「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2026年7月21日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年08月04日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2026-07-21配信のハイライト

  • 今季アニメの見どころと「ポピュリズムは愚かさを増幅する」
  • フィジカルAI、神田で飲み会してる場合か?
  • 「LLMが最適だとまだ決まったわけではない」と「メモリ下がるのは?」
  • 「AIブームはバブルかもしれない」と「AIによるソフトウェア書き換え」
  • 「ヤコビアン予想の解決」と「数学は単なるAI待ちの作業に?」
  • 「天皇の人権問題」と「スターシップはなぜ足を使わなかったのか」

今季アニメの見どころと「ポピュリズムは愚かさを増幅する」

山路:すっかり私もクールビズというか、ビズではないですけどもクールな格好で。

「今夜は月がきれいです」(コメント)

小飼:ビールクズになりたいところだけど、ビールないしね、

山路:なんかYouTubeのほうからスパチャいただいたみたいで、

「複利をわかりやすく教えてくださりありがとうございました」(コメント)

小飼:ありがとうございます。

山路:ありがとうございます。解説した時のお礼みたいなことをいただいたようです、どうもありがとうございます。

小飼:じつは複利の話というのはパイの次に有名な超越数eの定義にもつながってきまして。

山路:ちょっと(笑)ここで始めると長くなりそうなんで(笑)、とっ始めは今期見ているアニメみたいなところからいきますかね。

小飼:いや、けっこう濃いというのか、見ててつらい奴が多いのが特徴ですね(笑)、

山路:『ヤニねこ』つらいですよね、

小飼:あれは汚えだけだから、

山路:確かにね(笑)、

小飼:でも、あそこまで汚えの、まさに垂れ流してるという意味では。いやー、猫耳と尻尾つけとけば何でも許されると思ってるところがというのが、

山路:あれはなんかこう、メタファーとしてちょっと使ってるわけじゃないですか。

小飼:メタファーじゃないでしょ、

山路:メタファーっていうか、言ってみたら今の世の中でうまくいってない人のメタファーじゃないですか、

小飼:うまくいってない、

山路:獣人たちっていうのが、

小飼:いや、でも獣人とまぐわうとだから獣人が生まれるという仕組みじゃなかったっけ、あの世界っていう。

山路:あ、そうなんだ、

小飼:獣人のDNAのほうが強い世界なんです。いずれは人類はみんな猫耳つけるという世界なわけですよね。

山路:獣人って、でも確か医者とか弁護士にはなれないのか、いろいろ職業に制限があったりとか、苗字がないとか、

小飼:いずれその制限っていうのも耳なし人の人口減少でもって淘汰されていくっていう世界でしょう。

山路:そういう世界観の話なのか(笑)、

小飼:そういう世界観なんでしょうね、真面目に工作すれば。真面目に「考察」ですね、工作してはいけない話、失礼しました。僕も、

山路:暑さで舌がやられた(笑)、

小飼:滑舌をかなりやられているので。

「地元最高! のアニメを期待している」(コメント)

小飼:そうだそれ、でも、Netflixに入らないと見れないんじゃないか、うちも入ってるけど、Netflixは。で、まぁ見ますけれども。

山路:『地元最高! 』予告編見たけど、イカれてますよね。

小飼:いやー、そうね、『ヤニねこ』をさらに鬱にしたのが『地元最高! 』なので。でも(笑)、主題歌aikoっていうのは本当に、本当にあそこで人が膝がカックンとくる奴だったよね。あの人はなんであんな不協和音が似合うんだろうね(笑)。

山路:『アポカリプスホテル』の主題歌もやってましたよね。

小飼:そうです。

山路:あれ、初めて聞いた時は不協和音、気持ち悪いと思ったんだけど、ちょっと癖になるんですよね。

小飼:癖強いですね、あれは本当に。

山路:で、今期いろいろ豊作とか言われてるんですが、なんかアニメについてのコメント、

「最近のアニメ、コンプラが20年前に戻った作品が多い気がする」(コメント)

山路:あー、つまりなんていうか、きれいごとじゃない『ヤニねこ』とか『地元最高! 』みたいな、あんまりこう大っぴらにできなかったような話を書いてるってこと?

