主人公の男性は、もともと気が弱いが、それでもナンパせざるを得なかった。場所は何となくボストンもしくはシアトル辺り。北米の両極ぐらい離れているのに何故似ているか?カフェ文化が豊かで、学生がいっぱいいて、治安が良く清潔だからである。タッド・ベーカリーは日本に1店舗もないが、スターバックスは各駅にあるが、似たようなものだ。

 

 ウインドウ沿いの1人席で黒人の女の子がどうやら勉強している。1日に同様の客はどれほどか?50人はくだらないはずだ。あの席たった1席だけでも。客がごった返してはいない。彼女が座っている列には彼女しかいない。ナンパのチャンスであることには間違いない。しかし、男性は、前述、そして後の劇中、嫌というほどのチキンであることがわかる。彼女が、特に変わった何かをしているわけでもない。何故彼は「らしくもなく」ナンパに出たのだろうか?

 

 余りに主人公の女性が魅力的だったからだ。「魅力」とは何だろうか? と、何故か、一瞬だけ問いが脳裏をよぎるが、すぐにかき消される。恋愛映画の中で、主人公が主人公に一目惚れするのは魔法であって、そういう風に撮っているし、演じているからだろう。そんなモンにいちいち理由を書き込んでたらハリウッド・エンディングのラブコメ量産体制位なんて破綻するよ。この「決めつけ」に、本作は鉄槌を下す。