おはようございます。マクガイヤーです。
シルバーウィーク中に同人誌の原稿を書こうと思っていたのですが、依頼された原稿で手一杯で、どうにもなりませんでした。
まぁ、仕方無いよな……。
来月頑張ろうと思います。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
〇9月28日(月)19時~「『踊る大捜査線 N.E.W.』公開記念 フジテレビの私小説としての『踊る大捜査線』」
9/18に映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』が公開されます。1997年に放送されたドラマおよびその続編やスピンオフである特番ドラマや映画から構成される「踊る大捜査線」シリーズの最新作です。織田裕二演じる青島俊作が主役である本編としては『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』から14年ぶり、シリーズ全体としては『室井慎次 敗れざる者 / 生き続ける者』から2年ぶりの作品となります。
『トイストーリー』がある意味でピクサーの私小説であるように、この「踊る大捜査線」シリーズはある意味でフジテレビの私小説ではないか、と自分は考えています。前作である『室井慎次 敗れざる者 / 生き続ける者』が警察ものと『北の国から』の折衷のような内容になったのも、私小説とみれば納得です。
果たして『踊る大捜査線 N.E.W.』は、2025年初頭からの「フジテレビ問題」で窮地に陥ったフジテレビが真摯に自分たちをみつめなおした映画であるのか、単に安易な続編でおカネを稼ぎたいだけの映画なのか、見極めたいと思います。
映画ライターの竹島ルイさん(https://x.com/POPMASTER)と編集者のしまさん(https://x.com/shimashima90pun)がゲストとして出演致します。
〇10月11日(日)19時~「『ディスクロージャー・デイ』ようやく公開記念 スピルバーグ監督作品全部話すpart2」
10/1にスティーヴン・スピルバーグの最新作『ディスクロージャー・デイ』がようやく日本公開されます。約3カ月も待たされました。待たされすぎたかもしれません。やっと特集できます。
前回(7/13)、公開延期記念という体でスピルバーグ監督作品全部について語り合うという試みにチャレンジしましたが、途中で時間切れとなりました。こちらの続きについてもやるつもりです。
前回同様に映画ライターの竹島ルイさん(https://x.com/POPMASTER)と編集者のしまさん(https://x.com/shimashima90pun)をお迎えして、『ディスクロージャー・デイ』とスピルバーグについて熱く語り合いたいと思います。
〇10月25日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2026年10月号」
・時事ネタ
・『CBGB ニューヨーク、PUNKが生まれた場所』
・『映画 ひつじのショーン かぼちゃ畑の怪物!』
・『URCHIN アーチン』
・『ザ・ハウスメAIド 服従』
・『バッド・ルーテナント:トウキョウ』
・『mentor』
・『クジラに落ちた男』
・『ストリートファイター ザ・ムービー』
・『わたしの知らない子どもたち』
・『遥かな町へ』
・『ハードボイルド』
・『遠近を抱えた女 完全版』
・『エヴィレンコ』
・『DIGGER ディガー』
・『バイオハザード』
・『冒険の夜』
・『レズビアン・スペース・プリンセス』
・『逃げろお嬢さん』
・『3670』
・『縁の手紙』
・『ユートピア 狂宴』
・『我々は宇宙人』
・『ハート・オブ・ビースト』
・『藁にもすがる獣たち』
・『襲名』
・『ナギダイアリー』
・『シャドウワーク』
・『しびれ』
・『ワンオペレーション』
・『さとこはいつも』
・『ヒンド・ラジャブの声』
・『八つ墓村』
・『クロノス・カイロス』
・『Man』
・『5秒で完全犯罪を生成する方法』
・『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』
・『ルックバック』
その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて、本日のブロマガですが、『踊る大捜査線 N.E.W.』について書かせて下さい。ニコ生でも話す予定ですが、記憶が新しいうちにまとめておきたいです。以下ネタバレ注意、というか劇中の展開に触れます。
●異様な映画
公開日に『踊る大捜査線 N.E.W.』を観に行ったのですが、異様な映画だったのですよ。
映画の冒頭は割と良いのです。元警視庁副総監の大和田伸也の孫の誘拐事件が発生し、身代金受け渡しのために織田裕二演じる青島俊作が東京を走り回ります。渡哲也の『誘拐』(1997)のオマージュなのですが、皆がスマホで青島を「実況」し、それを犯人が状況把握のために利用していることに現代性がある――と作り手が考えているっぽいところに『踊る』らしさがあります。
トー横キッズがいないトー横で誘拐犯がなぞなぞを出し、すぐに答えるというやりとりは『ダイハード3』の引用です。存在しない歌舞伎町駅から地下鉄に乗り込みますが、これは『交渉人 真下正義』に出てきた架空の地下鉄「東京トランスポーテーションレールウェイ」ですね。ここで身代金の入ったカバンを窓から落とそうとするも窓が7センチしか開かない云々……という分かり易い『天国と地獄』パロディを入れてきます。
更に、スリーアミーゴス、松重豊、寺島進、伊藤淳史、滝藤賢一……といった懐かしい面々が大量に出てきた後、実は本当の誘拐事件でなく、演習だったという「はずし」のオチがつきます。