小飼:コンプライアンスのかけ方が変わったね。昭和にはそもそもコンプライアンスという考え自体がなかった、うん。昭和でなくて平成の真ん中あたりまでなるのかな、今世紀初めぐらいになるのかな。ねこぢるが存命だったぐらいの頃、その時は露悪でしたね。悪を晒しているというのか。今はその形というのも、かなり洗練されてきましたよね。

山路:ホンとして強いものが増えてきた気がするな。

小飼:そうですね。『ちいかわ』とか。

山路:確かに(笑)。

小飼:そうか、『ちいかわ』は来週か。

「みいちゃんと山田さんもアニメ化するかも」(コメント)

山路:するかもしれないですね。いや、するかどうか情報は聞いてないですけど。

小飼:みんな一緒にホチキス詰めよう(笑)。

山路:またコメントいただきました、

「誰でも見れるテレビからレーティングが細かくかけれる配信がメインになってきたからでは」(コメント)

小飼:うん、そうなんだよね。だから配信っていうチャンネルができたことによって、わりと、要するに公衆の電波で誰が見てるかわかんない地上波で流すの無理な作品でも流せるようになったっていうのは、これはものすごい大きい。

山路:『ヤニねこ』とかあの辺の最近の作品って、地上波の放映が切られたとしてもぜんぜん困んなそうな感じ、ありますもんね。

小飼:いや、もういっそサザエさんの後番組としてとか(笑)、

山路:いや、それは嫌だな(笑)、飯時に見るアニメじゃないですよね(笑)。

小飼:うん(笑)、飯がまずくなるのは確かなので。けっこうダイエット向きなのかもしれない、あれは。いや、あれのおかげで禁煙できましたとか、あれのおかげで、

山路:よく聞きますよね、

小飼:でも、あれのおかげでヤク断ちができました、とまでは言う声までは聞こえてこない、そこまで日本ではヤクが蔓延してないのか、でもヤクねこは出てきたよな、

山路:アルコールの猫も出てくるみたいですね、

小飼:アルねこは出てきた。

山路:マンガの原作のほうでは出てくるみたいですね。『ヤニねこ』なんか海外でも話題になったりするんですけど、同じくらいというか、それ以上に海外で話題になっている作品がこれですよ、『天幕のジャードゥーガル』、

小飼:いやー、僕がじつは原作けっこう追ってて、いやーこの絵でこれをやるのかっていうのか、モンゴル史っていうのは人類史の中でも一番凄惨なやつで、要するに残酷なやつっていう意味の凄惨ね、
 それをこの絵でやるか、でたぶんですね、Wikipediaで簡単にネタバレになる、史実を元にした作品で、シタラ改めファーティマが最後どうなるのかというのとかもバレちゃう作品でもあるんだけども。いやー、これ手をつけたか、でも手をつけたからには最後まで行ってほしいっていう気持ちがありますな。っていうのも、歴史マンガって最後まで行けないのが普通なんですよ。まぁ有名どころではみなもと太郎先生の、明治維新まで行く前に、明治維新というのか、どこまで描きたかったんだ? 坂本龍馬まで行く前に寿命が尽きちゃったという例ですね。本来、坂本龍馬を描きたかったんだけども、描くためには関ヶ原の戦いから話を始めないと話が通じないって言ってたから、そこまで巻き戻して書いてるうちに寿命が尽きちゃったんですよね(笑)。で、もう一つの歴史ものって言ったら、『ヒストリエ』ですね。

山路:岩明均先生の。

小飼:これもアニメ化されるって言ってて、けっこう驚いてるんですけども、これももう未完になるということがもうほぼ確定しちゃってるので。『ジャードゥーガル』まだ原作というのか、マンガも未完なんですけれども、未完で今育休に入ってらっしゃるんですけれども、長さからいっても、これは完結するだろうというので、完結までいってほしいですね。完結までいってほしいですね。

山路:『天幕のジャードゥーガル』のそういう感想をXで見てると、最近のXの自動翻訳でいろんな国の人のコメントが入ってくるじゃないですか。

小飼:そうですね、アラビア語もペルシャ語もそのまま入ってくるので、でもあれ持たない、あれちゃんと原語がなにで書かれているのかっていうのを見てないと、かなり勘違いしちゃうと思いますよ。でも、あれのおかげでアラビアとペルシャというのは、かなり文化的にも違う地域だというのがわかったと思います。同じ文字を使ってるんですけど、ぜんぜん違う言葉なんですよ。

