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【自然災害メモリアル】第006回:阿蘇山樽尾岳噴火(1979)の日 [防災]低温火砕流の脅威
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【自然災害メモリアル】第006回:阿蘇山樽尾岳噴火(1979)の日 [防災]低温火砕流の脅威

2018-09-06 18:00
    どうも、
    管理者のNDです。

    今日、9月6日は
    阿蘇山樽尾岳噴火から39年です。

    阿蘇山は何度か噴火していますが、この噴火は観光シーズンで発生し、
    低温火砕流により、火口東駅にいた観光客20人が巻き込まれ、
    死者3人を出す火山災害になりました。


    今回は「低温火砕流」をテーマにお伝えしたいと思います。

    そもそも、火砕流とは土砂移動現象で、高温の噴出物が斜面を流れ落ちる現象です。
    多くの場合はマグマ噴火で高温の煙が山をだーーっとなだれ落ちるようなものです。
    但し、低温火砕流は多くの場合水蒸気噴火によって発生します。

    低温火砕流で一番身近なものは、
    2014年に発生した御嶽山噴火での映像にある煙が迫るものが該当します。
    そのほかにも焼岳大正噴火・十勝岳大正泥流噴火などでこの現象が見られました。

    低温なので、一般的な火砕流が100~700度に対し、
    こちらは巻き込まれれば即死―― というようなものではないですが
    低温の方が危険なのは、その火砕流の速度です。
    必ずしもというわけではないですが低温火砕流は時速300kmを超えることもあり、
    高温の場合より速く、被害が広くなる傾向があります。

    低温でも巻き込まれればやけどの症状を引き起こすことがあります。
    目安ですが、噴煙温度が50度以上になるとやけどの危険が高くなります。
    実際に室温50度程度・湿度100%の環境で3分晒されて熱傷事故を生じたケースがあります。

    呼吸器官に火山灰などが入れば呼吸困難を生じることもあり危険ですし、
    酷ければ火山ガスを吸って即死する事態もあります。

    対処方法はハッキリ言うと現地で遭遇すればどうしようもないです。
    運悪く噴火警戒レベル1の火山を登山中突如として水蒸気噴火が発生した場合、
    遅くても電車以上のスピードで襲ってくる火砕流にはまず逃げきれません。
    というのもそもそも登山道ですから、普通に走れる環境でもないです。
    生存率を上げるのであれば、予防としてシェルターや山小屋の位置を知っておくことを前提とし、
    直撃を避けるために山小屋などの密閉可能な空間に避難するか、
    最悪大きな石などの物陰に隠れるぐらいです。低温であれば火傷まで僅かに猶予があるので
    避難後、火砕流到達までにレジ袋など(透明が望ましい)に空気を入れて鼻と口を覆えば、
    せめて窒息せず、肺も傷つけずに10分程度は生き残れるといったぐらいでしょう・・・。
    もちろん10分で新鮮な空気が残る場所にたどり着けるかと言われれば疑問ですが、
    何もしないよりはマシぐらいの対処にはなると思います。
    その後はマスクや着ている服で鼻と口を覆えば、少しでも呼吸器官等への損傷リスクを減らせます。

    捕捉ですが、災害時はふとしたものが役に立つこともあります。
    今回紹介したレジ袋は、高層階から火災で避難する時に役立つとされています。
    マスクは避難所で長期化した際に感染症のリスクを抑えるために、
    噴火災害に限らず備えてみると、案外活躍してくれるかもしれません。
    新聞紙やサランラップなどもすごく役立ちます、活用してみてください。


    今日の記事は以上です。
    皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

    明日もどうぞお楽しみください。
    尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。
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