「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします。なお、有料のYouTubeのメンバーシップでは、無料部分だけでなく、限定部分の配信もご覧いただけます(YouTubeメンバーシップでは、テキスト配信はございませんのでご注意ください)。
今回は、2026年6月23日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2026年07月07日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2026-06-23配信のハイライト
- 「SpaceXのふざけたIPO」と質問「アメリカ大統領選」
- 外国株式取引での税の解釈
- 「円安の行方」と「戦争で負けない確実な方法」
- 「AIの危険性と扱い方」と「所有権と経済」
- 「エージェントのガバナンス」と「富の再配分と公社」
- 「エウロパに生命が到達?」と「起きたまま睡眠」
「SpaceXのふざけたIPO」と質問「アメリカ大統領選」
山路:どうしますかね。今日、とっぱじめからゼニの話からとりあえず行ってみますか? ちょっと(笑)、
小飼:どのゼニなの?
山路:SpaceXの株がIPOしたということが世間で話題だったじゃないですか、
小飼:まぁでかいですね、これは。
山路:私も流行りに乗らなきゃいけないかなということで抽選に応募してみたんですよね。
小飼:いきなりtrillion dollar dealが来たよね、
山路:そうそうそう。いちおう当たったのは当たったんですよね。ただ当たったのが4株だけという(笑)、金持ちの子供のお年玉くらい。
小飼:まぁでも当たったならいいじゃないですか、
山路:記念にしばらく持っておくかみたいな。すでに価格ぐわんと伸びた後、またガーンと下がってきて。
小飼:そうですね、
山路:まぁなんか普通かな、みたいな値段に今落ち着いてるんですけど、
小飼:まぁよくあるパターンかな。
山路:ちょっと縁起物というかね、流行りに乗ってみました。
小飼:縁起なのか?
山路:(笑)、
小飼:あのさ、いや、ここまでふざけたIPOっていうのはないね、本当に。
山路:目論見書がひどいと、
小飼:でも、その前にやったことだよね。具体的に何を指すかっていうと、xAIを無理やりくっつけたことだよね。将来はAI事業というのがむちゃくちゃ伸びると、どれくらいむちゃくちゃ伸びるかというと、もうアメリカのGDPぐらい伸びると。なわけねえだろ! バカ! いや、まともなIPOという可能性はあったんですよ。そういう無駄くそなことをしなければ、Starlinkはちゃんと利益を上げてるっていうのは目論見書にもありましたよね。それだけでちゃんとしたIPOができて、しかも宇宙産業で、かつ宇宙産業でもはや政府の補助金に頼らなくても、初期はSpaceXとて補助金をどっさりもらってやって、今ももらってるのかな、でもここまで来ればもう補助金なしでもやっていけるというレベルまで来て、それであれば僕も正当に評価して、IPO待ちでなくて、もう今は上場してるんで普通に市場で買えるので市場で買ってたかもしれないけれども、xAIを無理やりくっつけたというのは許せん。そう、無理やりくっつけたおかげでスペースデータセンターみたいなクソ意見も出てるわけですけれども。Starlinkは本当に衛星持ってないとできないビジネスなわけですよ。
山路:ちゃんと必然性があるということですよね、
小飼:必然性がある。だけどデータセンターを宇宙に持っていく必然性っていうのはあんまりない。
山路:しかし、ここのところであえて擁護してみるなら、今後、そういう宇宙データセンターなんかの使う衛星の運用とかが変わってきたら、どうします? それこそ数年ごとにもう落として使い捨てみたいなのにしちゃう運用とか。
小飼:もはやそうなると、環境問題でダメだろうと。SpaceXのようなLEO、Low Earth Orbit、低軌道を使うサービスでさえ、じつは環境問題ではギリギリのところまで来ている。どういうことかというと、当然衛星には寿命があります、衛星に限らないんですけれども、物理的な寿命ですね。何度かこの番組で話しているように基本、衛星の寿命というのは餓死なんですよ、燃料が切れたらおしまい。
山路:軌道変更できなくなっちゃってっていう、
小飼:その前に来るものもあって。Starlinkの衛星とかというのはまさにそうで、要するに技術的に陳腐化する。これを経済的寿命と言います。要は16ビットでやってたものというのが32ビットのやつが出て、これはまだ他の寿命が残ってて、物理寿命が残ってても経済的にはobsolete、いずれにしても寿命は来ます。寿命が来た後どうやって成仏してもらうか。当然成仏してもらうわけですよね、軌道にそのまま残してたら、もう単なるスペースデブリになってしまう。じつはそういう衛星もけっこうあります。でも、それは置いといてまともな運用では寿命に来た衛星というのはちゃんと成仏してもらうわけです。どうやってやるんでしょう?