山路:アラビア語で書いてる人が、こういうのはイスラム教の作法じゃねえみたいなことを言って、それに対してペルシャ語の人がいやいや、それはイランの文化のことわかってねえよみたいなことをたしなめてたりとかするっていうのがよく見られますよね。

小飼:いやー、だからアザーンの礼拝のところで、けっこうあれで巧妙だと思ったのはアザーンで、要は歌を流すじゃないですか。あそこはスンニにもシーアにも共通なんですよ。あそこの部分っていうのはあんま変わらない。イスラム圏どこで行っても夕刻にはあれが流れるわけですよね。ただし、お辞儀の仕方というのは、礼拝の仕方っていうのはやはり宗派によって差があるらしくて。で、そこの差が出る前で画像を打ち切ってるんですよ(笑)、だからどっちとも取れるんですけども、まあ明らかにシーアであろうと。なにせ、ペルシャ人なので、シタラは。

山路:それにしても、今期のアニメって相当攻めたっていうか、他の海外の、

小飼:いや、何が攻めたかって言ったら、モンゴルを敵に回す覚悟を背負って書いてありますよね。現代人の国連憲章とかに書いてある倫理とは全く相入れないんです、そう、だからモンゴルの教義というのは。全く相入れない。だから、ここまで相入れないものというのはない。というのか、あまりにモンゴルのやり口というのが苛烈すぎて、その一方その反動でロシアとかあんな国になっちまったというぐらいの(笑)、

山路:あれ、イル・ハン国の後になるんでしたっけ、ロシアの元みたいなのって、あの辺の東の方の、じゃなくて(※編注:現在のロシア領域を支配していたのは、キプチャク・ハン国(ジョチ・ウルス))。

小飼:スラブ人がモンゴルを叩き返してからなんですよね、今のロシアに続く。なんでロシアがあんなにシベリアまで含めて広いのか、やったら領土に固執するのかっていうのが、もうそこに反映されると。じつはですね、同じ征服された地域でも、どの程度苛烈で、どの程度寛大だったかっていうのはやっぱり温度差があって。元はかなり寛大だったっていう、他の地域に比べればね。それでも、仮に日本やベトナムが占領されてたらどうなってたのかというのは、ちょっと歴史のifとして興味があるところです。

山路:シタラというかファーティマ、このジャードゥーガルの舞台のちょっと後が元寇ですよね、ちょっとというか、

小飼:そうですね。その後、文永の役ですね。ただ上陸戦で勝負になるはずがないんですよ。

山路:海があるから。

小飼:鎌倉武士が弱くなかったっていうのは確かですよ。でも海に比べれば物の数ではない。

山路:まあ、馬が船をこげるわけでもない。

小飼:その意味では、モンゴルを跳ねのけたという点ではベトナムのほうがすごいと言わざるを得ないですね。

山路:ベトナムってモンゴルを跳ねのけてる?

小飼:跳ねのけてます。有名です。元寇を跳ねのけたという。

山路:あ、海から来たんだ。その時のモンゴル軍。

小飼:いやいや、ベトナムは陸、陸経由にも関わらず、モンゴルははね退けたんですよ。で、その意味でもう一つのすごいって言ったら、エジプトのマムルーク朝で、エジプトのマムルーク朝はじつは話としてはもっとすごい。奴隷からのし上がったという点では、シタラよりももっとすごいんですよね、マムルークの話というのは。これものすごい話なので、やっぱりドラマ化してほしいんですけれども、やっぱり日本からは文化的にもあまりに遠い話で、ドラマ化されてないし、あるいはドラマ化されたものを見る機会もないという。

「日本のコンテンツの多様性すごい」(コメント)

小飼:だから、まだまだ、だって。それを言ったら、やっぱりマムルーク朝の、マムルークがモンゴルに勝った話というのもやってほしいですし、

山路:言いたいのは、海外の国とかのある意味、ある国全体が何かの宗教によっている国って多いじゃないですか、たとえばイスラム教の国だったらイスラム教を中立に見た話ってのはなかなか書きづらいじゃないですか。そういう意味で、

小飼:ああ、難しいね。そもそもキリスト教徒とイスラム教徒を足しただけで人類の過半になってしまいますから。だから、その時点でちゃんと書くのはタブーなんですけど、少しずつ、本当に少しずつなんですけれども、それが崩れてきている感もありますね。皮肉にもイスラエルの狼藉のおかげでしょうかね、これは。あれのおかげで本当にアブラハム一神教ろくでもないというのは。

山路:ちょっとイスラエルの話が出たところで一つ、言っといていいですか。ちょっとあまりにもキテレツなニュースが入ってきたんで。イスラエル、刑務所からのパレスジナ、パレスチナ人の、

小飼:噛み噛みだね(笑)、

山路:脱走防止にワニを導入するという。

小飼:あのおっさんの名前なんだったっけ?

