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マクガイヤーチャンネル 第452号 2026/3/4
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おはようございます。マクガイヤーです。

「マンガ家・つげ義春のいるところ展」が気になっているのですが、色々と忙しく、行けていません。自分の住む川越から調布まで電車で1時間ちょいなのですが、映画観たり、原稿やこのブロマガを書いたりしてるとすぐ時間が過ぎてしまうのですね。おまけに、今月半ばまでに確定申告もしなければなりません。どこかで有休とるか……



マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



〇3月16日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2026年3月号」

・時事ネタ

・『ウィキッド 永遠の約束』

・『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』

・『私がビーバーになる時』

・『レンタル・ファミリー』

・『おさるのベン』

・『センチメンタル・バリュー』

・『ブゴニア』

・『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』

・『クライム101』

・『トゥギャザー』

・『マーズ・エクスプレス』

・『HELP 復讐島』

・『ランニング・マン』

・『レッキング・クルー』

・『恋愛裁判』

・『アウトローズ』

・『ウォーフェア 戦地最前線』

・『28年後... 白骨の神殿』

・『万事快調 オール・グリーンズ』

・『コート・スティーリング』

・『黒の牛』

その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



〇3月30日(月)19時~「『プロジェクト・ヘイル・メアリー』と思弁進化」

3/20より映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が公開されます。アンディ・ウィアーの同名原作小説をフィル・ロードとクリス・ミラー監督が映像化する期待のSF映画です。アンディ・ウィアーの前々作『火星の人』は2015年に『オデッセイ』として映画化されましたが、傑作だったので、『ヘイル・メアリー』にも期待しています。

そこで、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の原作やフィル・ロードとクリス・ミラーの過去作、最近のSF映画について解説するニコ生を行います。

ゲストとしてお友達の虹野ういろうさん(https://x.com/Willow2nd)をお迎えしてお送り致します。



〇4月5日(日)19時~「『悪魔の手毬唄』『時計館の殺人』放送・配信記念、今更聞けないミステリ入門」

2026年3月以降にNHKBSにて小林靖子脚本による『悪魔の手毬唄』が放送予定となっています。2026年2月よりHuluにてドラマ版『時計館の殺人』配信されています。また、今年のプリキュアである『名探偵プリキュア!』のテーマはミステリです。『水曜日のダウンタウン』では『名探偵津田』がヒット企画となっています。

いつのまにかミステリの注目作が目白押しですが、悲しいかな自分はミステリに関してほとんど知識が無く、ミステリ弱者です。

そこでミステリに詳しい友人のナオトさん(https://x.com/Triumph_march)をお迎えして、いろいろとミステリについて教えて貰う放送を行います。

ゲストとして映画ライターの竹島ルイさん(https://x.com/POPMASTER)も出演します。



〇4月20日(月)19時~「『鎧真伝サムライトルーパー』放送記念 プロテクターヒーロー特集」

『鎧真伝サムライトルーパー』が2026年1月6日より放送されています。1988年~1989年にかけて放送された『鎧伝サムライトルーパー』の続編です。当時は『聖闘士星矢』の大ヒットを受けて『サムライトルーパー』が制作されこちらもヒットし、密教バージョンの『天空戦記シュラト』も放送されました。

お友達の虹野ういろうさん(https://x.com/Willow2nd)は、これら一連の作品群は「プロテクターヒーローもの」と呼ぶべきジャンルを形成している――という論をかねてから提唱しています。

そこで『鎧真伝サムライトルーパー』1クール目放送終了に合わせて、ういろうさんを招いてプロテクターヒーローについて詳しくお聞きする番組を放送致します。



〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

https://macgyer.base.shop/items/19751109


また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

https://macgyer.base.shop/items/25929849


合わせてお楽しみ下さい。





さて、本日のブロマガですが、『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』を観ましたので、ちょっと書かせて下さい。



●『新・のび太の海底鬼岩城』とは?

2/27より『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』が公開されています。

本作は1983年に公開された『ドラえもん』の長編映画第4作『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』のリメイクになります。声優交代以降、映画の『ドラえもん』は定期的に旧作をリメイクしていますが、『のび太の宇宙小戦争 2021』(新型コロナ禍の影響で公開は2022年)以来4年ぶりのリメイクになります。

皆さんご存じのことと思いますが、『ドラえもん』の長編映画初期作はどれも出来が良いわけですよ。自分は第8作『のび太と竜の騎士』までハズレ無しだと考えているのですが、『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(稲田豊史)では第7作『のび太と鉄人兵団』までを「神7」と呼んでいました。AKB48に喩えているのだと思うのですが、まぁ、だいたいここらへんくらいまで傑作が続いたという認識は多くの人に共通しているといって良いでしょう。2018年の『のび太の宝島』に破られるまでシリーズ最大の顧客動員数を誇っていた第10作『のび太の日本誕生』はまた別の扱いということになります。


