トランプ政権は1930年代のナチ台頭時の米国に類似している。その特徴は①下層階級(数的には過半数以上)の貧困化、②外国人嫌悪、弱者への攻撃、③反対者の排除、④メディアへの抑制と支配、⑤知識人の排除、⑥対外強硬姿勢等である。
問題はこうした現象に人々がどう対応したかである。
プリツカー・イリノイ州知事は「遥か昔、ヨーロッパで独裁政権へと成長した種は、一夜にして生まれたものではありません。インフレに憤慨し、誰を責めるべきかを探していた一般のドイツ人から始まったのです」「歴史を繰り返したくないのであれば、今この瞬間に、歴史から学ぶ強さを持つべきだ」と述べた。
2024年ウォールストリート・ジャーナル紙は「戦間期のドイツ人とその指導者たちは、実験室で作られた怪物ではない。彼らはごく普通の男女でした。彼らの平凡さ、彼らが私達と共有している共通性こそが、私達を恐怖に陥れるべき」と記載した。
ニューヨークタイムズ紙は最近「明日は今日より良くはならない」と題するバード大学教授イアン・ブルマの論評を掲げた。
ブルマ氏は「ナチ台頭の時代、幾つかの節目にほとんどのドイツ人は目を背け、何も見ていないふり、日常生活を送っていた。この過ちは“これで終わりだ。明日はよくなる”と、ベルリン陥落の直前まで続いた」と記載した。
トランプ大統領の蛮行は続く。「これで終わりだろう」「これで終わりだろう」と思っているうちに、蛮行はエスカレートしていく。
米国社会にとっての危険さは知識階級の抑圧とメディアの後退である。トランプ大統領の一期目には知識人、メディアには「トランプ政権はナチ台頭時のドイツに類似」と警鐘を鳴らす人々が見えた。今はほぼ消滅した。危険性は益々強まっているにも関わらずにである。
「小型トランプ政権」と言える高市政権もその要素を持っている。
歴代のどの首相よりも、自分と異なる見解への寛容力がない。共存を求める気持ちがない。異なる見解を排除する力は強まる。多くの人々は笑顔の背後にある怖さを認識していないのではないか。
歴史は逆行した時それに立ち向かう層をどれ位持っているかだ。残念ながら今、日本にはその力が消滅しつつある。
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