今回は、住居侵入罪の“許諾”をめぐる思考実験です
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こんにちは、倫獄です。
先日、以下のようなツイートをしました。

「娘が彼氏を家にまねき、自分の部屋に入れた。家にいた母はこれを黙認したが、その時会社にいた父はこれを知っていたら立ち入りを拒否していた。また、彼氏も父なら拒否することを知りつつ入った。彼氏に住居侵入罪は成立するか?」

特に他意はなく、刑法ではこんな思考実験をするんですよ、という紹介のつもりだったのですが……意外と多くの皆さんに興味を持っていただいたようなので、簡単に解説をしようと思います。

この問いに答えるためには、そもそも、

住居侵入罪は何を守っている規定なのか?

を考える必要があります。

◆◇◆まず前提:保護法益とは何か◆◇◆



世の中には様々な犯罪がありますが、そのすべてに「保護法益」があります。

保護法益とは、その行為を犯罪として禁止することによって守られる利益のことです。
法によって守るべき利益もないのに、本来自由であるべき行為を好き勝手に禁止することは許されません。

ただ、厄介なことに、この「保護法益」は条文に書いてあるわけではありません。
条文の解釈を通じて、その犯罪が守ろうとしている利益を特定していく必要があります。

では、住居侵入罪の保護法益はなんなのでしょうか?

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