山路:地球に落とす。
小飼:そうなんですよ。これ、いちおう二通りありまして、どの軌道にあるかというのによっております。一番エネルギーを使わない方法で成仏してもらうんですけれども、静止軌道ぐらい地球の重力井戸から遠い場合というのは、地球の外にやっちゃうほうが経済的なんです。
山路:へええ。
小飼:静止軌道あるいは墓場軌道というのに入ってもらいますね。
山路:他とぶつからなさそうな軌道、
小飼:そうそうそう。かつ遠いので、隙間だらけっていうこともあるんですけれども。地球に近いほうの軌道というのは混んでますし、密度も高いので地球の大気に始末してもらいます。なんですけど、当然地球の大気に始末してもらうというのは、地球の大気がそれだけ汚れるということでもあって。この方法での始末というのは、今はもうギリギリでStarlinkの目論見書に書いてある、要はラック1本分の電力で1個のデータセンターサテライトを動かすというやつというのは、2桁多いんですよ。もはや大気に始末してもらうというのが成り立たなくなる。
山路:LEOだと特に燃えにくいみたいなこともあるんですかね。
小飼:それはない。でもいっぱい燃やせば、大気上層の組成が変わるわけです。基本、衛星のコンポーネントのほとんどというのは金属でできてるので、もともと地球の大気というのはそんなに金属なかったんですけれども。
山路:増えるとどういう影響が出るってわかってるんですか?
「山路さん損切りしたくなった」(コメント)
小飼:っていうか、4株であれば4株で135ドルの、150ドルの初値で、まあ今初値近くまで落ちてるのかな、いや、それはもう適当にあれでしょ。
山路:記念のやつとして持っとけば(笑)、
小飼:としてもいいし、売り値を設定しておけば、4つっていうことはあれか、初値の4倍になればサープラスが出るわけですね。
山路:弾さんの売り方ね。
小飼:そうそうそう、
山路:タダでもらった水準になるようにする。
小飼:同じ塩漬けにするにも、ただでもらった状態にしとくという。というのも、まぁでも4株ではな、4株では、
山路:そこから100倍になっても高がしれてるっつーか(笑)。でも、これってしかし、なんていうか、かなりやっぱり無理的な感じなんすかねっていう(笑)、
小飼:どうなんだろうな、
山路:つまり運用が変えられるというのは一つあれだったりもするんだけど、
小飼:ハイプだけで儲かる儲からないという話でなくて、実態が伴うところまで持っていけるかどうかですよね。たとえばAmazonもずっと赤字を垂れ流してましたけど、今は本当に実態として儲けが出てるわけですよ。たとえ配送員にペットボトルにおしっこさせたとしても、しつこいな(笑)、ちゃんと確実な儲けが出るようになったわけですよね。
「Grokに競争力はあるの?」(コメント)
小飼:まぁそれですな。Grok自体はねー。
山路:それこそ今GoogleとかAnthropicに貸し出してるみたいな状態じゃないわけじゃないですか。
小飼:要するに使いこなせてなかったっていうことですよ。
山路:今日もまた別の会社とそういうふうにGPU提供するみたいな話を聞きましたけどね。
小飼:まぁでも、そのままでも勝負ついたっていうのには程遠いっていうのも、Google DeepMindから、
山路:重要人物が、
小飼:人を引っこ抜きまくられてますからね。
山路:トランスフォーマー8、トランスフォーマーの論文を書いた8人のうちのほとんどの人も出ちゃったんですけど、残ってた人が会社作って出たのを4000億円で買い戻したんだけど、結局その人っていうのはまたGoogleから出ちゃってOpenAIに行ったという。DeepMindのほうでノーベル賞を取った人はAnthropicに行っちゃったという。
小飼:もちろん最重要人物のデミスはまだいるけどね。
山路:デミス・ハサビスは、
小飼:でもデミスを引っこ抜くっていうのは……いや、でも不可能ではないよな。
山路:怖いことを言うな(笑)、いくら積めば動くんだろうな。なんかスパチャいただきました。
小飼:ありがとうございます。質問付き? 質問付きであればやっぱり優先的に答えさせていただきます。
「こんばんは、2028年アメリカ大統領選挙でサンダースのプログレッシブ路線を継ぐ有力な候補は現れると思いますか? マムダニさんは立候補資格がない? AOCは熱心な左派以外の支持を集められるか微妙です」(質問)
小飼:いや確かにDEMにはこれといった候補はないですよね、
山路:DEMって民主党のことですよね。
小飼:意見の正しさとか、過激さとかを抜いておいても、サンダースはさすがにちょっと年を取りすぎてますし、逆にAOCとかはまだ若すぎると見られると思いますね。
山路:なんかちょっと前にブティジェッチさんとか話題になりませんでしたっけ?