山路:ネタニヤフじゃなくて、大臣の、

小飼:もっとぶっ壊れてるやつ、

山路:極右のやつですよね、

小飼:が言ったことだからもうしょうがない、というところはあるかもしれない。

山路:いやー壊れてるなと思って。

小飼:あんなのが取り沙汰されてしまうというのは、っていうのか無視できないっていう意味では、

山路:ベン・グヴィルか、

小飼:そんな名前だったような、努めて覚えないようにしてた感じもする、そういったらネタニヤフという固有名詞だってそうだったんだけど、さすがにあまりにくり返されたので覚えてしまった。

山路:ちょっとスパチャいただいたんで、ここで。

小飼:ビビでいいんだ、あんなやつ。

山路:スパチャありがとうございます。

「高市内閣の支持率低下と野党がグダグダで分裂している中で政権交代へ向けて何をすべきだと思いますか?」(質問)

小飼:政権交代以前に野党が悪い、与党が悪いとかっていうのではなくて、国民が悪いんです。あんたが悪いんです。わしが悪いんです。これが民主主義なんですよ。そこからでしょ。野党がしっかりしなかったおかげでって言ってる人は、じゃあその野党の候補に投票しましたか? 単に投票するだけではなくて、その野党の人たちの選挙活動を手伝いましたか? そういうことなんです。だから民主国家で気に食わない結果が出たら、我々が悪いんです。それが民主主義です。そこからです。そう、だから確かに今の自民党というのはまぁろくでなしですし、が選んだ総裁、総理というのもまぁ役立たずです。

山路:ハハハ、

小飼:でも、それを積極的に止めるのに何しましたかと。だから、そこなんですね。

山路:これはちょっと後のほうで出てくる皇室典範なんかの話にも関わってくる話ですよね。

小飼:はい。

山路:ということで、

小飼:バラ撒き政策とかクレクレ国民に関しては前にも言った通り、バラ撒きになってないんです。

山路:ちゃんとバラ撒けと。

小飼:だから、コイがいっぱい集まっているところにパラッとやっても、そのパラッとやったのは強くてズーズーしいコイだけなんです。だから、どのコイにも均等にやるというのはこれ、ノントリビアルなんです。難しいんですよ。きちっとやらないとダメなんですよ。だから、真のバラ撒きが必要なんです。今までバラ撒きと言ってるのはバラ撒きのフリをしたえこひいき政策に過ぎないんですね。

「ポピュリストは複雑な問題に対処できない」(コメント)

小飼:そうなんですね。それは確かです。面白いことに一人一人はすごい頭が切れる人たちというのは、集まれば集まるほどアホになるんですよね。またこれもTwitterネタなんですけれども、3の倍数と3が入る数の時だけアホになるというネタがあるじゃないですか。

山路:世界の、えーなんだっけ、ど忘れしちゃった(笑)、

小飼:これって無限のほうまで押し進めていくと、ほとんどアホになるんですよね。

山路:それが言いたいのね(笑)、

小飼:そう、だからそれ、30万に達した時にツイートの数が、で30万になったっていうことは3が全く入らなくなるために、もう10万かかるわけですよね。まあ、大抵の場合、アホになる。それがちょっとジョークなんですけれども。だからポピュリズムというのは賢いところを打ち消して、愚かなところを増幅するんですよね(笑)。ということを常識にしとかなければいけない。

山路:今時の問題って、みんなものすごく難しくないですか? 難しいっていうのは前提となることを把握するのにすごい手間かかりませんっていう、今時の問題って。

小飼:いや、だからあっち立てばこっち立たずっていうのは一般論としては難しくないでしょ? そこは。

山路:まぁそれはそうですね、トレードオフになってくるっていうのは。

小飼:だからそれがポリティクスなんですよ、政治なんですよ。政治とはあっち立てればこっち立てずっていうことなんですよ。だからまず、そこから始めなければいけない。お前らの主張を一方的に受け入れれば、それで凹む人というのは必ず出てくるよね、だからそこが出発点なんですよね。