●『のび太の海底鬼岩城』と冷戦

この「神7」の中で、『のび太の海底鬼岩城』は最後の最後までリメイクされなかった作品ということになります。理由はおそらく、冷戦下における核抑止批判を大きなテーマの一つとしており、冷戦が終わった現在ではリメイクしづらい作品だったからです。

かつて海底にはムーとアトランティスという二大連邦国家があったこと、アトランティスは軍拡競争の末に鬼角弾という大量破壊兵器を開発したが自滅したこと、しかし奇岩城の「ポセイドン」と呼ばれる自動報復システムは生き残っていて、海底火山の噴火を敵の攻撃と誤認し、世界中に鬼角弾をばらまこうとしていること――これらは冷戦下における相互確証破壊による核抑止論と、それに対する批判――機械故障や誤報などの事故により核戦争が誘発される致命的なリスクがあること――を実に上手く描いています。

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当時、自分は小学生だったのですが、漫画なのにあまりにも現実を反映した構図に恐ろしくなったものです。そういえば『ウォッチメン』が発表されたのはこの3年後、1986~87年でした。当時はこれが小学生でも分かるリアルな恐怖だったわけです。

ただ、冷戦終結により、この構造は変化しました。テロやポピュリズムに狂った独裁者による核兵器の使用が、現在のリアルな恐怖です。最近も、プーチンがウクライナへの軍事侵攻で核兵器の使用を真剣に検討していたこと、フランスのマクロン大統領が核戦略を転換し保有する核弾頭を増やすことを宣言したことなどが報道されました。

https://www.asahi.com/articles/ASV334284V33UHBI021M.html

ただ、リメイクにあたり、このような現実が反映されたかというと、そんなことはありませんでした。海底人エルが説明する上記のような滅亡リスクに対し、のび太は「難しすぎる……」と頭がオーバーヒートして理解不能になる――というギャグでスカす表現まで描かれました。当時の藤本弘だったら絶対にとらなかったであろう表現です。のび太のような小学生には難しすぎるというよりも、現在の現実とあまりにも剥離しすぎていて理解不能だからなのでは? ……などとも思ってしまいました。


●『のび太の海底鬼岩城』とAI

それでは、『新・のび太の海底鬼岩城』がつまらなくて必要の無いリメイクだったかというと、そんなこともありませんでした。

一つは、深海生物描写がマシマシになっていたことです。

きちんとした作画でメンダコやダイオウグソクムシといった流行の深海生物が描かれたのは、単純に楽しかったですね。ムー連邦には魚人タイプの住人もいるのですが、チョウチンアンコウ首相が夫婦でトゥギャザーしてるのも楽しかったです。

もう一つは、バギーとポセイドンが対照的な存在であることがより強く描かれていたことです。

いまの視点でみると、『海底鬼岩城』の大きなテーマの一つはAIです。バギーもポセイドンも人類(と海底人)が作りだした人工知能ですが、ラーニングの過程に違いがありました。『新』では、相手を信じないことで戦争を抑止するために作られたポセイドンと、しずかちゃんとの触れ合いにより人間を信じるようになったバギーとでは、同じようにシンギュラリティに達していても人類に対して脅威になるか良き隣人になるかという結果が異なる――というテーマが強調されていました。前半、海底火山の噴火を察知したバギーが皆を乗せて逃げるシーンがあるのですが、ここで「自己防衛プログラム作動」と言わせ、後のポセイドンと似たようなアルゴリズムを持っていたことを示させるのは上手かったですね。また、ポセイドンがドラえもんをみて「おまえも機械か」と言うシーンは」興奮してしまいました。観客の大半が忘れている、ドラえもんもロボットであり、AIであり、とっくの昔にシンギュラリティに達しているにも関わらず人類の脅威になってないことなどを、思い出させてくれました。故に、もうちょっと深掘りして欲しかったところです。)

ただ、「深海」「核抑止」「AI」という、それぞれがあまり関連なさそうな三大テーマをまとめたところに『海底鬼岩城』のリメイクの難しさがある、ともいえますが。


●トリラインの存在意義

難しいといえば、本作にはオリジナルキャラとしてトリラインという老女が出てくるのですが、必要だったのでしょうか?

過去、唯一鬼岩城から生還した海底人として登場し、女性だからしずかちゃんは殺されずに鬼岩城に連れていかれることの伏線になるのですが……なんだからポセイドンが若い女性好きなおじさんにみえてきます。AIなのに!

本当は誰かタレント声優をアてようとしていたのですが、技量的にあまりも上手く行かなかったので変更したのかも……などとうがった見方もしてしまいます。

『のび太と竜の騎士』もいつかリメイクされるんじゃないかと思いますが、自分としては(同人誌にも書いた理由から)最重要作と考える『のび太の創世日記』のリメイクを待ちたいところです。




番組オリジナルグッズも引き続き販売中です。

マクガイヤーチャンネル物販部 : https://clubt.jp/shop/S0000051529.html

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新製品乳首ポケストップ Tシャツ

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同じく新製品スーサイド・スクワッド Tシャツ

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思わずエナジードリンクが呑みたくなるヒロポンマグカップ


……等々、絶賛発売中!



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