小飼:大統領候補としてはどうですかね。もう一度ハリスを出すという意見もあるけど、
山路:もう一度ヒラリーとか(笑)、
小飼:いや、それ、トランプと同じ、年上じゃなかったか、
山路:そうかそうか、もうそんな歳か、
小飼:とてもいいお歳ではある。というのか、そろそろアメリカですら、二大政党制というのはもうダメなんじゃないかという意見もあるんですよね。もう、いわゆるインディペンデントという、どっちにも属さないと、ブルーでもレッドでもないという人たちが増えているので、3分の1はそういう人たちだというわけです。
山路:これってアメリカの選挙制度がっていうよりは、普通の人々の意見というのを二つにもまとめるのが無理ということなんですかね、そもそも。
小飼:二大政党制の元祖であるところのイギリスがもうUKがあのていたらくなので。
「日本の衆議院が比例削減で改悪されようとしてる」(コメント)
小飼:その通りなんですけれども、中選挙区制に戻すべきだよな。というのか日本の政治のありようとしては100パーセント比例代表にしちゃうほうがいいと思う。欧州みたいに。
山路:小選挙区制の失敗だったみたいなことなんですかね、結局。あんまり合ってなかったというか、
小飼:小選挙区制の怖さっていうのはひっくり返る時にはひっくり返るからね、ハンガリーみたいに。マジャールみたいに。いや、でも日本の衆議院が比例削減で改悪されようとしてるというのは、維新の会みたいにドマイナーの、これが連立与党のヤバいところなんですよね。割と公明党もせこくヤバいことはしてきたわけですよね、商品券みたいな。それよりもまずいところと連立しちゃったので。
山路:なんというのか、維新ってじつは全国政党ではないような、言ってることが。
小飼:ないよ。関西ローカル、はっきり言って。
山路:日本の国政を考えてるっていう感じじゃないような気がするんですけどね、なんとなく印象として。じゃあちょっとSpaceXの話に戻るんですけど、これってIPOで株買ったんですけれども、
小飼:当たったと、100株申し込んで、
山路:でも当たったって、もらったわけじゃないですかね(笑)、当たったって自分で買ってるんですからね。それでちょっと面白かったのが証券会社によって決済方法が違ったりするんですよね。SBI証券は外貨を預り金に置いておかないと買えないよって言われて、楽天証券は円貨決済なんですよって言われて。
小飼:っていうのか、円貨でないとダメ、
山路:そうそう、ダメだったんですよ。なんかすごい不思議ですよね。なんかこれって何か税金みたいなことで後で変わってきたりとかするみたいなことがあるわけじゃないんですよね。
外国株式取引での税の解釈
小飼:いうのでちょっと恐ろしい判決が出たというのか、最高裁で確定したというのを、この番組にもゲストでおいでいただいた、たぶん日本で一番有名な公認会計士であるところの山田真哉先生が見つけて、え、大丈夫? みたいな警報を。
山路:これでいいのかな、URL、リンクだけ、なんていうタイトルだっけ、とりあえず山田真哉先生のURL、
小飼:YouTubeの番組ってやたら長いタイトルがついてることが多いんですけれども(笑)、
山路:すいません、タイトルがちょっと思い出せなかったんで、とりあえず山田真哉先生のURLということで出しましたが(笑)。ここで語られるというのは結局どういうことなんですか?