『007』映画のようなつかみのアクションとしてはかなり長めですが、青島俊作が主役である本編シリーズとしては『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』から14年ぶりなので、同窓会の意味も込めているとすれば悪くないです。ここで観客が求めているであろう同窓会をやりきり、いよいよ「N.E.W.」な、新しいことをやるのだなと思っていたのですよ。
今回はパパ活女子高生連続殺人ということで、捜査会議が開かれます。『踊る』といえば捜査会議です。どういう見せ場を作ってくれるのかな……と観ていると、すっかり落ち着いた芝居をみせるようになったユースケ・サンタマリア演じる真下正義の息子、真下勇気くんが出てきます。『THE FINAL』で誘拐された後、ハーバード大学を飛び級で卒業して、21歳にして管理官となって帰ってきたのです。この設定は受け入れるとしましょう。勇気くんを演じる増田貴久(NEWS)が40歳で21歳を演じるというのも、『踊る』の作り手にとっては40歳も21歳も変わらず「若手」にみえるということで受け入れましょう。ただ、帰国少女ということで怪しい発音で英語混じりの台詞を喋り、自身をつけさせるということで室井管理官のコスプレをさせるというのは、どう考えてもコントです……と思いながらみていたら、今回のメインキャストの一人である白洲迅に「コントかよ」とつっこまれます。劇中で「コントかよ」とセルフつっこみを入れればコントじゃなくなるわけじゃないからな!と言いたいです。
以後、警視庁の地下に秘密の研究室があり、カプセルにウイルスが入っていたかと思ったらそうじゃなかったとか、野呂佳代にお見合いを世話されたりとか、水野美紀に手作りマドレーヌを配らせるとかいった、コントが延々と続きます。特に警視庁クリニック医師役として佐藤二朗が登場していつものアドリブ演技をやるのですが、織田裕二がノリノリでつきあうので、全体的に福田雄一っぽい仕上がりです。
●いいところもある
ただ、わりと良い所もあるのですよ。
若者への偏見が酷いのは相変わらずで、犯人であるパパ活女子高生に寄り添う姿勢を一切みせない……かと思いきや、彼女たちを騙して指紋採取した後「汚い大人でごめんね」などと白洲迅演じる美浦秋に言わせます。その後、銃を向けてきた彼女たちに、彼女たちよりも背が低く銃も構えていない趣里演じる芝田ひばりが「このクソガキ―!」と全くひるまずに凄むのも良かったです。
面白いのは織田裕二の演技プランで、組織の中で上手くやるために日常的に演技してるおじさんの演技をしています。いかりや長介が演じた和久さんを青島なりに継ぐということがこれなのですね。昔の青島・すみれ・和久が、今回の美浦・ひばり・青島ということなのでしょう。
佐々木蔵之介演じる北丘雲斗警視正が、「オマエのエンジンはどこにある?」と青島に問いかけるシーンも良かったです。彼らは同期で、もうすぐ定年で、キャリアの終わりを見据えています。その上で、どういう心持ちで仕事をしているのか? すれば良いのか? という問いかけです。青島は、仲間のためとか、正義のためとか即答できません。北丘もそうなのでしょう。青島俊作という一人の人間の人生に付き合って来たシリーズだからこその問いかけであると同時に、テレビ版から観てきた観客への問いかけでもあります。
同時に、これは作り手――亀山千広や君塚良一や本広克行の自問自答でもあるわけです。
故に、クライマックスで走馬灯のように過去の名シーンを幻視するのは感慨深いのですが、青島はこのシーンを直接見てないよな……などと思ったりもします。
●シン・踊る大捜査線 N.E.W.
本シリーズはフジテレビにとっての私小説という見方をすると、やはり注目してしまうのは、真下が第三者委員会の聞き取り調査に呼ばれるシーンです。どうにかして中居正広・フジテレビ問題を入れ込もうとしたと思うのですが、中途半端なものになってしまったようです。コンプライアンスは建前で、コネと血縁が最重要視される価値観にも本音が滲みます。
警視庁が秘密裏に開発しているAIを使った監視システムも、小泉防衛大臣がパランティアのAIやドローンを視察している現在、リアリティがあります。そういえば小泉進次郎の兄・小泉孝太郎が交渉課の小池茂役として過去作に出演していたのでした。
本シリーズの名言の一つに、「正しいことをしたければ、偉くなれ」というものがあります。亀山千広や君塚良一や本広克行は、本当に偉くなりました。その上で、作り手が自分自身に徹底的に向き合うのであれば、もっと違う物語になったはずです。
テレビ版のエピソードで、建設省幹部の息子が起こしたひったくり事件のもみ消しを命じられる回があるじゃないですか(第三話)。本来、『踊る』の魅力はそういうところだったと思うのですよ。このひったくりを性加害に置き換え、いまのキャストと役柄の設定でやるだけで、傑作が産まれたはずだと思うんですよね。
青島都知事の都市博中止と、フジテレビ本社のお台場移転を契機とする本シリーズですが、ここにきてしっかりお台場を舞台にし、イマーシブ・フォートを最後の舞台とするのも感慨深いです。現実では廃墟となっているイマーシブ・フォートで、青島は過去を幻視します。衰退・ゴーストタウン化しているというお台場で、青島は第二湾岸暑を発見します。日本全国を楽屋にする勢いだったフジテレビの内輪ノリが、完全に時代錯誤になったのとシンクロしています。
『踊る大捜査線 N.E.W. 』はお台場というリミナルスペースを舞台とした『バックルームズ』なのではないでしょうか。閉じ込められているのはフジテレビの記憶です。
番組オリジナルグッズも引き続き販売中です。
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