おはようございます。マクガイヤーです。
日々の忙しさにかまけていたら『ドラゴンクエスト the DIVE』に行きそびれてしまいました。
たしか8月はじめくらいに予約しようとしたら、もう8月末しかチケットが売れ残っておらず、明日予約しようと思っていたらそのまま忘れてしまっていたのです。ドラクエウォークの「40周年記念展ゴーグル」だけ受け取ってこようかなあ。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
〇9月6日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2026年9月号」
・時事ネタ
・『ヒンド・ラジャブの声』
・『イミノウム』
・『戦場0地点』
・『温泉シャーク2 九州大決戦』
・『バックルームズ』
・『見えない娘 THE INVISIBLES』
・『顔 かお』
・『ナイトボーン 夜哭』
・『平行と垂直』
・『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ ワルプルギスの廻天』
・『私はあなたを知らない、』
・『シェルター』
・『時には懺悔を』
・『ラスト・サバイバー』
・『ナイトシフト』
・『グレイ・ミッション』
・『ドラマなふたり』
・『ランタンズ』
・『機動警察パトレイバー EZY File 2』
・『左利きの少女』
・『オークストリートの異変』
・『ゴースト・オブ・ウエノ』
・『スパイダーマン ブランド・ニュー・デイ』
・『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』
・『プライベート・ケース』
・『隣人たち』
・『チルド』
・『デッドマンズ・ワイヤー』
・『夢物語 The Living Dragon』
その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
〇9月28日(月)19時~「『踊る大捜査線 N.E.W.』公開記念 フジテレビの私小説としての『踊る大捜査線』」
9/18に映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』が公開されます。1997年に放送されたドラマおよびその続編やスピンオフである特番ドラマや映画から構成される「踊る大捜査線」シリーズの最新作です。織田裕二演じる青島俊作が主役である本編としては『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』から14年ぶり、シリーズ全体としては『室井慎次 敗れざる者 / 生き続ける者』から2年ぶりの作品となります。
『トイストーリー』がある意味でピクサーの私小説であるように、この「踊る大捜査線」シリーズはある意味でフジテレビの私小説ではないか、と自分は考えています。前作である『室井慎次 敗れざる者 / 生き続ける者』が警察ものと『北の国から』の折衷のような内容になったのも、私小説とみれば納得です。
果たして『踊る大捜査線 N.E.W.』は、2025年初頭からの「フジテレビ問題」で窮地に陥ったフジテレビが真摯に自分たちをみつめなおした映画であるのか、単に安易な続編でおカネを稼ぎたいだけの映画なのか、見極めたいと思います。
映画ライターの竹島ルイさん(https://x.com/POPMASTER)と編集者のしまさん(https://x.com/shimashima90pun)がゲストとして出演致します。
〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて、本日のブロマガですが、先日観た『時には懺悔を』について書かせて下さい。ニコ生でも話すと思うのですが、今年の話題作の一つだと思うのですよ。
●なぜ中島哲也は嫌われるのか
自分は『下妻物語』以後の中島哲也監督作品が結構好きで、ほぼ全作を観ているのですが、中島哲也作品が嫌われる理由も分かります。
撮影現場でパワハラが横行しているから……というのは、正直よくわかりません。『渇き。』(2014年)のヌードシーン強要疑惑をきっかけとして、今回の『時には懺悔を』の公開が一年延期されましたが、文春の報道と監督の言い分(https://note.com/te_nakashima/n/neaad60407541)は当然ながら食い違っていますし、和解条件の詳細もよく分かりません(https://hochi.news/articles/20260213-OHT1T51119.html)。ただ、対応が悪いというのはその通りです。
『嫌われ松子の一生』(2016)で中谷美紀が号泣するくらいのパワハラ演出を行った件については、本当にそれが中谷美紀にとって屈辱的で尊厳を否定されるほどのものであったなら、同監督の『渇き。』に出演しなかったと思うんですよね。中谷美紀は『嫌われ松子の一生』で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞しましたが(日本アカデミー賞がなんぼのもんじゃいというのは横に置いといて)、パワハラと呼ばれるくらい厳しい演出はあくまでも作品のためであり、(園子温とは違って)中島哲也本人が快楽を得るためのものではない、ということを中谷美紀も分かっているのではないでしょうか。
『告白』でのスタッフの過重労働と事故死は制作体制の問題で、監督に責任が無いわけではありませんが、主にプロデューサーが解決すべき問題だと思います。
中島哲也が嫌われる最も大きな理由は、監督する映画が面白いけれども技巧に走りすぎていて、「俺ってすごいやろ」感がドバドバするから……なのだと思います。
