「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2026年4月7日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2026年04月21日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2026-04-07配信のハイライト
- 「アルテミスはレーザー通信」と「月の裏側はおいしい?」
- 「パイロット救出作戦の謎」と「どうTACOればいいのか」
- 「高速増殖炉のいいところ」と『プロジェクト・ヘイル・メアリー』紹介
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』レビュー
- Xの自動翻訳はトラブル招く? それともありがたい?
- EV作ってうまくいってないメーカー、うまくいってるメーカーの違い
「アルテミスはレーザー通信」と「月の裏側はおいしい?」
山路:今日タイトルにもあるように『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の小説と映画、あとで語ろうかなと思ってるんですけれども。その宇宙ネタ絡みで言うと、
小飼:皆さんどっちがいいですか? よく言う、いいニュースと悪いニュースとどっちを先にしますかっていうやつ(笑)、
山路:最近暗いニュースもあったけど、とりあえずもういいニュースからいきましょうよ、素直に(笑)。
小飼:素直に、わかりました。
山路:ということでアルテミス、
小飼:じゃあサイエンスファクトのほうからいきましょうね。
山路:ですかね。このアルテミスの皆さん、おめでとうございましたってやつですよね、とりあえず。
小飼:アポロ11、アポロ計画から数えるとこれ60年越してるんですよね。
山路:そうか、
小飼:そうですよ。最初のサターンVを打ち上げてから60年以上経ってんですよ。
山路:60年ってヤバいですよね、
小飼:ヤバいです、
山路:マンションでも絶対買いたくない感じ(笑)、
小飼:そのアルテミスを打ち上げたスペースローンチングシステム、略してSLSっていうやつも本当にシャトルの残骸というのか遺産というのかを集めた、フランケンロケットなわけですよね。二つあるブースターも、本当にシャトルのブースターそのままですし。真ん中にある部分っていうのの燃料タンクっていうのは本当にシャトルのお腹にこうやって、
山路:でかいやつ?
小飼:そう、ついてたオレンジ色のタンクを改造したものです。
山路:素朴な疑問なんですけど、それって再利用するよりも今時の最新技術、それこそSpaceXとかポカスカ打ち上げてるじゃないですか、あれはダメなんですか?
小飼:振り返るとそっちのほうが明らかに(笑)、
山路:ああ、そうですか、素人の素直な疑問が意外に(笑)、
小飼:だから下手の安物買いになったわけですね(笑)。本当にボーイングがスチャラカで、でボーイングというのか、ULAか、United Launching Associationという、ボーイングとロッキードマーティンがアライアンスを組んでNASAにロケット提供してるというのが、じつはNASAのメインなんですけれども。当然SpaceXにもいろんなものを外注してるんですけども、SpaceXのほうがずっといい仕事してるんですよ。ボーイングは、ボーイングというのかULAは有人船ですごいやらかしをしたので、
山路:帰ってこれなかったやつ?
小飼:そうそうそう、だからそれはもう破棄して、ファルコンをもう1回打ち上げてそれで帰ってくるっていうふうにする羽目になってるんですよね。だからそこがやってる有人船なので、
山路:怖いな(笑)、
小飼:そうなんですよ。だから怖さはある。今のところ計画は遅れに遅れたんですけれども、いちおうここまでたどり着いた。ちゃんと月の裏まで行って、帰ってきたという、
山路:『ガンダム』で言えば、サイド3があるあたりになるのかな、
小飼:『ガンダム』のサイドと、ラグランジュポイントの番号付けっていうのはちょっと僕、あれなんですけど、
山路:サイド3は確かラグランジュでいうと1か2、
小飼:月の裏っていうことは2ですね、っていうことはジオンだ、っていうことはサイド3か、なるほど(笑)。
山路:まさにそこのところに実際に人類が飛んでるというところ、なんか『ガンダム』の放送日だったらしいですよね、この辺り、っていう小ネタなんですけれども(笑)、
「おっさんはいつもガンダム」(コメント)
山路:ハイ、すいません、
小飼:もう少し厳密に言いますと、スペースコロニーぐらいでかいものをポンと置いといてそのままぐるぐる行くっていうのはL4とL5だけなんです、ちょうど、
山路:三角形の安定したところっていう、
小飼:単にその中心の部分が安定するだけではなくて、ちょっとずれてもそこに戻ってくるような重力勾配を持ってないとそうはならなくて。これはもう実例があって、トロヤ群といって、太陽と木星のL4とL5っていうのは本当に小惑星がいっぱいあるわけです。だからもう実例があるわけですよ。じつは太陽と地球のL4とL5にも、小惑星がいるというのは。木星ほどはっきりは見えないんだけれども、
山路:ちょっとゴミが溜まっている的な感じにあったり、
小飼:残念ながらL2というのは、L2自体はれっきとしたラグランジュポイントなんですけど、そこから外れた場合っていうのはそこに戻っていかないんですよ。
山路:つまりL2はけっこう不安定?
