あまりに疲れていたので、正装のコーディネート以外、何も考えられなかった。しまった。と思ったのは、会場入りしてからだ。
僕を会場でアテンドしてくれたのは、NHK出版のノリ・田中という男で、もちろんこれはあだ名というか、つまり彼はペンギン音楽大学の卒業生なのだが、2メートル近い長身で、全体にボワンとした印象なのだが、デキる奴である(彼は「爆笑問題のニッポンの学問」からの付き合いである。つまり、相当なやり手だ)。
なので、移動しながら、彼に小声で
「あのさ、受賞したらスピーチが1分って、ここ、書いてあるんだけど、2分やったら強制退場させられたりする?」と聞くと「いやあ、先生だったら2分ぐらいは、、、、」と言ったので、僕は「そうお?」と確認してから、猛烈なスピードで脳内で草稿を書いて、実際に「受賞作は、、、、、<国宝>」と告げられる一瞬前まで、脳が破裂するのではないかというほど、何度も何度も反復していたのだった。
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