これが、つまらない映画ならばそれほど嫌われません。すぐに映画が撮れなくなり、忘れ去られるからです。技巧に走りすぎない――過剰な高速カッティングや、1シーンあたりの情報量が過剰に多くなることなく、シンプルに面白い映画を作れる監督は真の巨匠になります。
ただ自分は、CMやMV出身監督の、観客の意識をクギ付けにする力強い演出が、結構好きだったりします。露悪的な映像表現も大好きです。ここまで書いて、じゃバーホーベンやミヒャエル・ハネケと中島哲也の違いは何かというと、「全部違う」としかいえないのですが、一口に露悪といっても様々な露悪がある、というのは間違いないです。
●『時には懺悔を』と中島監督の懺悔
前置きが長くなりましたが、中島哲也の新作『時には懺悔を』は過去作に比べると露悪が抑えられています。
『時には懺悔を』は、ある嫌われ者の探偵の殺人を追うノワールミステリとみせかけて、重度障害児の育児や介護がテーマです。血のつながった息子が障害児ということが分かり、育児や介護から逃げ出す者もいれば、血がつながっていないにも関わらず成り行きと責任と愛情から自分の生活や人生を投げ出して障害児と向き合う者もいます。障害児を真正面から移すカットを露悪と感じる観客がいれば、それは観客の受け止め方に問題があるということになります。本来ならば健常者も障害者も何も気にすることなく胸を張って生きていけるのが理想の社会だからです。勿論、現状はそうなっておらず、『急に具合が悪くなる』のように社会全体や社会構造についての批評にまで及ぶ……ということにまでは手が届いていなのが少し残念なところですが(『おおかみこどもの雨と雪』もそのようなところがあったのですが、優れた映画監督は心の底から社会を信用していないものです)。
つまり、『廃用身』や『急に具合が悪くなる』と並べて語られる映画だと思うのですが(本当はここに『みい山』も入るべきでした)、この三作には全部原作があり、映画化にあたってのアダプテーションが今作るべき映画としての正当性を担保していると考えます。本作については、原作では主人公と事件との間に距離がある、というか子供が障害児というわけではないのですが、映画では障害児に向き合えなかったせいで家庭が崩壊したことに改変されています。
つまりここには、中島監督が一番やりたいテーマが現れていると思うんですよね。実のところ中島哲也は『パコと魔法の絵本』以降、「父親は息子や娘にどう向き合うべきか」、「きちんと息子や娘に向き合えなかった後悔」、「子育てから逃げ出した者が受ける報い」みたいなものを必ずテーマの一つにしています。松子の父や、甥との関係を疑似的な親子関係とみれば『嫌われ松子の一生』も含まれるでしょう。本作も、鶴太郎演じる探偵OBがショッピングモールでちゃんと孫の面倒をみているところを主人公が複雑な表情でみているという、良いシーンがありました。ショッピングモールで仲の良さそうな家族をみかけると、自分も同じような気分になったりします。
中島哲也はプライベートを公表していませんし、公表する必要もありませんが、中島哲也の懺悔のような映画だと思うのですよね。本気で作った映画であれば、映画の外側にある部分と映画の作劇がシンクロするのは当然です。最初から死んでる「嫌われ者の探偵」を佐藤二朗が演じているのですが、公開延期している間に佐藤二朗のそれにもなってしまったのは誰も予測できなかったところなのだと思います。
一番分かり易いのは『渇き。』でしょう。役所広司演じる主人公はアルコール依存症で、大量の精神安定剤を酒で流し込むような生活を送っていますが、それはきちんと妻や娘に向き合えなかったからです。本作の西島秀俊はこれを引き継いでいる、というかほとんど同じです。障害者という要素が加わっているところのみが新しいといえます。そして、アルコール依存症は障害の一つで、条件を満たすと障害年金の対象になります。結果として、中島監督が意図しているかどうかは分かりませんが、「我々は皆、障害者になる可能性がある」「我々は皆、どこかしら障害者なのではないか」というテーマが浮き上がってくるのが面白いところです。
●神はいないが志村けんはいる
その他、クドカンと塚本晋也という役者兼映画監督の使い方や、(いつも上手い)野呂佳代や烏森まどの自然な演技にも注目したいところですが、志村けんの過去映像の使い方にも注目してしまいます。
劇中の時代設定は原作に合わせて94年なのですが、テレビからは『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』内のコメディドラマ『THE DETECTIVE STORY』の「だいじょうぶだぁ教」の映像が流れます。『ごきげんテレビ』は92年に一旦終了し、『KATO&KENテレビバスターズ』にリニューアルしたので時代が合わないのですが、これを引用したい気持ちはよく分かります。
「だいじょうぶだぁ教」は「大学受験に自信が無い」、「会社が不渡りを出して倒産寸前」、「旦那がアル中で子供が10人いるのにおカネが無い」……といった深刻な相談に対し、三叉のうちわ太鼓を叩きながら適当に「だいじょうぶだぁ~、ウィッ、ウェッ、ウォッ」と返していると解決してしまい、調子に乗って新興宗教まで設立してしまうというコントです。
メッセージとしては明石家さんまの「生きてるだけで丸儲け」と共通していますね。
志村けんはこのフレーズを会心の出来と思ったのか、後にフジテレビの冠番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』にも使われるほどになりました。
誰かが「だいじょうぶだぁ」と言ってくれるだけで救われることが確かにあります。神はいないけど志村けんはいるのです。
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