小飼:そうです、戻るためには能動的な操作が必要になる。そのおかげで密閉型になってるのかな(笑)、
山路:みたいな話はありました、私が子供の頃に読んだ本でもサイド3のあるポイントっていうのはけっこう重力的には不安定ってことが解説してありましたからね、
小飼:ちょっと不安定です、
山路:アルテミス、いちおう順調にはいってるらしいんですけど、細かいトラブルはいくつかあるというね、トイレが故障したりとか。
小飼:そうなんですよ、それは本当にちょっとビビった、人間的にすごいヤバい、
山路:2回ぐらい故障してるんですよね、
小飼:ちなみにアポロの時にはトイレではなくて、船内にいる時には携帯式のやつにして、船外活動をしている時、たとえば月着陸した月面での行動の時というのはおむつをしていました。だからそれを、尻がすっきりしない状態というのは10日過ごしているというのは、これはちょっとキツいですね。それでついにシャトルとかISSとかと同様にトイレがついたんです。そのトイレが、
山路:水洗というか、水洗ではないか。
小飼:バキュームです。バキュームするはずです、
山路:それが、凍っちゃったんだっけ、2回目、
小飼:だから本当に祈ってました、トイレは祈ってました。でもね、その後にね、もっともっと(笑)、
山路:些細なトラブルが、
小飼:もうこれは大気吹くみたいな受け方を、すみません、無重力でも腹筋崩壊ってするんでしょうかというね、
山路:Microsoft絡みのやつ(笑)? メールとかをやり取りするためのOutlookの調子が悪くなったということなんですよね、
小飼:そうそうそう、ちゃんとNASAはMicrosoftとコーポレート契約を結んでいて、それでOffice Suiteを使って、で、メールを使っててこれがまともに動かないというね(笑)、まさかそういうやりとりっていうのもTeamsとかでやってたんじゃねえのと(笑)、そこは率直に同情するというのか(笑)、
山路:関係者が文句言ったんですね、トラブルを報告したんですよね、Microsoftに。そしたらサポートチケットが発行されたという話が(笑)、
小飼:で、まだ解決してないと、
山路:ただすごい話ですよね、月に向かう宇宙船からメールができるってことはインターネットプロトコルが載ってるってことじゃないですか。
小飼:じつは通信の部分っていうのはアポロの時よりは格段に進んでて。たとえば、どれくらいあるんだ? Nikonのミラーレスの一眼、
山路:ああ、ニコンの、
小飼:昔のタイプなんだけれども、センサーはかなりバカでかいやつが付いてるはずで。地球の写真とかも撮ってくれたわけじゃないですか。一見、昔アポロが撮ってくれた地球の写真よりも写りがイマイチっていうのがけっこう出てたんですけども、ちょっと考えてほしいのはアポロの時は昼間だったんですよ。昼間で普通にISO64ぐらいのカメラでじっくりと地球を捉えた上で、
山路:長時間露光か、
小飼:しかもけっこう特別なカメラで、ハッセルブラッドという、今時の人は知ってるかどうか、
山路:知らないですね、
小飼:アメリカの超高級なカメラです、70ミリフィルムで撮ってるんですよ。35でなくて。
山路:映画館でも使われてないようなやつを使ったんですね。
小飼:に対して、今回のアルテミスの地球の写真というのはNikonのセンサーはたぶん1インチでしょうね、やっぱり横部分がずいぶん少ないんです。だけれども、ISOいくつだと思います? びっくりした(笑)、