小飼:たとえば外貨で株なり投資信託を買いましたと。値上がりしたので利確しましたと。利確した時点ではまだ外貨のままですと。この時点では税金かかりませんよね。まだ日本円になってないので。今までの常識というのは、じゃあ外国株投資信託、要するに証券の取引における利益確定というのはどの時点を指すのか。
山路:株売った時かと思ってましたけど、そうじゃなかったんですか。円に戻して、初めて確定なんですか、今までの常識は。
小飼:というのが、今までの常識だったんですよね。はい、それでドルが手に入ったとするじゃないですか、それを再投資しようとするじゃないですか。
山路:しかし特定口座だったら、もうその時点で源泉徴収されますよね、
小飼:源泉徴収されますね、特定口座の場合は。それが特定口座のいいところなんですけど、今までも特定口座の運用というのは、あくまでも円建てで取引される商品が対象であり、株であろうが、投資信託であろうが、確実に円で払い戻される以上は円で決済できるし、してるし、なんですけれども、外国株の場合というのはどうなるのか。日本の証券会社であれば特定口座というのがあるので、外株で払い戻されて、さらにそれもたぶん楽天証券の場合、自動的に円転すると思う、でもドルのままに置いておく証券会社っていうのも少なくないと思います。
山路:でも楽天はドルのままで、っていうか普通はドルのままのはずですけど。
小飼:そうなんです。
山路:預り金ドルで、外貨のまま置いておくもんですけど、
小飼:じゃあ特定口座でそれやった場合というのは、いつ税金取られるの?
山路:あれ、その時に売った時ので引かれてんじゃないの、
小飼:特定口座というのはあくまでもそこにある資産というのは円で見てるんですよ。
山路:じゃあ円でその時に取られてるってことなのかな、
小飼:円であれば、その時に取られるはずです。さらにここで問題は別に取引口座というのは日本のものに限らないわけですよ。で、その場合っていうのはいつ?
山路:円の価値で測るんじゃなくて、円に戻した時に初めてかかる、どっちにしても。
小飼:と思うでしょ。ところが外貨のままでも、利益確定した場合というのは利益確定した時点の価格でやりなさいよと。たとえば1ドル100円の時に、100ドルでその証券を買いましたと。これが分かりやすく倍になったとして、200ドルになりました。これを売却して100ドルの売却益を得ました。ただ100ドルのままだったら、税金かからないと思いたいところなんですけども、じゃあ100ドル分払いなさい、なのか、これは100ドルではなくて1万円払ったので、倍になったので、1万円に対して2割の税金を払いなさい。それとも今160円なので1万6000円に対してなのか。1万6000円だというのが判決だった。
山路:最高裁で確定したと、
小飼:ただその最高裁も、いや、現行の法律を当てはめれば税務当局のクレーム通りなんだけれども、そういう税制を取ってる国というのはあまりないと。
山路:税制のほうがおかしいぞと。
小飼:税制の方がおかしいぞと。これを放っておくと、要するに日本の金融業に対してネガティブな影響をもたらすんじゃないかという懸念を最高裁が出してたという(笑)。なんだけど判決は判決なので、税務当局は大手を振るって調査をしてくるんじゃないかというね。特定口座にまでツッコミが入るのかというのは、でもツッコミを入れられると、特定口座なのに確定申告が必要であると。それ、特定口座の意味ねえやんという(笑)、
山路:それだったら一般口座で、みたいな話になりますわな。
小飼:なんで特定口座という、ある意味珍妙な制度が生まれたかって言ったら、日本の証券の徴収制度というのは、建前としては個々人なんですけれども、実態は口座を置いてある金融各社、証券会社であり銀行であり、なんです。徴収してるので。前にも言った通り、何がメリットかっていうと特定口座とか、あるいは税制の、2割固定じゃないですか、金融取引の譲渡課税というのは。銀行全体でまとめてできるんですよ、あなたの銀行、あなたの証券会社には100万人いますけど、その100万人分まとめた金額というのが国庫に入るわけです。まとめてるっていうのはポイントです。個々人のはどうでもいいんですよ。それが特定口座ということです。に対して、一般口座というのは個々人が確定申告するわけです。で、けっこう申告漏れってあります。あるいはアクティブに脱税してるとかっていうのはあるんですけれども。
山路:これってじゃあ、今回の最高裁の判決って確定はしたんですけれども、
小飼:いつ税金を払わなければいけないのかっていうので。日本円になった時というのが今までの常識だったんですけれども。
山路:これって影響が大きいのは一般口座で大きな取引なんかを頻繁に繰り返すような人とかが影響が大きくなる感じ?