菊地成孔さん のコメント
このコメントは以下の記事についています
真夏が来た。 NHK が「いだてん」を集中放送している。とても良い。残念なのは、オリンピック直前の集中放送だという点である。僕は、メディアで言っても言っても全然使って貰えなかったので、仕方なくここに書くが、今年の大河は「いだてん」の再放送が一番良いと思っていたし、もし大河枠の再放送が無理だったら、3ヶ月ぐらいかけて全話を集中再放送するのが良いと思っていた。
有名なリーフェンシュタールの「民族の祭典」のを引き合いに出すつもりはないが、国民に政治的な偏向を与えたかったら娯楽が一番だ。ゲッペルスのいうとおり。「いだてん」は本放送当時、国民が落ち着いてゆったり鑑賞できる状態ではなかったし、今となっては振り返る(想起)するのにも鬱陶しい何かがへばりついてしまっているが、近代日本史の勉強になるし、歌舞伎俳優がテレビに出た時のスキルと演技プランが同じすぎて(大人計画も、ちょっとそう)、画面中の演技群
>>25
あのですね、前提的認識として、今は、もうファシズム社会とスターリニズム社会が、まずはネットの一部から、としますが、到来しているのです。「到来しようとしている」のではなく、到来しているのです。
「スターリニズム」は、ターゲットになた人物の過去がどこまでも素材とされ、それで粛清されることが日常化する社会のことで、今の日本にスターリンはいませんが、集団的スターリニズムという、独裁的スターリニズムより厄介な社会になっています。
それは、昨日今日始まったことではないです。僕は、「スペインの宇宙食」の頃から、自分が「大正モボと同じ、つまり、遊び楽しんで生きて、てひどい不況が来た時、若い人が軍靴の響きを鳴らしたとしても、呆然と黙認するしかなかった。という立場に立つ日が来るんだなあ」と思っていました。あれらは97年から2002年に書かれたものです。僕が「いよいよガス線が開いたな」と思ったのは、ヤフーニュースのコメント欄で、加藤和彦さんが、思い出のホテルで自死なさった時、「このジジイ、誰だか知らねえが、ホテルの運営に超迷惑だって考えなかったのか」と、背筋が凍るような<正論>を吐いて、ものすごい議論が起こり、結果「ホテルに悪い」という趨勢が勝った時です。
今は、「とうとうリーチがかかりやがったな笑」と思っています。お若い方にはわからないかもしれませんが。ですので、そういう現状認識の中で、ですが↓
<私も今回の元記事を読み、>>10さんとほぼ同じ感想を抱きました。そして、>>24さんが紹介されている北尾氏の記事をちょうどいま読んだところです>
↑ 僕は、北尾くんは、気持ちはわかるけど、こんなもん書かないほうがよかったと思います。なぜなら小山田さんはもう公式に「ひどいことをした。本人が生きているなら直接謝りたい」とまで言ってしまっており、今更、「あれは実はこうだった」とかいうのは、時代の波に乗って、あれを乗せた、と言うか、時代の波に普通に乗っていただけの「クイックジャパン」の、今になって発生した自責の念を晴らしたいという気持ちしか伝わってきません。断言しますが、時代が変わらなかったら、今回、自責の念に駆られた関係者は1人もいなかったと思います。時代のコードとムードが変わらなかったら。です。
これを読んで、小山田さんのファンの方は第一に喜ぶでしょう。愛する小山田さんはやっぱりそんなに悪い人ではなかった。そして悔しくなるでしょう。このコンセンサスが世間に通用しないということが。そして、小山田さんをどうでも良いと思っているか、小山田さんが気にくわない人か、誰もが気にくわない、血に飢えた全方向的スターリニストは最大限の悪罵や嘲笑を向けるでしょう。
<北尾氏の記事を読み、悪意ある切り取りを行ったブログによって小山田さんは嵌められたのだ、と確信し、慄然としました>
↑ あの笑、思わず笑ってしまって本当にすみません、決してバカにしているのではありません。あなたのお気持ちはよくわかるのですが、繰り返しますが、これこそ「今更」な話ですよ笑、今(機能とか、そのぐらいの話で)「ネットが悪意のある切り取りを行い、誰かを嵌める」という事実に、「確信し、愕然とする」というのは、本当に失礼ながら、随分とぼやっとしているとしか言いようがありません笑。ガスが充満している世界に住んで、自分の家が爆発してから慌てているのと同じです。
あなたに対して、一番優しい言葉遣いで提言するとするなら
1)お気持ちはわかります。そして、さらに恐るべき事には、今や小山田さんだけでなく、誰でもそういう目に遭う可能性がある恐るべき社会で、今回、小山田さんのことをきっかけに、その事に着目し、第二第三の小山田さんが出ないようにするにはどうしたら良いか考えるべきではないでしょうか?
