• このエントリーをはてなブックマークに追加
「料理教室に通う女子力男子が次に来る」マイルドヤンキーを生み出した原田曜平氏が若者事情を語る
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「料理教室に通う女子力男子が次に来る」マイルドヤンキーを生み出した原田曜平氏が若者事情を語る

2014-12-14 09:00
    今週の原田曜平氏対談『え、それってどういうこと?』には博報堂ブランドデザイン 若者研究所 リーダー原田曜平さんが登場。“マイルドヤンキー”という言葉を生み出した原田曜平氏に現在の若者事情を語ってもらいました。 え、それってどういうこと?

    原田曜平(はらだよういち)
    1977年、東京生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、株式会社博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、現在、若者生活研究室アナリスト。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞受賞。2012年に多摩大学非常勤講師を務めた。近年ではマイルドヤンキーや伊達マスクなどの言葉の名付け親としても知られる。また2013年度の流行語大賞にノミネートされた現代の若者全体を示す"さとり世代"という言葉も世に浸透させた第一人者でもある。2014年4月から朝の情報番組、日本テレビ系列の『ZIP! 』にも金曜レギュラーとして出演している。

    いまの若者たちの傾向は情緒価値より機能価値

    速水:若者研究所にはいま、何人くらいの若者がいるんですか。

    原田:だいぶ人数が増えていて、いまは200人くらいの学生がいます。

    速水:それを原田さんおひとりで面倒見ているんですか。

    原田:一応、部下というか後輩が4、5人いるんですが専任ではないので、かなりのことをひとりでやっているような状態ですね。

    速水:実際にそこから商品が生まれることもあるんですか。

    原田:すでに、けっこう出ていますよ。メインの業務としては、たとえば自動車会社さんから「ヤンママ向けの軽自動車をつくりたい」という依頼が来たら、その200のなかからクルマに興味のある人や時間的に余裕がある子などを、だいたい10人から15人抽出するんですよ。それで担当者さんといっしょに短いプロジェクトだと3ヵ月、長いプロジェクトだと1年半くらいの時間をかけて、週何回かミーティングして実際にクルマをつくっていくんです。ジュースならジュースで、自分たちがおいしいと思うものを集めてきてもらったり、友だちに人気のものを調べてもらったり。商品のパッケージも、「いまはこういうデザインがみんな好き」だとかの情報を集めてくるんですよ。それで彼らがプレゼンしてくれたものの意見を集約して。こういうテイストでコンセプトはこういう方向で、と詰めていきながらものをつくっていくんです。

    速水:なるほどね。やっぱりいま20歳前後の若者と自分の発想って、ぜんぜん違うなと感じますか。

    原田:やっぱり、違いますけど。でもあまりにもべったりしすぎて、実はそこが僕の弱点でもあるんですが、若者たちに対してあまり違和感がなくなっていて(笑)。

    速水:ハハハ、なるほど。

    原田:でもメーカーさんは逐一若者の感覚にビックリされるので、やはり変化は起きているんだろうなとは思いますけどね。 速水 具体的には、どういうところが違うんですか。

    原田:マイルドヤンキーの場合はたとえばクルマでいうと、昔のヤンキーはスポーツカーとか高級外車を改造するのが夢だったりしていたけど、いまは3列シートのミ ニバンを頂点としてミニバン志向になっている。これはクルマ会社さんも信じられなかったみたいですね。「えっ、若いクルマ好きの男がミニバン!? 」みたいな。これは 激変ですね。

    速水:僕も「3列シートのミニバンに乗りたい」っていう若者の心理はわからないな。

    原田:まず、いまの子たちは本当に友だちを大事にしていて。かつ、親とも仲がいいので大人数乗車というのが前提になってきている。 だから利便性重視、情緒価値より機能価値を求めるんですよ。

    え、それってどういうこと? 原田曜平氏

    マイルドヤンキーの次に来るのは女子力男子です

    速水:次に本を出すご予定は。

    原田:12月に出ます。今度は『女子力男子』という本なんですが。

    速水:また話題になりそうです。

    原田:女子力をもつ男の子のことで、これはここ数年言われていたことでもあるんですが、意外とそれをしっかりと書いたものがなかったので。マイルドヤンキーの次は、女子力男子ですよ。彼らも意外と消費力旺盛でね。たとえば料理にこだわっている子だったら、当然、料理グッズを買ったり料理教室に行ったりするし。

    速水:料理教室に行くんだ?

    原田:けっこういますよ。女子力と言っても、それが料理方向に向かっている人、スイーツ方向、美容方向にとさまざまなジャンルにいるので、全部足すとすごい市場規模になるんです。

    速水:ふうむ。

    原田:その根っこが、実は同じようなところにあったりするので、そこを企業はつかむことが大事なんじゃないかと。でも、結局のところは男なんですけどね。よく女性化しているとか中性化しているとか言われますけど、それは表面上のことで中身はみんな男なんです。かなりの割合がモテたいがために女子力をつけている。

    速水:計算高いんですね。

    原田:だけど、いちばんスクールカーストの低いやつで、モテたいからというだけで女子力男子を目ざすのに、なりきれてないのもいて。UGGのブーツをはいたり、女の子向けの服を着たり、女子と話を合わせるためにそういうことをやってはいても、ものすごくブサイクでモテない男がうちの研究所にもいますけどね。だったら、むしろマイルドヤンキーでオラオラしているほうがまだいい。

    速水:それも価値がありそう。

    原田:そうそう。そういう彼らをなんとか救ってあげたいなと思って、本にしてみたんですよ(笑)。

    今回の聞き手
    速水健朗(はやみずけんろう)
    '73年11月9日生まれ、石川県出身。編集者・ライター。著書に『ラーメンと愛国』(講談社刊)、『自分探しが止まらない』(ソフトバンク刊)ほか。
    http://www.hayamiz.jp/

    え、それってどういうこと?

    関連記事

    RSSブログ情報:http://weekly.ascii.jp/e/283225/
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。