山路:もう数千とかですよね、えっ、
小飼:51200、
山路:そんな規格ちゃんとあるんだ、
小飼:とんでもない、今時のやつはその10倍のISOでも撮れます、だからじつはそれをISO100ぐらいにすると、ただの真っ暗な画面なんです。だから人間の目ではああいうふうには見えない、じつは。
山路:なるほど、なるほど。あとはなんか乗務員はiPhoneも持って行った、みたいなこと書いてありましたね。
小飼:そうそう、支給らしいです、NASAからの官給品らしいです、
山路:iPhoneの、17 Pro Maxがなんか、
小飼:17 Pro Maxが、四人全員に配られて、それぞれバシャバシャやってくれという。
山路:それは最強のプロモーションになってしまってますな。
小飼:けっこうこれはすごいなと思ったのは、アルテミスは当然宇宙で中継された上でヒューストンと通信してるわけですけれども、宇宙間通信っていうのがもうすでに光になっているという、O2Oだと。
山路:それっていうのは人工衛星がとロケットの間でレーザー通信を行う、
小飼:そうなんですよ、
山路:動いてるやつを狙いながら通信してるわけですよね、つまりは。
小飼:そうです、地球の写真も乗組員のライブ中継とかっていうのも、もう余裕でやり取りができると。ただ400Mbpsっていうのはちょっとおとなしすぎる数字だなとは思った。スターリンクの1契約と同じくらいですかね。
山路:なんとかNetflixも見ようと思ったら見れるくらいな、
小飼:それはぜんぜん余裕、
山路:他の用途にも使わなきゃいけないからけど(笑)、
小飼:だから一般家庭であれば、100メガあれば本来十分なはずなんです。なのにうち10ギガ契約してるけど(笑)、本当に便所の100ワット感は半端ない、
山路:便所の100ワットって言い方も懐かしいですけどね(笑)、
小飼:1ギガあると、たとえば仮想マシンですとかVMイメージですとかコンテナーとかをアップしたりダウンしたりするのも苦になくなりますし、小さめのAI、LLMのモデルであったら数十ギガバイトのオーダーですし。最近のゲームのでかいやつっていうのはそれくらいあるんだよね。
山路:もう数十ギガとかあったりしますよね、
小飼:Microsoftのフライトシミュレーターが100超えてるんじゃなかった、
山路:新しいやつはちょっと小さくなったんですよね、分割ダウンロードみたいな感じで(笑)、
小飼:10ギガとかあると、それすらあんま気にならなくなるんですよね。
「月の裏側から通信するにはどうすればよい?」(コメント)
山路:って、今回は月の裏側からはできてないんじゃないかな、
小飼:できてないです、
山路:通信途絶してますもんね、
小飼:それはもうアメリカの事例でも、旧ソ連の事例でも、中国の事例でもブラックアウトというのはそれは仕方がないなという。
山路:月の衛星軌道上に人工衛星を置くみたいな話になってくる、
小飼:その通りです。だから中継すればOKですけど、今のところは中継までコストをかけられないということですね。本当は月の、じつはですね、月は裏のほうが価値があるんです。
山路:鉱物資源の文脈でってこと?
小飼:何でしょう?
山路:太陽の観測とか、太陽以外の宇宙空間の観測とか、
小飼:じゃあ視聴者の皆さんにもクイズとして今の、なんで月は裏のほうが表よりもおいしいんでしょう?