「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2026年7月7日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2026年07月21日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2026-07-07配信のハイライト
- 「一度は見るべきだが二度と見たくない」映画
- 価格改定のお知らせ
- 円安とインフレ、Z世代と社会主義
- 全東信破産の影響
- X Moneyと少額送金、アメリカの小切手文化と定額小為替
- メキシコ湾流でヨーロッパは温暖化? 寒冷化?
- 「USBメモリとセキュリティ意識」と「ロシアの軍事情報ダダ漏れ」
- ホウ素バッキーボールの可能性から『ガンダム』
「一度は見るべきだが二度と見たくない」映画
「『ゆきゆきて、神軍』は観ました?」(コメント)
小飼:いきなり『ゆきゆきて、神軍』が来たかという、いや、すごい作品です、これは。僕は前世紀に見ました(笑)。で、今YouTubeに上がってるというのは知ってます。
山路:無料で、
小飼:無料で。一度は見てほしい。けれども、二度と見たくないという、そういう類の作品ってあるじゃないですか。まさにそれですね。
山路:ほー(笑)、ほうほう。
「俺も大阪の小劇場で見た」(コメント)
山路:というコメントが。これ、ちなみにジャンルは?
小飼:戦後史になるのかな。神軍というのは皇軍です。スメラギの軍と書く皇軍のことです。要するに大日本帝国軍のことですよね。こういう作品って本当に一度は見ろ、でも二度と見たくないっていうのはやっぱりいっぱいあるんですけれども(笑)、どれくらい凄まじい作品かっていうと、以前紹介したよな『アクト・オブ・キリング』という、インドネシアの虐殺のドキュメンタリーなんですけれども。いや、これ別種の凄まじさがあるよね。じゃあちょっと待ってください。いちおう、これリンクじゃなくて、
山路:それは『ゆきゆきて、神軍』のリンク? ではなくて?
小飼:ではなくて、べつに「The Act of Killing」っていう、これも凄まじい作品があって、どう凄まじいかっていうと、インドネシアという国はスカルノというかなり共産主義的なリーダーが独立を勝ち取ったんですけれども、日本に占領されていたオランダ領だった部分というのを日本が敗戦して国として滅んだことによって、オランダがもう一度領土権を主張しようとしたんですけれども、いや、我々は独立するって言って独立したのが国の父、国父のスカルノだったんですけれども。かなり左寄りだったんです。アメリカとしてはこれは気に食わないということで、右派革命も起こしてたんですよね。だからこれがスハルトです。で、その時に大虐殺をやったんですけれども、その大虐殺をやった人たちというのはルワンダの虐殺の時と同じで、本当にその辺の村人だったんですよね。
山路:ツチ族フツ族的な?
小飼:そうそうそう。で、その辺の村人たちに武勇伝として映画に出ませんかと。
山路:ええーっ、それはすごいですね。
小飼:なかなか、よくこの企画を思いついたなというので。で、武勇伝を語らせてるうちにもしかして俺たちヤバいことしちまったんじゃね? っていうのに気づかせるというね。いや、だからこんな手法があるのかという、ヤバいでしょ。
山路:ヤバいですね(笑)。
小飼:でもね、『ゆきゆきて、神軍』はそれにヤバさで劣らないというのか、ある意味もっとすごいかもしれない。何しろ、戦争犯罪を糾弾するのが一個人なんですよ。本当に奥崎という一人のおじさんなんですよね(笑)。
山路:ちょっとそれはなんか心が元気な時に見ないとダメそうな感じですね(笑)。
小飼:たぶん金曜日に見ると、月曜日に起き上がれたら御の字みたいな(笑)。
山路:そうか(笑)、
小飼:『アクト・オブ・キリング』もそうだね。
山路:うわー。
小飼:いや、だから世界にはこういう惨劇がまだあるんでしょうね。で、たぶん中東にはこういう話がまだザックザクあると思うんで。
山路:ということでいきなり『ゆきゆきて、神軍』の話から始まりましたが、
小飼:いやー、これはちょっと、ほんとにわざとなんでしょうか、
価格改定のお知らせ
山路:ということでいきなり『ゆきゆきて、神軍』のところから始まったんですけども、その前にちょっとですね、あまりよろしくないニュースのお伝えするというところもやっておかなければならなくてですね。えーとですね、
小飼:価格改定、これ値上げですよね。
山路:ニコニコチャンネルに続きですね、YouTubeのほうでも値上げということになりましてですね、現在590円のYouTubeメンバーシップの料金が8月1日から790円になりますと。ただ7月中に入会した方は590円で当面、この当面というのがよくわからないんですけども、いつまでなのかということが明言されてないんですけれども、当面は590円で見ていただけると。8月1日以降入会された方は790円になるということですね。あと前々から言っているテキストをニコニコ以外でも配信するということも今考えておりますので、またこのあたりはっきりしましたら、ご報告させていただきますということで。ニコニコに続きYouTubeも、これをみんなインフレが悪いんやと言ってしまって、
