新機能よりも他社との連携を強化するような内容が多かったですね。単なるOSの横展開で、進化してないじゃんという意見もありますが、開発者にとってはなんだかものすごくチャンスなんじゃないかと思える内容でした。今回はこのWWDCを総括していきたいと思います。
iOSの主要機能の開放で他社製アプリが超進化
WWDC2014で発表された内容は、iPhoneやMacの開発者にとっては非常に有益な情報が満載だった。特に開発者を引きつけたのが、OSの機能をサードパーティーへ開放した点。これまでアップル純正アプリでしか使用が許されていなかった、指紋認証のTouchIDや画像フィルターなどの機能を、サードパーティーの開発者が自由にアプリに組み込めるようになったのだ。
こういった機能の開放に踏み切れる背景としては、OSの断片化がほとんどないことが大きい。WWDCの基調講演でアップルが発表したところによると、最新のiOS7を利用しているユーザーは89%。これだけ多くのユーザーが最新バージョンを使っているので、iOS8で開放されるOSの機能を使ったアプリをリリースしても、ユーザーに受け入れられやすい。
一方の Androidは、最新の4.4(KitKat)を使っているユーザーはたったの9%。世界各国のさまざまなメーカーが、それぞれの国や地域に合わせた多種多様な機種を投入しているため、ハードウェア仕様もAndroidのバージョンも断片化が激しい。豊富な機種ラインアップがそろう半面、アプリ側でOSの各バージョンに対応させる必要があり、アプリ開発者を悩ませているのが現状だ。
iOSは断片化が少ない iOS7の89%に対して、Android 4.4(KitKat)のインストール比率はたった9%。iPhoneやiPadを使っているユーザーは、OSの最新バージョンを使う傾向が強いのだ。 iOS8は内部熟成型 『Health』などの新アプリも加わるが、注目はアプリが利用できるOSの機能が増える点だ。 iOS8では、『iBooks』アプリの標準搭載や履歴を残さない検索エンジン『DuckDuckGo』のサポートなどもある。 自動起動や曲名検索が可能なSiri 音声アシスタント機能のSiriは、iPhoneに"Hey Siri"と話しかけるだけで起動する。Siriに音楽を聴かせて曲名を検索するといったことも可能になる。今年のWWDCの各セッションの映像やプレゼン資料の一部は、Appleのサイトで参照できます。基調講演で語られなかったディープな内容も満載なのでチェックしておくことをお勧めします。
WWDCの詳細はウェブサイトで 一部の映像やプレゼン資料は、アップルのウェブサイトで公開中だ。