tako2008さん のコメント
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信濃毎日「小説外務省―尖閣問題の正体」『元外交官が描く政・官の危うさ
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駐イラン大使まで務めたエリート外交官が実名で書いた小説。尖閣問題で適切な対応がとれない政・官のダメさ加減を生々しく描き出す。
小説とは言っても、外務省での著者の経験がふんだんに盛り込まれていて面白い。
米国の意向を代弁するグループが主流を占める外務省。それに批判的な意見を述べた主人公は「10年はやい」と傍流に押しやられる。
国の将来を見据えた外交はない。組織内の昇進だけが重大事。そんなお役所風景が浮かびあがる。
そこに尖閣問題が起きた。
尖閣は日本が「固有の領土」と思っているように、中国も固有の領土と考えている。
だから田中角栄の時代、周恩来首相と「棚上げ」で合意した。双方が声高に領有を主張したら衝突せざるをえず、国
さすが「信毎」、長野県民として誇りに思います。
地方紙の方が一般的に考察が深く、物事を客観的に見ていることが多い。
>著者の中国評価は南シナ海(中国では南中国海)の現状を見ると
>甘すぎる」というくだりでは信濃毎日の勉強不足だと感じます。
勉強不足というか、メディアが偏った情報ばかり流すせいで、
客観的な考察ができないのだと思います。
南シナ海問題については、あまりに一方的な解釈だけが
されていますね・・。
以前にも此処へ書いたと思いますが、南シナ海問題が複雑化した
背景には、「冷戦時代の負の遺産」と「米中の覇権争い」そして、
「石油メジャー同士の資源獲得競争」があります。
まず、西沙諸島の領有権問題については、これはベトナムよりも
中国側の主張に正当性があると思われます。
なぜなら、北ベトナム(つまり、現在のベトナム)は、1958年の
中国の領海声明を、当時の首相(ファム・バン・ドン首相)が明確に
認めているからです。
この領海声明には、西沙諸島と南沙諸島の海域が含まれています。
<ファム・バン・ドン首相が周恩来総理に宛てた照会文章>
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2014-06/09/content_32611081_6.htm
なぜ、当時の北ベトナムは、中国の領海声明を認めたのか。
それには、時代背景を考察する必要があります。
当時は、冷戦の真っ只中であり、以下のように、西側陣営と東側陣営
の対立構造がありました。
西側陣営: 米国、南ベトナム、フィリピン
東側陣営: 中国、北ベトナム
当時の北ベトナムが、中国の領海声明を認めた理由は、
①ベトナム戦争における支援を中国に受けていること
②中国の領海権が大きくなるほど、東側陣営である北ベトナムが
南ベトナムに対して有利になること
かと思われます。
ここで、重要なことは、
①北ベトナムは、西沙諸島と南沙諸島を含む海域の、中国の領海声明
を当時の首相(ファム・バン・ドン首相)が明確に認めていること
②中国と西沙紛争を争ってきた「南ベトナム」は、ベトナム戦争により、
国そのものが「消滅」していること
そして、中国の領海声明を認めたはずの「北ベトナム」つまり、
現在のベトナムは、1974年になってその主張を覆し、
「西沙諸島」はベトナムの領域であると主張しはじめた。
これに対して、ベトナム側はどのような反論をしているのかというと、
「1958年9月4日に発表された中国の声明は領海に関するものであって、
領土に関するものではない」というものです。
ベトナム側の「領海権は認めても、島の領有権は認めていない」
とする言い訳は、ちょっと無理があるのではないでしょうか。
少なくとも、海底資源に関して口を出す資格はないはずです。
上記の理由から、西沙諸島問題では、中国は強気に出ている。
また、今回の採掘紛争における採掘作業位置は、ベトナムの大陸沿岸
より西沙諸島側に位置します。
<中国企業の採掘作業位置図>
http://j.people.com.cn/n/2014/0609/c94474-8738572.html
今回の採掘リグへの攻撃は、明らかにベトナム側が仕掛けている
といえるのではないでしょうか。
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