小飼:いや、円安ですな。あのさ、本当にApp Storeの1ノッチが80円だった時代ってあったんだよね(笑)。
山路:この目盛りというか刻みがって、
小飼:そうそうそう。だから1ドル刻みなんだ、1ドルというのか99セント刻みなんだけれども、これを他の国の通貨にする時というのは割とその時のレートに。今だと確か160円で済んでるのかな? でも今160円超えちゃってるじゃない。もっとヤバくなるのかな? それはとにかくとして、ちょっとごめんなさい、そこに関しては我々の不可抗力なので。いや、ガリガリ君が値上げされた時のように我々が眼首を並べて頭下げるべきなのかもしれないですけれども。
円安とインフレ、Z世代と社会主義
「円安を何とかする方法はない?」(コメント)
小飼:だからとりあえず今のだから政権はどうにかしなければいけないよな。
山路:しかしこの積極財政とのバランスってまだよくわからないところがあるんですけど、
小飼:いや、だから「どこに」なんですよ、どこにお金を投じるべきかというのはもう答え出てるんですよね。一番お金を持ってない人たちにです。お金を持ってない人たちというのは減税してもしょうがないんですよ。
山路:収入がねえんだから(笑)、
小飼:収入ゼロ円に税率、たとえば仮に99パーセントだとしても取れないわけです。ですが、じつはそれで取ってる税金も、税金というのか、税プラス社会保障っていう言い方をしますけれども、要するに国が召し上げる、国というのか政府が召し上げるお金ですね、地方自治体も政府なので。社会保険というのは具体的に国保とかっていうのは、人等割というのがあります。要は日本国の住人で息さえしていれば払え、というのがあります。大した金額ではないんですけれども、確実に請求されるんですよね。東京都だと月4000円いくらだったっけな、なんですけれども無一文であっても、都民であれば請求が来るお金ですね。そういうのがあるんです。じつは所得税にはそれないんですよね。一定の金額を下回ると免除になるんですよね。だから、その分社会保障のほうが厳しいんですけれども。まぁでもそれはともかく、とにかく税率を下げるというのは貧民には届かないので。貧民に一番届く方法というのはお金を直配りするということ。これが配る方にとっても一番安いんですよね。
山路:これしかし、よく言われるのがそうすると財政的に、
「生活保護受給者も」(コメント)
小飼:その通りです。
山路:4000円の話ね、
小飼:その通りです。
山路:これ、給付をするということになるとまた国債を発行するみたいな話もなってくるわけじゃないですか、とりあえず。
小飼:なしでもできるんですけどね。
山路:それってただまた円安を加速させる方向にもならないんですか?
小飼:短期的には日本経済が物品の裏付けなしに膨らんでしまうので、そうなんですけれども、それによってじつはいろんなコストが安くなるんです。でも、皮肉にも一番安くなるコストというのは、あなた本当に貧乏ですか? というのをいちいち判定する、こういうテスト、ミーンズテスト(資力調査)と言いますけど、この手間がなくなるんですよ。安いんですよ、タダで金配るというのは。かつては本当に均等にバラ撒く方法というのがなかったんですけれども、均等なバラ撒きが可能というのは、いみじくもパンデミックの時で成功したわけですよね。個人に関してはほとんど詐取したケースというのはないんです。会社だとあるんです。個人に対して10万円配るっていうのとほぼ同時期に、法人や事業者に対して100万円200万円を配るというのがあって、ここでカラ法人を作ったり、あるいは法人登記すらしてなくて「こういう事業をやってます」というのをやって申告して、
山路:そんなやつもいたんだ(笑)、
小飼:いたというのが、今でもゾロゾロ出てきている、
山路:けっこう今、しょっぴかれてるやつ多いですよね、持続化給付金ですよね、
小飼:そうそうそう。どんな個人、どんなクズ、クズっていう言葉もあれですけど、であっても日本国の住民であれば、そう日本国民でなくてもいいです、要は要件としてはマイナカードを受け取る資格がある人ですね、持ってなくてもいいです、個人番号を発行されている人ですね、には10万円配りますというのを本当にやって、できたわけですよ。意外とコスト低かったんですよ。
山路:ポイントとかで配るよりもね。
小飼:そうそうそう。1億2000万件以上配ったにもかかわらず。
「総理トークンで支給するか」(コメント)
山路:って(笑)、
小飼:ははは。
山路:時事ネタですね。
小飼:どこの? Palantirとかの?
