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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>4

 いえいえ&ご高評(グッチのやつ)ありがとうございます。ま確かにあれ以上はないかもしれないですね。と、これは僕が「俺の書く日ひょいは凄えんだぞ」と、鼻息荒くしているのではなく、これは僕の活動の基準とも言えるのですが、欧米と比べ、日本は「映画」「復職」「料理」を縦断できる批評家や研究家(オタク)がいません。すごく謎で、どうしてだかわからないんですが、こないだラジオデイズでも言ったように、「古畑」が「コロンボ」のキャラのあり方、仕草、倒叙ものという形式、をそっくり頂いている。という指摘までは、つまり9割9分までは行けてるのに、「有名な主題曲も、コロンボの第一シーズンの名作と言われているエピソードに流れている曲のパクリ」という点だけ誰も触れません。

 なんか規制でもあるのかな?と思うほどです。以下、演繹的に、キューブリックのマニアはグッチなんてグッチ裕三ぐらいしかイメージできないだろうし、ミケーレラヴァーのニューグッチャーは、映画なんてよくわからないと思うんですよ。

 なので僕は橋渡ししているだけなんですよね。昔日、呉智英が、「なぜ、吉本隆明はケンカに強いか?」というエッセイで、「勝つ必要がなく、同じフィールドに立っている選手が吉本だけだから、原理的に負けるはずがない」と書いていて、学生時代に、へーそんなもんかねえと思ったんですが、僕の今の立場はそれで、僕の立ち位置(グラウンド /フィールド)にたつ、同じ競技の選手がいないんで、原理的に僕が一人勝ちすることになってしまいます。僕は(これでも笑)ハト派なので、同じフィールドの選手が増えて、仲良く議論したりしたいんですが、いません。今僕は、60年代東宝プログラムピクチュアの音楽について研究しているし、同時に、彼らが歌う、都々逸、長唄、端唄、常磐津、浪花節、と言ったもの、彼らが縁石で食べている料理、彼らが来ている服、について研究していますが、ネットを隅から隅まで見ても、同じ選手がいません。

 新音楽制作工房の、佐々木さんの曲は、「岸辺」に売却したので、今は見れません。っていうか、抹茶さんご存知ないかもしれませんが、僕、新音楽の代表としてTwitter始めたんですよ笑。そこに「今、大量の売却があって、ソールドアウトの札かけてる暇がない」と書いています。ご興味あったらご覧ください。

 「省略を禁じる」に関してはご指摘通りで、この技法を得意としているのは新音楽制作工房の中では、田島と佐藤です。なので、「反解釈0」では田島に、「反解釈1」では佐藤に、同じ音源(僕らの小芝居)を、各々音楽化(僕らのスラングでは「パスコワライズ」と呼んでいますが)を依頼し、使用しました。

 ここは誰でも見れるから、うっかり口を滑らせては行けないと思うんですが、パパラッツィの皆さんにも「お楽しみを取って置くために」としますが、内緒にして欲しいんですが、今年の岸辺では長い台詞の応酬がパスコワライズされます笑。これはテレビドラマ史上、劇場映画史上初めてのことなので、大変興奮しています(お願い内緒にしてパパラッツィ、君たちがここを晒して僕が不当なリンチを受けた件も、もうなんとも思ってないよ。町山さんとだってノーモーションで普通に仕事して盛り上がったし。それよりもうあんなことしてないで前向きに楽しく生きなさいな)

No.5
24ヶ月前
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 12月に入った。例年になく長かった今年ももう1ヶ月を切ったが、元日までは波乗りと一緒だ。今日、東京は急激に寒さを増し雨が降った。アレッサンドロ・ミケーレがグッチを退任。    1980年代なら、むしろパーティー日和だ。クラブカルチャー全盛期よりも少しだけ前の、初期ヤッピーのパリピ文化。彼らは雨や寒さなど気にしなかった。毛皮とプラスティックがマテリアルの服を纏い、ポップグループやリップリグ&パニックで、あるいはマイケルジャクソンで踊る。    タクシーに乗ってシートベルトを刀を抜くように、大きく引っ張ってロックする。「青山通りの、行列ができるドーナツ屋の前。で分かります?」と笑いながら聞くと、異様に恐縮した感じで「すみません住所を、、、、」と言われた。「ですよね笑」    ドーナツ屋さえ行列はなく、青山はブルーヴェルヴェットだった。加齢のせいで、角膜がおかしくなったのかも知れない。クラブゼロの階段を降りるともう新音楽制作工房の藤井くんが先に入っていて、かなりパセティックな歌モノでサウンドチェックをしている。彼がまだ DAW 初心者だった頃とは別人である。  人が育つというのは恐ろしいほどだ。無邪気で乱暴で、何も知らないでいられる時期は短い。それは巷間「短い」とされる人生より短いのだ。  
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