という事で、一番、口汚い言葉遣いで提言するならば
2)あなたがしていることは、ガスがすっかり充満している社会にいて、ボケっと自分もガスを使用し、自分の家が爆発してから慌てている、という事に近い、つまり完全な後手です。自分の家の被害ももちろん大切ですが、そもそもガスが充満している社会をなんとかしない限り、第二、第三の爆発が起こるわけです。自分の家だけが安全ならそれで良いと思う限り、あなたはこの社会のガス充満化に貢献している事になります。
となります。僕の主観がどちらか、という話ではありません。
何れにせよ、両者とも、エコロジカルもしくはリベラルな提言ですね笑。「自分さえ良ければそれで良い」という立場ももちろん尊重します。脱炭素とかの件は、僕はこっちの立場です。
要するに、僕が強調したかったのは、後半の「世界をなんとかしましょう」ではなく、前半の「もうとっくにそういう世界になっているのだ」という事です。
小山田さんを吊るのに成功したこの社会は、もう、やろうと思えば、弟子を暴行して訴訟を受けた東国原氏も、ブラック&タブーネタで天下を取った、ラーメンズの先駆であるラジカルガジベリビンバシステムのお歴々も、吊ろうと思えばいつでも吊れます。「サブカルの年寄りはえらくなって、金持ってそうで腹たつんで、全員殲滅してやれ」と思えば可能でしょう。
良い悪いではなく、もう、そういう世の中になったんです。性欲たぎるリンチ社会ですよ。
<おそらく、小山田さんは抽象的な方向に音楽性を変容させるのと並行するように、言葉による語り尽くせなさを思い、このブログにここまで釈明ができなかったのではないかという気もします。>
↑ 全然そんな複雑な事じゃないと思いますよ笑。今までの炎上では、「過去のコードも知らないバカな周辺」に対し、超然と出来てたんだけど、今回はおおごとになったんで謝罪したのでしょう。実行したことの裏に、大いなるバックグラウンドがあったとしても(北尾さんのブログのように)、それを伝えれば減刑され、同情の余地が認められるだけのものがあったとしても、全面的な謝罪が最も適切であると判断したのだと思います。ある意味、イージーはイージーですが。
<「小山田圭吾がもし、菊地成孔だったら、今回の火種となったブログにどう言及し、どのように落とし前をつけただろう」と想像せずにはいられませんでした。おそらく小山田氏が言葉を尽くして語ったとしても、保安官のような人が出てきて、世間に袋叩きにされる、という結果は同じことだったでしょう。しかし、それでも言葉の限りに説明をし、歪められた情報を訂正し、適切に謝罪をしたら、何かが違ったかもしれません>
↑ 夢想にしても僕と小山田さんは余りに全てが違いすぎるし笑、この設定は無理だとた上で、僕は、一人の怨念に取り憑かれた人物が、タイマンで僕を吊ろうとし、ギャラリーを味方につけたのです。なので、相手の怨念のありか、相手の怨念の出し方を示し、僕を吊ろうとするギャラリーは放置で、それ以上することはありません、謝罪が必要とも全く思っていません。時が全てを証明すると思っています。なのでそういう行動をとりました。
小山田さんと小林さんは「公式に謝罪した」ことに特異点があります。ラーメンズの小林さんも、対談した事があるので、少なからず知己がありますが、「あんなことするんじゃなかった、売れてなかったから焦りがあったかもしれない、反省している」と全面謝罪なさいました。これは芸風に関する抜本的な反省です。本当に反省しているとしたら、もう小林さんは、「安全で認められた笑」しかしない。ということになってしまい、心配しています。小林さんを心配しているだけではなく、世界をです。
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