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名を正すさん のコメント

いずれにしても、数年で中国はアメリカと同等に近い軍事力を持つということでしょう。注意することは、アメリカにとって、中国はこれまでの敵対国とは全く質の違う相手だということです。たとえば、かつてアメリカと対峙していたソ連と比較してもその違いは明らかでしょう。特に経済の分野では、中国の経済力はかつてのソ連とは比較になりません。当然アメリカはそれを無視できないし、それどころか中国の経済力、市場の巨大さに期待していることも事実です。かつてのソ連に対するような、敵か味方かの単純な関係ではないのです。米中の関係は、もっと複雑で多面的です。
問題は日本政府はこのことを理解できない、というより理解したくない、認めたくないということです。政府だけでなく、国民にもまたこのような思考傾向が見えます。認知的不協和論は、この場合に最もよくあてはまる事例の一つだと思います。
この時に必要なことは、苦しくともこの事実を認知することです。気を付けるべきは、もし日本に取って中国が脅威だとして、なぜアメリカに対しては脅威と感じないのかということです。日本を一瞬にして殲滅する能力は、アメリカは中国以上に持っているはずです。脅威と感じないのは、アメリカとの間で平和条約と同時に安全保障条約も締結されているからです。
ならば、答えは平凡ですが、中国との間で外交努力を重ね、常に相互不可侵を確認すること、既に締結している平和に関する四つの共同声明を絶えず鮮明にし、両国間だけでなく、それをあらゆる場面で日本は率先して世界に向けて発信していくことです。有力な抑止力の一つになります。
純粋に軍事的な意味での中国の力は、アメリカと同様、それ自体をなくすことはできません。歴史的に見ても、中国はもともとはあらゆる点で、世界の大国でした。ですから、中国の台頭と言うより、再台頭と言った方が正確でしょう。しかし、日本には、日本独自の素晴らしさがあり、日本でなければ果たせない役割があります。それは、決してアメリカの手下として戦争に加担する国になることではありません。
日本の長所、強味を生かすような使命を国家目標に据えるとき、世界に取って重要な国家、尊敬される国家になると思います。
この延長上に、アメリカとの友好も保ちながら、不平等を徐々に解消していく道が開けていくことになります。ドイツなど先例があります。しかし、一気にすべてのことを成し遂げることは難しいので、No1さんの言われていることは良く理解できますが、今は、暴走を開始し始めた車をいったん止めることが急務だと思います。
No.2
111ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 ランド研究所は軍事関係で、最も著名な研究所である。  ここが、「アジアにおける米軍基地に対する中国の攻撃( Chinese Attacks on U.S. Air Bases in Asia 、 An Assessment of Relative Capabilities, 1996–2017 )」を発表した。  主要論点次の通り。 ・中国は軍事ハードウエアや運用能力において米国に後れを取っているが、多くの重要分野においてその能力を高めている。 ・中国は、自国本土周辺で効果的な軍事行動を行う際には、米国に挑戦するためには全面的に米国に追いつく必要はない。 ・特に着目すべきは、米空軍基地を攻撃することによって米国の空軍作戦を阻止、低下させる能力を急速に高めていることである。 ・1996年の段階では中国はまだ在日米軍基地をミサイル攻撃する能力はなかった。 ・中国は今日最も活発な
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。