあ、それで承認されなければ。

小飼:そうです。それで数多のハイテク兵器というのがダメ出しされたわけです。