山路:なんか最近話題になってますよね。
「クズとカスってどう違うんだろう?」(コメント)
小飼:あー、これちょっと考えさせて下さい。リサイクラビリティかな?
山路:あはははは。
小飼:前者の方がリサイクラブルな感じがするよね。カスっていうとクズを再利用できるだけして、それでも残ったのがカスっていう感じ、
山路:酒粕とかなんかになるとすごい体に良さそうな感じして、私は好きですけども。
「物価も上がっている現在、生活保護の金額も上げるべきでは?」(コメント)
小飼:理屈では上がるはずで、上げませんっていう風に政府が言ったら、それというのは憲法24? 25? 25ですね、条違反だって言ってて、これもう違憲判決出てるんです。だから、みだりに下げちゃいけないんです。
「為替介入した金額で国民一人10万円配れるんじゃね?」(コメント)
山路:って、ただ為替準備金ってそんなふうに使えるっていうものでもないんじゃないですか?
小飼:あくまで帳簿上の存在なので。
小飼:なんていうか、結局変わった時にまたこうやり取りというか、行き来してやっていくこと前提のお金なわけですよね。
山路:そうなんですよ。実質上、国同士の取引なので。もちろん10万円の代わりに1000ドル配るとかっていう方法もあるんですけれども。そうやって外貨を使い続けるとアルヘンティーナ(アルゼンチン)みたいに、自国の中央銀行に裁量がまるで残らない。
小飼:まさにコメントで、
「いっそのことをドルを法定通貨にしたらいいのでは?」(コメント)
山路:まさにそういうことですよね。
小飼:いや、だからアルヘンティーナになりたい?
山路:二つ法定通貨を持とうとしたって、それはうまくはいかんですよね、当然。
小飼:不可能ではないし、実例はあります、
山路:あるんですか、そんなの、
小飼:だから香港dollarです。人民幣ではないです。もちろん今の香港では、今でも日本円は受け取ってもらえると思います。基本的に香港dollarが国というのか、自領域の通貨であ、レンミンビー、人民元も受け付けると。
山路:でも、仮にドルと円を法定通貨にしたところで、それって結局ドルに寄っていくだけなんじゃないのって思いますけど。
小飼:そうです、はい。そういうのを複数用意すると、一番受け取ってもらえる通貨に寄ってしまうんですよ。
山路:なるほど。
「非課税世帯がちょっと羨ましい」(コメント)
山路:いやいや、そこは羨ましいがっていけないでしょ、
小飼:非課税世帯といえども、国保と年金はしっかり徴収されるんですよね。だから本当にじつは逆累進のところっていうのはそこで。僕は常々社会保障と所得税を分けるというのは悪手で、これは統合した上で累進課税するべきだっていうふうにずっと言ってきたんです、逆累進なので、はっきり言って。かなり重いんですよ。本当に課税リミットギリギリぐらいの家庭にとっては。
山路:本当、生活保護とこのギリギリのところが一番きついっていうのが、
「資産があっても所得がないければかなり非課税」(コメント)
小飼:おっしゃる通りです。僕もそういう時期はいちおうあります。辞めたての時というのは丸々1年、本当に原稿料ぐらいしか収入がなかった頃があって。
山路:じゃあちょっとですね、最近の、ごく最近の今日の話題なんですけど、ワールドカップ、弾さん見てますか?
小飼:えーと追ってはいますね、見てるって言ったら、それはね(笑)。
山路:私も見てはいなかったんですけど、アメリカ負けろと今日は思っちゃいましたね(笑)。
小飼:全世界がそう思ってたはずです、全世界が(笑)。レッドカード出したらトランプカード出したっていうのはこれ受けすぎだろ。っていうのかさ、ここまでアメリカをgreat villainにしなくてもいいよねと。
山路:アメリカ選手も愚弄してるじゃないですか。
小飼:いや、その通りで。本人(バログン選手)も困惑したんじゃないかな、あれは。単に負けたというのではなくて、4:1でしたっけ、はっきり言ってサッカーで3点差というのはもう粉砕されたっていうのも当然ですからね。
山路:相当ミスが目立ったみたいなことが言われてましたけど、やっぱり精神的な動揺もあったのかもしれないですけどもね。
小飼:ちなみにアメリカは知られざるサッカー大国で。プロスポーツとしてはイマイチなんですけども、NFLですとか、MLBですとか、NBAですとかっていうののずっと後ろなんですけども。見るスポーツじゃなくて、普通のその辺の人がやるスポーツなんですよ。
山路:へぇー。
小飼:だから子供に一生懸命サッカーをやらせる、母親はサッカーマムという言葉があるぐらいです。
山路:そこはサッカーというんだ、フットボールじゃなく。
小飼:そこはサッカーというんですよ。フットボールじゃなくて。アメリカだとフットボールというのはアメリカンフットボールのことになっちゃうので、アメリカで真に足だけを使う、全世界共通のフットボールというのはアメリカンフットボール、ごめんなさい、サッカーというふうに言っちゃいますよね。
山路:Apple TVでもアメリカでは確かプロリーグの試合、配信してましたよね。
小飼:でも、日本でもサッカーなんだよね、日本でも。でも日本はどっちもほぼ同じ意味だから。アメリカンフットボールというのはアメフトというふうに、
山路:これはなんかトランプがFIFAの会長に電話をしたそうなんですけども、
小飼:いやいや、だからここまでFIFAも腐ってるとはね。
山路:でも、だからといってFIFAから抜けられないっていうところの足下見られてる感はありますわな。
小飼:(コメントを見ながら)あー、うーん。で、今どこが残ってるの? まずベルギーが残ったよね。
山路:ブラジル負けたんですよね。
小飼:ブラジルは、そう、だからノルウェーも残ってるよね。
「IOCよりマシだと思ってたら残念でした」(コメント)
山路:って感じですね(笑)。
小飼:すげー腐り具合だよね(笑)、
山路:弾さんもサッカーのルールに関してはファンだって言ってたじゃないですか、サッカーのルールをちゃんと良くしてこうってする姿勢に関してはファンだって言ってたじゃないですか、
小飼:いや、ダメだ、FIFA腐りすぎだわ(笑)。なんだあれ(笑)。
山路:しかも誰得な感じっすよね、
小飼:誰得だよ。いや、恩赦って言い方は正しいのかどうかわかんないけれども、もう大いに困惑してたよね。まぁでも徐々にではあるけれども、どのスポーツの世界でも、人間のジャッジメント、アンパイアというのは不公平だというのは人間である以上、仕方がないので機械化できるところは徐々に機械化していきましょうっていうふうになったわけじゃないですか。そこは歓迎ですよね。今回はあれか、日本はそれで一点取り損ねたんでしたっけ。
山路:線上にボールがあった、ない、みたいなそういうやつ、
小飼:そうそうそう。前回のカタールの時はそれで1点もらえたんですよね、三笘が。でも今回三笘が怪我で出れなかったんだよね、これはまた残念だったんだ、蹴るとこ見たかったね。それは置いておいて、ベルジャンとノルウェーと、あとどこだ?
山路:ちょっとじつはそんなに追ってなかったんですけどね、私は(笑)。アメリカのことに集中しすぎちゃって。
小飼:さすがにカードの件は、もうもうもうあちこちにAI生成のやつが上がってたので(笑)。でも、あのレベルだとはAI生成するまでもないんだよね。
山路:こういうトランプの振る舞いが影響したんかどうか知らんけど、アメリカのZ世代はもうどういう主義を好むかっていうアンケートに対して、社会主義が一番になっちゃったっていう。
小飼:いや、ここでけっこう社会主義とは何か、共産主義とは何かっていうので、ごっちゃになってるんですよね、全世界的に。
山路:あとトランプは絶対知らないですよね、何が社会主義とか共産主義とか(笑)。ここのところで社会主義、もう過半数が一番好んでるみたいなことで挙げてるんですよね。アメリカのZ世代が。すごい時代になってきたなと思ったんですけど、これってべつに彼らは何ていうのかな、私有財産の禁止とかを求めてるわけではぜんぜんないですもんね。
小飼:ぜんぜんない、ぜんぜんないけれども、そもそも社会保障という言葉は、ねえ。そう、アメリカで基本的なIDって何でしたっけ?
山路:基本的なID?
小飼:そう、だからアメリカに住むと番号をもらうわけです、
山路:SSN?
小飼:そうです、Social Security Number。だから社会保障番号なんです。じつはすでにして社会主義の国なんです。
山路:100パーセント社会主義的要素がない国なんて、今ないんじゃないですか?
小飼:というのか、だから困った時にはすぐ社会主義というよりも、政府に泣きつくというのが、ここ100年以上の資本主義の特徴でもあるんです。だから、もし社会主義的システムというのが政府になかったら、一番困ってたのは資本家なんです(笑)。